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佐野side
ー音楽番組のリハ中の楽屋でー
あ、こぼした。
あーあ、抱え込んで食べるから。
よりによってカレーじゃん。
柔太朗は数秒シミを見つめてから、キョロキョロと拭けるものを探し始めた。
こんな時に限ってメンバーは俺だけ。
🩷「(アイツらいねぇのかよ)」
俺は立ち上がり、カバンに入れていたウェットティッシュを柔太朗に差し出した。
🩷「ん」
柔太朗の顔が上目遣いでこっちを見る
その仕草にドキッとする
🩷「貰いもんだから遠慮すんな」
🤍「ごめんね、ありがと」
少し潤んだ目でこっちを見ながら、へにゃりと笑うと、ウェットティッシュを取り出しシミを上からポンポンと叩きはじめた。
🤍「カレー落ちるかなぁ」
唇を少し尖らせ、角度的に伏し目になりつつシミを見つめる横顔は、綺麗という言葉では物足りないほどだった。
🩷「その服お気に入りだもんな」
🤍「えっ」
急に柔太朗が顔を上げる。
その表情はお気に入りの服についたシミへのショックが感じられる少し涙目な瞳、でも口角はなぜか少し上がっていて、どこか華やかで眩しい。
🤍「覚えてくれてたんだ(ボソッ)」
🩷「ん?なんか言った?」
🤍「なんでもないっ」
そう言って柔太朗はシャツの裾を握り俯いた。
🩷「(なんか、俺悪い事言ったか?)」
ふと、手が止まっている柔太朗の半袖の袖口に目がいく。
🩷「あ、」
🤍「なにっ!?」
俺は袖口を指差す。
🩷「ここも着いてる」
柔太朗の袖口にも同じカレーのシミがあった。
🤍「嘘っ!うわぁっ」
柔太朗は慌てて手を伸ばし、ウェットティッシュで袖口を叩こうとしたが、着いている位置が悪く手が届かなかった。
🤍「お気に入りだったのにな、コレ」
シュンとわかりやすくしょげる姿でさえ愛おしく思える。
🩷「貸してみ」
俺は柔太朗の手からウェットティッシュを取ると、柔太朗の隣に跪き、袖口を叩こうと手を伸ばした。
🤍「いや、大丈夫だからっ」
謎に遠慮する柔太朗。
別にカレーのシミ取りくらい俺だってやれる。
🩷「遠慮すんなよ」
俺は 遠慮する仕草をしている柔太朗の手首を掴み、叩きやすいように袖口を自分の方に向けた。
🤍「!?」
手首を掴んだ瞬間、柔太朗が少し跳ね上がったのがわかった。
🩷「(柔太朗、触られるの苦手だっけ?)」
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次楽しみです!!!