中也「今日は一段と疲れたなぁ」
中也「此の後は報告書を書かねぇとな」
森「中也くん」
中也「!首領」
中也「如何されましたか?」
森「君に一つお願いがあってね」
中也「何でしょうか」
森「君にまた監視役を任せたくてね」
中也「監視役…?」
首領の腕の中の人物を見た途端
血の気が引いていくのを感じた。
中也「其奴って…」
森「太宰くんだよ」
中也「太宰は任務の筈では…?」
森「そうだよ、指示通り任務に向かったのだけど途中で逃亡を図ってねぇ」
中也「太宰がですか…?」
森「だからまた躾直そうと思ってね」
中也「ゾッ」
俺は此の時本能で感じた。
【此の人に逆らってはならないと】
中也「わか、りました」
森「君ならそう言ってくれると信じていたよ、中也くん」
森「其の報告書が終わってからで良いから首領室に来るように」
中也「はい」
中也「…..」
太宰《ありがとうねニコッ》
中也「お前なら分かってた筈だろボソッ」
中也「逃亡が知れたらどんな事をされるかくらいボソッ」
太宰「…..」
目が覚めると最初に居た地下室に拘束された状態で座らされていた。
太宰「…どんな事されるのかな」
太宰「もしかしたら殺されちゃうかも笑」
キィィッ
森「おや、もう起きていたんだね」
太宰「…..」
森「さて、少しお話をしようか」
太宰『直ぐに拷問をしないのか?』
森「一つ確認したい事がある」
森「君は任務を放棄してポートマフィアから逃亡しようとしたね?」
太宰「…はい」
森「どうして逃亡しようとしたのかね?」
太宰「…..」
森「黙秘か…」
森「では質問を変えよう」
森「探偵社へ戻りたいと思うかい?」
太宰「ッ」
森「…思っているのだね?」
太宰「…..」
太宰「…し…さ…」
森「?」
太宰「私を探偵社へ帰してくださいッ!」
森「おやおや、君は随分と偉くなったのだねぇ、太宰くん」
太宰「ッビクッ」
森「矢張り君には躾が必要だ」
森「 Qおいで」
Q「はぁい!」
太宰「ッ」
森「また太宰くんと遊べるよ」
Q「ほんとぉ!?」
森「あぁ、思う存分遊びなさい」
Q「やったぁ!」
Q「また楽しもうね!太宰さん!」
太宰「ゾッ」
森「じゃあ暫くの間楽しんでね」
太宰「ま、待って!」
太宰「やだッ」
森「じゃあねニコッ」
太宰「いやッ」
ガチャン
太宰『…終わった』
ドンッ
Q「思う存分楽しもうね!」
森「….」
森「そろそろ始まると思うから」
森「後は頼んだよ」
森「中也くん」
中也「…はい」
森「 Qは人間の限界というものを知らない。だからもし、 太宰くんが限界を超えた時は君が止めてあげるんだよ」
中也「承知致しました」
太宰《あ”ぁ”ッ》
太宰《い”や”だ”ッ》
太宰《ゆ”るし”て”》
太宰《ご”め”ん”な”さ”い”ッ》
太宰《ご”め”ん”な”さ”い”ッ》
太宰《織”田”作”》
太宰《ご”め”ん”》
太宰《ご”め”ん”》
太宰《みんなッ》
太宰《騙し”て”ご”め”ん”な”さ”い”》
太宰《欠”陥”品”で”ご”め”ん”な”さ”い”》
太宰《ゆ”る”し”て”》
太宰《た”す”け”て”ッ》
太宰《た”す”け”て”ッ》
Q《キャハハハハッ!》
Q《もっと其の顔見せてよッ!》
Q《太宰さん!》
中也「…..」
…酷い声だな
喉が潰れるのも時間の問題だな
織田作、か
あの最下級構成員の奴だよな
…彼奴の友達だったんだっけ
なぁ、織田
俺は如何すれば良い。
俺は太宰を庇うべきなのか?
太宰を逃すべきなのか?
其れとも組織の利益を考えて
見ぬ振りをするのが良いのか?
…俺にはわからねぇよ
お前ならわかるんだろ?
