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第三章
「むきゅ……」
無防備に寝息を立てるちぇん。ちぇんの艶やかな毛並みを見下ろしながら、シルバーは自身の焼け焦げた右の髪をそっと撫でた。
記憶の底で、赤い炎が揺れる。
シルバーは高名なブリーダーの元で金バッチのゆっくりの両親から生まれた
高名なブリーダーの、ほんの些細な不注意による火災。それだけで、シルバーの世界は一変した。
『傷物になっちまった』
その後、私にはシルバーのバッチが与えられた。
少し髪が焼け、足を引きずるようになった。それ以外は何も変わっていない。
シルバーを買い叩き、拾い上げたのが、お兄さんだった。
『見栄えは悪いが、知性は申し分ない。』
お兄さんはシルバーに野良ゆっくりの誘導と仕訳の役目を与えた。
そして、着任の日に施された、冷たい処置。
『お前には赤ゆを作る必要はない』
そういってお兄さんは無機質なハサミが、シルバーの「茎」を切り落としたのだった。