コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
_______
注意事項は一話をご覧ください。
潔推しの方は少しご注意ください。
潔くん、潔くん推しの方ガチでごめん…
読んでからの苦情等は受け付けません。
_______
「いさ…ぎ?」
勿論ここに来たのは俺たちだけで、他のブルーロックの面子も、マンシャインCの奴らも、その他の人間も連れて来てはいない。
潔が偶々ここに来てと言う線もないだろう。なら何故?
…いいや、此奴は潔じゃない。
違うのだ。声も、あの特徴的なV字を持つその髪も目の色も全て同じな筈なのに、まるで敵意を演技で包み込んだような歪で背筋の凍る感覚。
此奴は、誰だ?
「なぁなんか言えよ、どうしたんだ?」
「お前、潔じゃないでしょ。」
隣に居る凪が声を挙げる、俺も思考の手を止め一歩後ろへ下がると
突然潔の目玉が落ちた。
どちゃっと鈍い音が無音の路地に響く。
その目玉は地面に足を着けると溶けだして空の星のように赤黒い色の何かになった。
それはまるで生クリームのように地面にへばりついた、目玉を皮切りに他のものも落ちて来て潔の形を崩していく。
どちゃ
べちゃ
どちゅ
ちゃ
ぢゅッ
べちゃべちゃ、どちゅ、ちゃ…どちゃ、くちゅ、べたどぢゅッ、どちゃ、べちゃぁ、ぬちゃ、どろぢゃっちゃ….どちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃどちゃ….
また一つまた一つと裏路地に潔のパーツが落ちていく。
それが聞こえるに連れて潔の原型は崩れていって全て落ち切る頃にはそれは潔では無くなった。
逃げ出そうと俺が後ろに足を踏み出すと既にそれはスライムのように俺の足にまとわりついてその場から離れなくなっていた。
だが不思議なことに、この状況に恐怖を感じない。
そればかりかこれについての思考を放棄しする、何も考えたくない。変な思考が侵入してくる。これは…やばい
本能は逃げろと絶えず警告しているのに、思考と体がそれを実行することを拒否する。
…もうどうしようもないのならここで
考えが頭を横切ろうとしたその瞬間、パァン!と手を合わせる音が聞こえる。
凪が猫だましをした。それのお陰でさっきの変な思考は吹き飛んだ。猫だましをした凪はすぐさま俺の足元にいるそいつを俺から引き剥がすと早く逃げようと柄にも無く声を張り上げた。
「なんだよ…あれ…!」
「分からない、あんなの見た事ない、でもさっきのやつと仲間…!」
「;ゞ@☆アゝ●¥∃/♯Σᗩμ〃オ♯{・´.Üỏϖ彡}マェ%[;:⊃!マ+~v@.Σ彡ダ✾#⊿ᗩ片⊿/ᗩ割レ⊿#⊿ᗩ■ゝ–ゞイÜ𓁍キtellẅ♯☞コ♯・ᗩ.⊃–ロ︹%~w^︺ス!!!」
スライム状の化け物はそんな意味不明な言葉を発しながら耳が痛くなるほど甲高い笑いを叫んでいる。
俺たちの体力は前回必死で走り回ったせいで底が見えるほどにすり減り一歩進む事に息が上がる。
だが幸いなことにこのスライム状の化け物はさっきの化け物と違い、足はそんなに遅くない。だが何度も化け物の死角を縫って逃げようがあの叫びが絶えることがない。
あの化け物とは違い五感のいずれか、はたまた全てが優れているようだ。
化け物に五感の概念はあるのかと言うツッコミすらも浮かばない。そんな状況。
何分走っただろうか、化け物との距離は確実に短くなって少しでも足を止めてしまえば追いつかれてしまう、その瞬間ふと頭にアイディアが浮かぶ。
「凪!こっちだ!」
凪は取り乱したような表情を出すが、俺の背中に着いてくる。化け物もそれに連動して来るかのようにこちらに着いてきた。
逃げてきたここは古びた家が並ぶここでも瓦礫の散乱した場所だ、それ故に人の生活していたかの痕跡が散らばっている。
それでも人の気配は無く助けは呼べない。
だからこそ出来るこの作戦。
「凪、二手に別れるぞ!」
「でもそれじゃレオが!」
「いい、今は凪、お前の才能を俺にくれ。」
目を見開いた凪がコクリと頷いた。
「それでいい。凪、聞け。_____」
「分かった。」
凪の瞳はこちらにハッキリと意志を伝えていた。信じてると
上手く瓦礫の密集した場所に逃げ込む。ここは死角が多く何処から迫ってくるか追われる側も、追う側も危険な場所。
“俺たち”じゃなければな。
「凪!」
空中に一つのシルエットが浮かぶ、店に吊るされたかろうじて動く携帯式のライトがそれをサッカーボールだと知らせている。
サッカーボールがあるのは散策中に見つけていた。
「蹴れ!」
瓦礫の隙間から見える凪が空中に浮かんでいたボールをトラップし、そのまま宙に浮かんだ状態で撃った。
そのボールは勢いを失わずスライム状のものに直撃した。
最後に行ったこの言葉
『それでいい。凪、聞け。瓦礫が特に密集する場所、そこまで行け。』
べちゃ!!!ぴちゃと化け物の体が飛び散る音と共に化け物の叫び声が辺りにこだました。今の隙にこの場を離脱する。
逃げきれた、2人揃ってぜぇはぁと息を切らしている。
「凪、良くやった!」
乱れた息を整えながら凪に向かって拳を差し出す、2人で拳を合わせるとなんだかおかしな感じがして笑ってしまった。
「よし、このまま逃げ切るぞ!