彼奴を助けてやってくれよ、織田
太宰「あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ッ”!」
中也「ビクッ」
中也『そろそろまずいか?』
太宰「ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ」
中也「!」
バンッ
中也「太宰!」
中也「…ッ」
其の部屋の中は前よりも酷く
前よりも地獄絵図だった。
中也「太宰ッ」
太宰の元へ駆け寄る。
太宰「ヒュッヒュッヒュッヒュッ」
中也「息しろッ」
太宰「ヒュッヒュッあ”、ち”ゅや”ヒュッ」
中也「ッ」
中也「俺と息合わせろッ」
太宰「ヒュッヒュッヒューヒュッヒュ–」
太宰「ヒューヒューヒューヒュー」
太宰「ヒューヒュッハァッヒューハァッ」
太宰「ハァハァハァハァ」
中也「ホッ」
俺は心の中で安堵した。
中也「大丈夫か…?」
太宰「…う”ん”」
中也『やっぱり喉潰れてんな』
Q「もう遊べないの?」
中也「あぁ、もう終わりだ」
Q「そっかぁ…」
森「終わったかな?」
太宰「ビクッ」
中也「はい」
俺は震えている太宰の肩を摩りながら首領へ状況を報告した。
森「そうかい」
森「 Q、もっと遊びたいかい?」
太宰「ッ」
中也「!?」
Q「遊びたい!」
森「わかった、もっと遊んで良いよ」
Q「やったぁ!」
中也「首領、御言葉なのですが太宰は喉が既に潰れておりさっき迄過呼吸を引き起こしていました」
中也「其の状態で続けるのは…」
森「何か問題かね?」
中也「ッ」
中也『圧を掛けられてる…』
中也「…いえ」
森「では中也くん」
森「又監視をよろしく頼むよ」
中也「はい…」
太宰「ま”って、森”さん”ッ」
太宰「ごめん”な”さい”!」
太宰「もう”逃げない”から”」
太宰「だから”許し”て”!」
森「そう言って又逃亡を図るんだろう?」
太宰「ちがッ!」
森「私は君を甘やかし過ぎたようだね」
森「少しは反省して貰わないと」
太宰「やだッ!」
太宰「ごめん”な”さい”」
太宰「ごめんな”さ”いッ」
森「中也くん」
森「後は頼んだよ」
中也「はい」
ガチャン
中也「…..」
中也『俺は如何するべきなんだ』
中也『逃すか?』
中也『でもそんな事したら俺も太宰も唯じゃ済まねぇ…』
太宰「中也ッ」
中也「!」
太宰「もう”やだ」
太宰「やり”たく”ない」
太宰「たすけ”て”ッ」
中也「ッ」
中也『俺に助けを求めるなんて相当だ…』
Q「中也」
中也「!」
Q「早く遊びたいから出て行ってよ」
中也「…..」
Q「森さんに言って中也も一緒に遊ぶ?」
Q「まぁ森さんは駄目って言うけど」
Q「取り敢えず出て行って!」
中也「おわッ」
ドサッ
バタンッ
…追い出されてしまった
太宰は大丈夫だろうか
暫くすると再び部屋の中から絶叫が聞こえて来た。
其の声は確実に太宰の声だった。
…俺迄可笑しくなりそうだ。
そして又過呼吸の音が聞こえ始める。
俺が止める。
首領が来る。
さっきと同じ会話をする。
太宰が縋る。
部屋から絶叫が聞こえる。
堪える。
過呼吸の音が聞こえ始める。
俺が止める。
その繰り返しだった。
何回かは数えていなかったが最低でも5回は繰り返したと思う。
太宰は精神が壊れ、
俺は精神ギリギリだった。
_五時間
森「…そろそろ限界かな」
太宰「ヒュー、ヒュー、」
森「意識はあるかい?」
太宰「ヒュー、う”、」
森「あるね」
森「太宰くん誓ってくれないかい?」
森「一生私の右腕になってくれると」
太宰「あ”、う”」
中也「…..」
俺は心の中で祈った
言いませんように、と。
言って欲しくなかった。
だって言って仕舞えば
一生探偵社へは戻れない。
絶対に。
本音は少し嬉しくもある。
でも、こんな横暴なやり方で相棒に戻るのは嫌だった。
だから祈った。
だけど其の祈りは
神様に届く事はなかった。
太宰「わた”し”は、」
太宰「いっ”しょ”う」
太宰「あ”な”たのみぎ”う”でに”」
太宰「な”りま”す”ッ」
森「ニヤッ」
中也「…..」
言って仕舞った。
もう戻れない。
あの頃には。
森「ごめんね、太宰くん」
森「こんな手荒な事をして仕舞って」
森「もうしないからね」
そう首領が言うと気が抜けてしまったのか太宰は倒れる様に眠りに付いてしまった。
森「太宰を部屋へ運んでくれるかな?」
中也「わかりました」
森「ありがとうね」
俺は心の何処かでホッとしてしまっていた
やっと地獄が終わったのだと。
でも、正しくは地獄が終わったのではなく
地獄の始まりだったのだ。
此処は未だ
スタートラインでしかなかったのだ。
其の事実を思い知らされる事になる
_ごめんな、太宰
どうでしたか?
年の締めくくりも近いという事で文字数4000文字以上にしてみました!w(今までで一番長い)
書くのも大変だったし読む側も大変だった事でしょう…!
さて、話を切り替えまして
今年も後、二日で終わりですねッ!
いやぁ何か今年は早かった様に感じます…!みなさんはどうでしか?
とうとう私も受験生か…!
やだな!☆
みなさんも色々、頑張ってください!
なんと!
フォロワーが500人を突破しました!!
目標が達成できて嬉しいです!
ありがとうございます!
次回は❤️1000で投稿します!
(もう書き終わってはいる)
後一回は今年中に投稿したいのでご協力よろしくお願いします!!
では、またね!
コメント
28件
何回もこの作品見てますけど、 いつでも神作品なんですよ… 太宰さんの苦しんでるとこって美しい芸術ですよね... こういう系が好きなんですよぉおおおおおおおおおおおおl!!!
おでも過呼吸なるてぇっっ!