テラーノベル
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「君のいる世界は綺麗だった」
私は前世の記憶がある。殺人鬼だったらしい
そのせいか世界の色が全く見えない
「これが遺伝か」そう思った。
生きている内に俺は
何のために生まれ、
今まで生きてきたのだろう。
そう思っていた。
友達にも大切にされない。
真実を言うだけでみんな傍から逃げていく。
そう、思っていた。
現在俺は中学3年である。
つまらない授業を聞き、生きている。
「光太、ここの問題は」
俺は立ち上がりこう答える。
「分かりません。」
「全く……」
先生が呆れているのがわかる。
俺はそれでいいのだ。ちっぽけな人間で。
隣の女が話しかけくる
「ここ、分からないの?」
俺は適当に返事をした。
「おう」
女は返事をする。
「じゃあ教えてあげる!放課後待っててね 」
なんだこいつは、俺のためにわざわざ、
無駄だと思わないのか。
そう思ったもつかの間、
放課後がやってきた。
「ここ、わかる?」
「知らねぇ」
この言葉の繰り返しだった。
女の名前は「栞」(しおり)というらしい。
「光太くんは高校どこにするの?」
「俺が行けそうなところ。」
もちろん、高校など行く気はない。
むしろ行きたくない。
なのにこの女はグチグチと、
ほって置けばいいのに。
「光太くんなら、光高校なんていいかも!」
「光太くんと一緒の光が入ってるし!」
女は微笑んだ。虫唾が走る。
俺は口走っていた。
「ほっておけよ!!なんで俺なんかのために、ここまでやるんだよ!迷惑なんだよ!」
教室に響き渡る大声で。
女は目に涙を貯めながら、こういった。
「光太くんがそう思ってるならわかった。」
女はカバンを持ち、教室を去った。
耳をすますと、 外から鼻をすするような音がした。
おそらく泣いているのだろう。
俺もさすがに言いすぎた。 と反省した。
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