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朝 8:00
いやー朝からハンバーガー食わしたときのシッマの顔、めっちゃおもろかったなー。いやー、シッマも良いけどやっぱやりがいあるのは大先生とかトントンやなあ。ロボロは普通に食うからオモロないねんな。くっそ大先生に逃げられたのは痛かったなあ。
そんなことを考えながら訓練場に着くとまさかの一番乗りだった。別に廊下をいつものスピード(車で言うところの40キロほど)で走っただけなんやけどな。そういえばなんか皆凄いもの見るような目で見てきたなあ、顔になんかついてたんやろか?
訓練場から見上げれば見える総統室の窓まで飛んで張り付いていると、窓に背を向けて書類をしているグルッペンと大先生がいた。それを正面から監視しているトントンとふと、目が合い、二カッと笑いかけるトントンが悲鳴こそあげないがびっくりしたような顔でこちらをみたので、それに気づいた二人がこちらを振り返る前に窓枠から飛び降りてから、軽く壁を蹴って少し離れたところにあるベンチの屋根の上に着地する。
いやー、トントンに食害し損ねてなんか気分悪かったけどすっきりしたわ!
なんて満足感に浸っていると、「なあゾム、どう思う?」と、唐突にシャオロンから声をかけられた。
何だっけ、罰ゲームをつけるとか言う話だったか。くっそ、せっかくええ気分やったのに。
少しばかりのイライラを治してもらおう、と思いながら屋根から飛び降りる。お、今の着地良かったんやないか。
「せやなあ…負けた隊が勝った隊に昼飯奢って、幹部は俺に食害させてもらうのでどうや?」
勿論、問題は無いだろうと言わんばかりに言い切る。見る見るうちに二人の顔が青くなっていく。しまった、このままでは断られてしまう。最終兵器を使うか、と覚悟を決め、ばれないように少しだけフードをずらし、皆が綺麗だというペリペッドの瞳を覗かせる。案の定、と言うべきか二人は何も言わずに肩を寄せ合って、何かを話し始めた。そんな二人の様子を見て、こんな風にしか自分の思いを通せない自分に嫌気が少しだけ差し、気分が沈む。
こんな自分ではいけない、敵にとっても味方にとっても脅威であらなければいけない。
そう心に言い聞かせ、重い気分を振り払う。二人はまだお通夜をしていて、周りで一般兵がオロオロしている。
まだバレてはいないようだ。それじゃあ、スタートー、と声を張り上げ、もう一度屋根の上に飛び移る。
んー、どっちの隊も装備的にはほぼ一緒やから純粋に実力やな、ただシャオロンの地形の方が有利かな。お、あいつ速いやん、でもちょっとナイフの振りが遅いな。あっちは…振りは良いんやけど視界が狭いんか、一直線やな。あー、あいつはあかんな、何で軍に入れたんか分からんレベルであかんわ。誰か俺と対等に遊べる奴おらんかなー。
遊び相手を探すために、割と真面目に分析をする。すると、一直線に敵陣に向かいながらも視力がいいのだろう、攻撃をしっかりと避け、なおかつ倍で返す。あいつは確か、コネシマが直々にスカウトした後輩では無かっただろうか。確かしょっぴ、とか言う名前だった気がする。
よし、報告書に書くのはこいつと、何人か居た使えそうもない奴らにしよう。別に最後まで見ていろ、なんて言われていないからな。
そう理由を作って訓練場を出る。廊下を歩くより、ダクトを使った方が早いのでパッパと部屋に帰る。何も書かれていない真っ白な紙に
かんぶにしていいやつ……しょっぴ
つかえへんやつ……みたらわかる
ぞむ
とだけ記し、今度は廊下を通って総統室へと向かう。大先生かグルッペンが抜け出そうとしたのだろうか、中からトントンの怒号が漏れ出ている。少し待って、静かになったところを見計らって、ノックをする。
誰や、と少し怒気を含んだ声がかかる。かちゃり、とドアを少し開け、顔を覗かせる。
「どうもー、ゾムですー。報告書出しに来ましたー。」
と、部屋の中に体を滑り込ませるとなんと二人とも床に正座していた。トントンが大体の視線で気が付いたのだろう。
「こいつら、俺にお茶取ってきてくれなんて言うから持って帰ってきたら誰も居らんねん。急いでロボロに聞いたら、つい十七秒前にそこ抜け出して、今門の方に向かってるわ。門番に門開けさせへんよう言うとくわ。なんて有能なこと言う味方が居ったから急いで連れ戻したんや。いやーロボロは絶対に敵にまわさん方がええで。
それより報告書出しに来てくれたんやろ?そこ置いといて。後で読ましてもらうわ。」
そうトントンが締めくくったので、机の上に置いて部屋を出る。
昼飯までまだ二時間以上ある。ロボロに遊んで貰おうか。”全て”を知っているロボロとなら今日も楽しく遊べるかもしれない。でも、そう言えばエミさんが街に降りると言っていた。護衛と称してついて行こう。その方が面白そうだ。
俺はエーミールを捜すためにもう一度ダクトに飛び込んだ。
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あとがき
誤字脱字等ありましたら教えていただけると幸いです。
アドバイスやコメント、リクエストなど、お待ちしています。
次はグルッペン視点にしようと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。