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どうも、パーカー大好き!少女です。
なんか長くなったので
中編の2と3、そして最終話に分けます(はい?)
「…なぜ………さっき…居たでしょ僕の目の前に……」
「…それはね僕が作った幻覚症状なんだ」
「え……」
僕ははっきりと覚えている。なにか申し訳ない顔をしているのを…
それが幻覚?
僕が見た現実?とても判断しきれない事だ。何かの手違いだ。そうあって欲しいがそうでもいなかった。
「本当なんだ…パール…僕が作ったんだ。凄いでしょって自慢したいけど…今はそんなんじゃ…ないよね」
そう言うとクロアは手に持ったトライデントを少し強く握り、また僕に近づいてきた。
当然反撃することは出来ない。
ついさっきにトライデントで刺されてしまったので、なんとか傷を広げないようするのが精一杯だ。
だが、ここで「刺しても良いよ」という自分ではない。最後に何か質問をして倒される方がマシだ。なので、僕は精一杯の力を振り絞って声を出した。
「クロア…最後…質問して良いかな…?……」
「……良いよ。このままよりも最後に話した方が良いもんね」
どうやら、最後の質問を聞いてくれるらしく倒れている僕の側に座ってくれた。自分でも意味がわからないことをしたが、その方がなんとなく安心するような気がした。僕はうつ伏せのまま質問をした。
「クロア………なぜ僕を倒そうとしたの?」
「……それがパールの最後に聞きたいこと?」
「うん…それしか疑問にないもん」
「フッ……パールらしいね。じゃあ、話してあげる」
「はぁ…はぁ…お母さん!お父さん!」
僕は必死に探していた。
何もかもを捨てて、ただただ探していた。僕の全身から熱が込み上げてきた。そのくらい怒っていると自分でもわかった。
batfinishと言う集団のアジトに着いた。もちろん、部下のような人もいた。けど僕の運動能力で軽々と避けて奥へ走っていった。
無事でいてほしい
その考えしか脳になかった
「…!お父さん!お母さん!」
「な……クロア!?」
やっと見つけた。アジトの最奥部に居たようで僕の両親は縄で縛られている。時間があれば助けられる。途中で手下などが出てきても僕のトライデントで攻撃する事も出来る。僕は安心したため息で縄に手を掛けようとしていた。
それが罠だったのだ。
僕が居た足元にはワイヤートラップが仕掛けていて、踏んだ瞬間に何かが僕の足に目掛けて飛んできた。
「い゛っ……!!ぁ…」
右足に飛んできたみたいで目を向けてみた
ただの矢だった。
矢なら血の範囲は比較的少なくて数分間の行動ならいける。そう思っていた
が、何故か徐々に目が二重に見え、息が荒くなってきた。
これはただの矢ではなかった
思うように力が出なく倒れた。きっと、毒の矢だろうか…全体に痺れが来た。おそらく、今の時点では立ち上がることは不可能だ。
二人が縛られているのをクロアはうつ伏せで見ている中…コツコツと皮の靴でこちらに向かっている人が見えた。
「へぇ~!やっぱりこう来ると思ったよ!よく頑張ったね(^-^)」
僕は顔を上げた。目の前には20代前半くらいの若い男性がスーツ姿で僕を見つめてきた。
ただ、僕のことを全方向から見て「ほー」って言っていた。なんだこいつと内心思ったが、次の瞬間、僕が凍りつけたように体が動かなくなった。
「見た感じ…君って普通の人間じゃないよね?」
「……どういうことだ…貴様」
「おっと…凄い口が悪いね。実はね君が刺さった矢…
普通の人間だとね五秒ぐらいでね失神する矢なんだ~✨凄いでしょ!
