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いつからだろう、、、。
気付けば彼の事ばかり考えて、
姿を追っていた。
今まで誰かを 好きになった事なんて
なかったから、すぐには気付けなかった。
ある日、いつものスタジオで
「涼ちゃん~、ストレッチしよ~?」
そう言いながら元貴が僕にハグをした。
綺麗な目と視線が重なった 瞬間、
胸がギュッと締め付けられた。
『ああ、やっぱり元貴を好きなんだ。』
元貴は変顔もしちゃうし、トークも上手い。
なのに演奏が 始まると圧倒的な歌声、
表現力で、 見ている人の心を揺さぶる。
そして誰もが彼の虜になるんだ。
ジャムズが元貴に夢中になるのは当たり前だ。
隣にいつも居る僕だって、儚いような彼の
美しさに、いつもゾクッとするんだから。
だから気付いてしまったんだ。
若井に大切なメンバー、親友では
言い表せない 思いを寄せてる事を。
「明日デートだから、先に帰るね。元貴、
涼ちゃん、話聞いてくれてありがとね。」
若井が帰った後、
「あ~、若井デレデレしちゃって。
涼ちゃん飲み直そうぜ~。」
いつもは炭酸飲料ばかりの元貴が、
アルコールを 口にしている。
僕もいつもよりペースが早くて、少し酔いが
回っていた。
いつもなら言わないのに
僕のおしゃべりな口は軽快に動いた。
「元貴、若井の事ずっと好きだよね?
ツラくないの?」
その瞬間、彼の表情はグシャリと歪んだ。