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『佐々木部長から見せてもらったけど、君は資料つくりが上手だね。事務だけさせるなんてもったいないな』
急に褒められて驚いた。
いったい、部長は何の仕事でこの人たちを呼んだんだろう。
私が作る資料は、営業の皆さんから頼まれた資料の清書や会議の議事録だ。
まれに、要領を得ない人のものは作りたい概要だけ聞き取って一から私が作ることもあるけれど、私の名前でその資料が表に出ることはないのに。
森上さんの相手で疲れていた私は、その言葉に救いを見出し、思わず言ってしまったのだ。
『本当にそう思います? 私、結構使えますよ。雇う気ありませんか?』
今から思えば、会社で言うことではなかったと思う。でもあの時は、本気であの会社から逃げ出したかった。
社長と桶川さんは、完全に目が点になっていて、私はひそかにイケメンが台無しになるからきりっとしろよと思ったものだ。
社長は少し迷ったようだったけど、それより先に桶川さんが動いた。
私の頭をいきなり掴むと、自分のほうに引き寄せて言ったのだ。
『あるよ。おいで』
『おい、恭平』
社長は咎めるような声を出したけど、桶川さんは気にした様子もなく続けた。
『いいじゃん。俺、補佐欲しかったんだよね。作業後の報告書つくりもだるいし、その辺やってくれる子欲しい。直観は大事にしないとさ。ね、社長、即決してよ』
『……うっ。分かった、雇うよ。……いつから来れる?』
本当に即決かよ。と思った。そして、採用条件も何も考えずに、私はそれに飛びついたのだ。
『ここを辞められたらすぐに』
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鷹槻れん

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坂野真夢
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コメント
1件
めっちゃ分かる…主人公が「雇う気ありませんか?」って軽く言ったその場のノリ、めっちゃ共感しちゃった。逃げ出したい気持ちと、桶川さんの「直観大事」って即決のテンポが最高に心地よかったよ🤍 救いを感じる瞬間、大好き。続きどうなる?