テラーノベル
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「大好きだよ!Med!」
「そうか」
彼は僕と目を合わせてくれない。彼の綺麗な横顔を見るのは退屈じゃないから、別にいいけれど。
「Med!見て!」
「?…おお」
翌日。彼に大きな花束をプレゼントした。
ブルーローズと青色のカーネーション。
「これを、私に……?」
彼は少し困惑しているようで、隠しているつもりだろうが目がキラキラしているのがわかった。
「うん!……ねえ、Med!」
「……?」
彼と目が合う。
「ずっとずっと昔から好きでした!!僕と付き合ってください!!!」
「……へ」
彼は目を見開いて顔を赤く染めた。
「……それは 私のことが……」
「好き!!」
「〜〜〜……っ」
照れたのか、手で顔を隠すピュアな彼が愛おしくて笑顔がこぼれる。
「付き合ってくれる?Med」
彼に近づいていく。両手で持った花束が少し歪む。
「あ…花束が…」
「Med」
花束が床に落ちた。部屋が少し静かになる。
僕は彼の唇を奪った。小さくリップ音が鳴る。
下手っぴなキスにMedは少し呆れていて、でも抵抗せずに目を閉じて受け入れてくれた。
指が絡まって呼吸が荒くなる。
「…っだめだ……もう、Sword……」
「へへ、名前呼んでくれた…」
「離れろ……っ」
腰に手を回して彼に抱きつく。
彼の早くなる鼓動が聞こえる。
「僕たちもう恋人でしょ、恋人なら……」
彼のスーツを脱がして顕になった肌にキスをする。
彼の甘い声が聞こえて少し変な気分になった。
続きをしようと彼の下半身に手をかけると、怒りを含んだ声で阻止された。
「まだ…そういうことはしたらだめだろう」
「「まだ」?もうちょっと経ったらしてもいいの?」
「はぁ……」
彼はため息をつくけれどその瞳は少し蕩けていて。
きっとプライドに邪魔されただけで、本音では続きがしたかったのだろう、と勝手に解釈してひとりで微笑んだ。
「何を笑っている」
「なんでもない!」
無邪気に笑う僕が気に食わなかったのか、彼は眉を顰めてそっぽを向いた。
「好きだよ」
そう言えば彼はすぐに振り向いて、また顔を赤く染めながら小さな声で呟いた。
「……私もだ」
すごく少量で消えてしまいそうな声だったけれど、僕にははっきりと聞こえていた。
「ふふっ」
花束の甘く優しい香りが僕たちを祝福してくれた気がした。
コメント
4件
こういうツンデレが大好物なんすわ( ◜ ꒳ ◝ )
素敵すぎます😍😍😍😍😍😭😭😭😭💞💞💞