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「───痛い」
主に、下腹部が。
隣で呑気に眠る彼の鼻をつまむけれど、そんなもので起きるような人じゃないし。
下着だけ身につけた状態では少し肌寒い。
ベッドの下に脱ぎ散らかされた服を集め、最後に彼の赤いシャツを羽織った。
彼シャツとかいうやつである。
「・・・起きないなぁ」
柔らかい黒髪に指を通すと、気持ちよさそうに口角をあげた。
時間を確認しようと時計を探したけれど、どうやらこの部屋に時計は無いようで。
「先に起きるね」
聞いていないだろうルフィくんにそう声をかけ、医務室を出た。
───
─
「あら、おはよう。
早いじゃない、まだ8時よ?」
「そのシャツ・・・。
ということは、昨夜は楽しめたかしら」
女性部屋に入るなりすぐ、ナミさんとロビンさんに挟まれる。
「えへへ、お陰様で」
「あんたはほんと、隠さないわね」
「隠したってナミさんとロビンさんに通用しないからね」
当たり前じゃない、と背中をバシッと叩かれる。割と痛い。
「もうすぐ朝食の時間ね。
悪いけどルフィ起こしてきてくれる?」
「わかりました!」
ナミさんにそう返事して、もう一度医務室に戻る。
相変わらずまだ寝続けるルフィくんを起こす方法はウソップさんに伝授してもらった、アレ。
「ルフィくん、お肉!
早く起きないとお肉皆に食べられちゃうよ!」
「肉ゥゥウウウ~~~ッ!!!!」
コンマ2秒で起き上がった彼に爆笑していると、ようやく目が覚めたようで。
「・・・あれェ?肉ねェのか?」
「ふふふ、ないよ。
もう朝ご飯だってさ。みんなのとこ行こ?」
「おう!」
先に部屋を出てキッチンへ向かう私の後ろから、着替えた彼の腕が伸びてきて巻きついた。
「ルフィくん歩きづらい」
「おれまだ眠ぃ・・・」
「じゃあご飯無しでいい?」
「それは絶対いやだ!」
でしょうね、と笑いながらキッチンへ入り、サンジさんが運んでいるのを手伝う。
強くもない私は何も出来ない代わりに、こうした雑用をさせてもらってる。
「ありがとう○○ちゅわん♡
今日もまたうつくしい・・・!
んでルフィ!テメェはいつまで抱きついてんだコラ!」
サンジさんに蹴り飛ばされたルフィくんはしぶしぶ、自分の席へと向かっていった。
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happiness