それを長い時間で耐えているということだからね…間違いはないって思うんだ」
確かに感覚はあった。種族が違うのかそのような関係で、これはまだ耐えるなと思っていたが…まさか、それが罠だとは思わなかった。
「ねぇ…君って何者なの?教えて?」
「教えるもんかっ……」
「ならば…君を倒すしかないなー
親の前でね♡」
「っ……」
勿論のことやられたくないとは思っているが、今の質問は「人間かどうか」だ。言い換えると「種族は何?」ともいえる。昔から種族は絶対に秘密なので、素直と言えるはずが無い。
種族を言うより、相手に倒された方がマシだ。最後の決心をした僕はそっと目を閉じようとした。
「(ごめん…みんな…)」
「…息子は悪魔の子だ」
「!!?父さん!?」
「貴方…!…」
「すまない…せめて息子でも…だ」
お父さんが言ってしまった。
僕たちの秘密を…どうやら彼はあまりにも残酷すぎることを避けたかったらしい…
これで…僕も解放できるかな……そう思っていたが
予想のはるか上を貫いてしまった。
ドスッグサッ
「ガハッッ…!!?ゴホッ…ゲホッッ…!!」
数秒もたたないうちに僕の口周りが鮮やかな紅色に染まった。一瞬何が起こったか分からなかった。刺された?だか、ナイフでも剣でもない…感じ…
まさかと頭をよぎったが、その通りだった。悪魔の特徴でもある尻尾を僕の腹に突き刺したのだ。通りで違和感がすると思っていた。しかも、よく見ると合金のようなきらびやかな光を放っており、まるでランスのような鋭さだった。それをなぜ尻尾にという疑問もあったが、そんなことはどうでもよかった。
…
あんな言葉に誘われて
騙されて
刺されて
もう、裏切られた気持ちでいっぱいだった。堪忍袋が爆発しそうなくらいの怒りだった。そんな僕をにこにこと微笑んでいるスーツ野郎がまた提案をしてきた。もう聞くもんか。
「あ。そうそう、さっきのはただ僕が質問したかっただけだからさ。
本題はこっから
実は僕も君と同じ悪魔の子何だけどねー…神の子を今探しているんだよね。でも、なかなか見つからなくてね。本当に困っているんだー♪
だからさ
君の友達である “パール君” をここに連れてきてくれないかな?(^-^)」
「な!?なぜ…その名前を!」
「あーごめんごめん。僕の組織の仲間がねスッゴク強くてね♪つい君たちのことを監視しちゃった(^^)だからお願い」
「…けるな…」
「ん?」
「“ふざけるな”と言っただろ!!パールをどうするつもりなんだ!あいつだけは迷惑をかけたくない…かけるとするならば…今ここで倒してやる!」
「…口の悪い悪魔の子だね……
つまんない。おとなしく聞いていれば
君たちを助けようとしたのに…」
その言葉が最後だったのかこれ以上の記憶は思い出せない。
「そうだったんだね……だから僕を…倒そうとしたんだね」
内容を完全に理解したパール。僕をそいつらに渡せればクロアの両親は助かる。もちろんそこで何をされるかは分からない。だが、謎であっても友達のためなら…そう思ったパールは自身の体を脱力させてこう言った。
「…僕を連れていって…最後のお願い…」
彼は目を閉じたまま静かに言った。おとなしく聞くかと思った。連れてくかと思った。
しかし、何秒かたったあと僕の頬に冷たさを感じた。これが何度も何度も感じ、目を開けたら目の前で瀕死の僕を抱えて泣いているクロアがいた。
「やだ…やだ…絶対に連れて行くもんか!……」
「……え?…クロア?」
「……ごめん…今の僕は昔の僕だよ。さっき、連れ去ろうとした僕がいたでしょ?そいつを心の中から追い出したんだ」
「…?状況が分からないけど……クロアはいま二人いるということ?ニ人格?」
「いや…分からないけど……もう一人の僕が居るみたい…だから!そいつが目を覚ます前に逃げて!」
「でも…クロアを置いてはいけないよ…」
「だめ…余計に影響を与えちゃう…だから……う”ぅ”っ…」
クロアは涙を流しながら頭に手を持っていった。どうやら時間のようだ。このままとどまっている訳にもいかない。もちろん、クロアを置き去るのもいけない。一体、どうすれば良いのかと必死に考えた。隣にはまだうめき声を発しているクロアがいる。
