テラーノベル
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「約束しよう」
その言葉を聞くたび、
私は少しだけ笑ってしまう。
約束なんて、できない。
私は何度も破られているから。
「絶対に裏切らない」
「ずっと味方だよ」
「今度こそ大丈夫」
――何度聞いたことだろう。
そして何度、
その言葉の賞味期限が切れる瞬間を見ただろう。
(嘘つきめ。)
人間を信じられない。
信じたら、
「信じたほうが悪い」と言われる。
疑ったら、
「人を疑うなんて最低」と言われる。
便利な社会だ。
(どっちを選んでも怒られるなら、
最初から信用しないほうが経済的だ。)
ニュースでは今日も、
「信頼回復」という言葉が流れている。
私はテレビを消した。
(信頼って、
壊してから回復するものなの?
だったら最初から壊すなよ。)
学校では、
「みんな仲良くしましょう」と言われる。
その日の放課後には、
誰かの悪口が廊下を走っている。
先生は言う。
「困ったことがあったら相談してください」
私は笑う。
(相談したら、
今度は「どうしてもっと早く言わなかったの?」って言うんだろ。)
だから私は、
約束をしない。
「信じて」と言われても、
「無理」と答える。
「どうして?」
理由なんて簡単だ。
私は何度も、
信じたから。
何度も待った。
何度も許した。
何度も「次は違う」と思った。
そのたびに、
約束だけが綺麗に残った。
守られなかった言葉は、
どこへ行くんだろう。
(ゴミ箱かな。)
(だったら、私の人生は
ずいぶん分別の悪いゴミ捨て場だ。)
それでも――
誰かがまた言う。
「約束しよう」
私は少し黙って、
「約束はできない」
と答える。
「でも、今日ここにいる」
それだけなら言える。
明日のことは知らない。
来年のことも知らない。
人間の心なんて、
天気予報より当たらない。
だから私は、
永遠なんて言わない。
「ずっと」なんて言わない。
ただ今日だけは、
嘘をつかない。
それで十分だと思いたい。
(……まあ、明日には裏切ってるかもしれないけど。)
「おい」
(冗談だよ。)
「その冗談が一番信用できない」
そう言って、
私は少しだけ笑った。
信じられない。
でも、完全に諦めたわけでもない。
だから今日も、
約束の代わりに一歩だけ進む。
約束なんてできない私が、
それでも人間の中で生きていくために。
でもね、ずっと思ってしまう…
『死ねばいい』
って
#詩?
飛鳥.ミラゐ
1,577
#萌え絵
コメント
1件
いやー、これ刺さりすぎてやばいわ…。約束の賞味期限っていう表現、めっちゃわかる。「信頼って壊してから回復するものなの?」の問いかけがグサグサ来た。でも最後に「今日ここにいる」って言える強さ、それだけで胸が熱くなる。こういう心の機微を描けるの、本当にすごいと思う。約束できない自分を受け入れながら、それでも前に進もうとする主人公の姿、ちゃんと見届けたくなった。