んで帰って明日はサッカーだ!」
「えいえいおー…」
さて、今一度指揮を高めたところでどうするか、顎に手を当て思考を加速させる。
ここ辺りはほぼ全て散策したが踏切は見つからない。
「ねぇ玲王、俺に考えがあるんだけど。」
「あった…あったぞ!」
整備のされてないのが人目で分かる、長い雑草を掻き分けて見つかったのは最初渡たった
凪の考えはこうだ。
_ _ _ _ _ _
「散策してる時にさ、時々これ以上奥に進めない場所あったよね。」
「それさ、多分俺たちを逃がさなための他にもここがそんなに広げられないからだと思う。」
「そこで壁をもう一度見ていたら楕円形に広がってたんだ。多分ここは楕円形にしか広がってなくて、ここ自体もそう広くないはず。」
「だからあいつらはこの限られた時間の中で….俺たちを殺さなきゃいけないから出口は遠くに設定するはず、だからそれから予測出来る位置は」
「一番奥…まだ見てない彼処か!」
「そう、ここの区域の少し先」
_ _ _ _ _ _
「行くぞ、凪」
「うん、行こう。」
凪が俺の手を取る。帰ったら取り敢えず風呂に入ろうか、沢山走って汗で気持ち悪い。その前に凪のご両親に心配かけたのを謝らねぇとな。
俺たちは線路に足を踏み込んだ。
______________
ご注意(最後までお読みください)
ハピエンで終わりたいならここで切ることをおすすめします。
ただ伏線などが回収されずモヤモヤしてしまうかもしれません、ちゃんと見たい!というお優しい方だけお通り下されば幸いです 。
以下死ネタ?が含まれます。ご注意ください。
______________
トサ…
コンクリートの地面に玲王がなんの抵抗もなく、魂が抜け落ちたように崩れ落ちた。
さっきまで希望に満ちていた瞳はガラスが曇ったかのように霞んで自身の血液を写していた。
「…は?」
なんでお前がいる?
そこには、初めに俺たちを襲った化け物が玲王の背後に立っていて奇声を上げていた。
キーンと耳が痛む耳障りで 何度も 聞いた。
待ち伏せてないことは”前回”で把握した、だから時間もズラして…なのに、何故?
そう俺は前回、前々回…何回だろうか数え切れないほどこれをループしてきた。
初めは追いかけられたのを、2回目は散策中、この前は散策中に噛み殺された、何度も何度も、「玲王」が殺された。
それに今回は知らない化け物が現れた。
ぁそういうことか 、こいつらもループしてるんだ。
だから俺たちがいつ来るのか、何処から来るのか予測している。それに俺がループするごとに化け物は増えて、強くなる。
「クソゲーだ。」
思わず声が漏れる。
額には冷や汗がいくつか滴り頬に嫌な水滴の感触を与えている。
よろよろと踏切に佇む、カンカンと音を発しながら降りる遮断機。何度目なんだろうか。もうそんなことはどうでもいい。
これでまたループ出来る、ボロボロになった看板に書かれていた
『この先通る者、現世に帰る。
しかし、この先来る電車に轢かれる者振り出しに帰る。』
化け物は玲王を殺すことで俺がループすることを察している。そしてループして強くなることを利用して、玲王を殺すことで俺をループさせる、そうして自身が強くなろうとしてるんだ。
その通りだ。どうやら凪誠志郎は分かり易いらしい。
だがここで諦めない、絶対にまた
「サッカーするんでしょ、玲王。」
通り過ぎる電車が通り過ぎると、そこには二人分の血液が飛び散っていた。
「凪戻るぞ、ここにいたらいけない気がする。」
化け物の叫び声は痛みを感じた時いつの間にか聞こえなくなっていて、毎度ある赤黒い星だけが嫌に輝いていた。
ただ変わりがあるのなら踏切に虫の死体が一匹増えただけだと思う。
______________終わり
あとがきです。
最後遅くなってすみません…心配症なので誤爆してないかとかいちいち確認しちゃて手間なのです。 ついでに基本夜中に書いてるので背後怖くなってたんです。自爆
このラストは分かった人多いかもですね、伏線ゴミほどバラまいてたので…究極表紙だけで考察出来たので暇な方は凪くんよく観察してみてください。
凪くんのループの行動って玲王くんを助けるためなんですけど、それを失敗する度玲王くんは傷ついてるのが酷ですよね〜
玲王くんはループすることで痛みを無かったことになるんですけど、それでも痛いのは痛いので。
潔くんと潔くん推しの方ガチでごめんなさい。