「……クロア…僕…行く」
「そう…元気で((」
「違う。助けに来るから…絶対に…クロアの中にある奴を追い出してやる…絶対に…絶対にっ…う”ぅ…」
僕は話したあとに涙が滝のように出た。本当はしたくない、いやそんなことをするわけがない。いままでずっと一緒だった友達だから。軽々と頷く奴ではない。信じていた。なので今も、果たして良い判断か悪い判断か心がぐちゃぐちゃになっていて分からない。
そして、前よりかは痛みが引いた体を懸命に起こした。
「……パール」
路地裏でちょっと寂しく見送るクロア。これで良いんだと心の中で思った。安心しながらパールとは別の道で帰ろうとしたが、そうにはいかなかった。自分の心の中から追い出した今の僕が侵入したのだ。もちろんの事彼は相当怒っているようだ。
「おい…なんつう事をしてくれたんだ!お前は引っ込んでろ!」
「そんなこと…僕は反対する!パールをこんな目にあわせて…心が苦しいって思わないかい!?」
「へっ。そんな事なんか1ミリも思っていないぜ。あいつなんかただの道具にすぎねぇよ」
「……お前……!!パールの事をなんと言うんだ!…許さない…!」
「そんなトライデント持ちながら言うもんじゃないぜ?そもそも心の中でも俺を倒す事は出来ないぜ?」
「…?どういう事だよ」
「つまり、お前は俺が二人になった瞬間、今の俺は俺に変わるのさ」
「…てことは……まさか!」
「そう…交換さ」
それを言った瞬間、僕の体が何かに拘束された。よく見ると何かの鉄の塊だった。
そう。手錠だった。手錠の片方は拘束と同時に出現した牢屋の棒に掛けられている。そのまま片手だけで動かそうとしたが、びくともしない。
「っ……!お前!ここから出して!」
「ふ。出すわけないだろ。しばらくの間はここで大人しくしてろよ?(まっ。こいつの洗脳が終わるまでなんだけどな)さてと…ひと暴れするか…」
「(どうしよう!…パールが危ない!どうにかして伝えないと…)」
「おっと。そうだ寝ないといけなかったな?」
「っ…パール…逃げ………て…」
パチンと指をならした後クロアはエンジンがダウンしたような静かさで眠ってしまった。檻の外から見ているもう一人のクロアは厄介な目で寝ているクロアを見つめた。
「最後の最後に変な事言いあがって…
ま。あいつなんかすぐに捕まえてやるさ」
心の中を後にした闇クロア(クロアが二人いるので判別しやすいようにしています)は現実世界に体を戻した。もちろんパールはここには居ない。だが、トライデントで刺された時の血が地面に付いていたのでそこを辿って行けばパールが居ると発見した。
「後の事も考えていないアホな天使で良かったぜ」
「あれ~?僕の天使ちゃんは何処に行っちゃったのかな?」
「あ。ランス様」
跡を追おうとしたが、クロアを洗脳して閉じ込めた張本人 ランス の姿が目写った。最大の獲物であったパールが居ない事に気付き、少し怒こっているようだ。
「ねぇ、パールちゃんは?」
「すいません。昔の俺があまりにも乱暴でしてね。少しの間眠ってあげたんですよ~」
「わざと逃がしたんじゃないよね?」
「それがね…ついさっき俺追い出されてパールの事を逃がしたんですよ。あまりにも邪魔だったんで俺の洗脳が解けるまで寝てあげました」
「それは悪魔よりも酷いんじゃない?ま。だいぶ、楽になったから結果オーライかな?」
「だと良いですけどね……けど、ほらパールって神の子じゃないですか?あのじーさんが居るんで」
「確かにね…一刻も速く見つけないと」
「そこは任せてください。ランス様」
「お?頼もしいね。じゃあお願いしようかな~」
ランス様と出会った闇クロア。そんな会話とは別にパールは一体どうなったんだろう。
パールは胸に手を当てて気を失っている。まさか、彼らに捕まえられたのか……??
いや、そうではなかった。
グレーの髪に赤のグラデーション。紫のメッシュ。そして、宙に浮かぶリングを身に付けている老人に抱き抱えていたのだ。だか、ただの老人ではない。キラキラと煌めく神様のような……
老人は気を失っているパールを見て焦りを感じた。
「急がなければ…こやつの命が…」と
中編2終わりです。ありがとうございました。