テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
4件
もっくんだといいなと思ってしまう!!❣
うわあああってガチ叫びましたわ 好きな人、、?mtkさんですかねんー??
今回の話はなんか色々複雑です 色んな人の気持ちがわかるようでわかんないような感じ。 更新頻度遅めです。 でもいいねと感想嬉しいのでよろしくお願いします🤲
若井side
『家、行っていい?』
『迷惑なら帰るから』
既読だけついたメッセージ。
涼ちゃんからの返事はそれから六分後に送られてきた。
『なに、急に?』
『涼ちゃんにあいたい』
『今日帰るの遅いよ、それでもいいの?』
『それでもいいから。だから行っていい?』
『勝手にどうぞ。鍵持ってってね』
素っ気ないメッセージ。
携帯をポケットに押し込んで家から夜の闇へと歩く。
深い深い夜の闇を切り裂くように涼ちゃんの家へ向かう。
夜の孤独に呑まれそうな時何度も何度も通った道。
涼ちゃんの家について、鍵で扉を開けて中に入る。
感じたのは純然たる安堵だった。涼ちゃんの匂いが俺の心の闇を解していく。
時計を見ると、もう十一時を回っている。
もうすぐ、きっと単独バライティに収録が終わって涼ちゃんが帰ってくる時間。
時計の秒針の音が大きい。暗い室内の中、俺は独り涼ちゃんの帰りを待つ。
涼ちゃん、早く帰ってこないかな。
涼ちゃんの笑顔が見たい。涼ちゃんの声が聞きたい。
そしたらこの胸の黒い感情もきっと綺麗に無くなってくれるはず。
その時だった。
ガチャ、と控えめで静かなドアを開ける音が聞こえてきた。
…涼ちゃんが帰ってきた!
立ち上がって玄関に向かう。涼ちゃんは暗い廊下を歩いてきた。
「涼ちゃんおかえりッ!」
「あー…若井。来てたんだっけ。まだ起きてたの」
「涼ちゃんと喋りたくて」
「そっか。ありがと」
涼ちゃんは笑いながら部屋に入っていく。
部屋から出てきた涼ちゃんはいつもと同じ格好をしている。
小さい小ぶりのショルダーバッグを肩にかけて玄関に向かう涼ちゃん。
その口元は少しだけ上がっている気もする。
「涼ちゃん、どこいくの?」
「ちょっと用事」
「一緒…ご飯食べない?…俺作るよ、?」
「外で食べるからいい」
「そ、そっかッ…何時に帰ってくる?」
「そんなのわかんない。じゃ、行ってくる。あ、帰るなら鍵閉めといて」
涼ちゃんはそう言ってバタン、と玄関の扉を閉めた。
最近、涼ちゃんがおかしい。
携帯を見てにやにやしてることもある。今だってほら、香水の甘い匂い。
信じたくはないけれど、もしかしたら。
涼ちゃんに俺以外の好きな人ができたのかもしれない。
next ♡500