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魚屋
「噂じゃ、人魚が住み着いたって話だ。」
善弥
「人魚?」
美鶴
「詳しくお聞かせ願います。」
魚屋
「お、おう。
たしかあれは先週だったかねぇ……」
~先週~
漁師1
「おーい、そろそろ引き上げろー」
漁師2
「了解!」
漁師1
「しかし、今どき縄漁で捕まえた魚を
手で引き上げるなんてねぇ…」
漁師2
「文句言ってもしゃぁない!
そっち側持て!」
漁師1
「へいへい…」
ザパァッ
漁師1
「ん?…あ、おい!!」
漁師1が見た時には漁師2が溺れかけていて…
漁師2
「ごポポッ、ガパッ」
漁師1
「ま、待ってろ! 今助けるかr……」
人魚?
「……」
溺れかけている漁師2の横で、
人魚が浮かんできて
ギロリと睨みつけられた。
魚屋
「漁師1は人魚と目が合ってからの記憶が
曖昧で、
今は海に近ずきたくないと言っているらしい。」
蝶碁
「漁師2はどうなったんだ?
まさか死んでないだろうな?」
魚屋
「幸い島の近くで魚をとってたみたいで
落ち着いた漁師2は、自分で泳いで帰ったらしい。」
全員
「ホッ……」
善弥
「…」
(魚は 少し安くしただけで売るのか…)
蝶碁
「…なぁ、その人魚が出たって噂の海は
この辺だったか?」
魚屋
「……あぁ、そうだな
丁度この川の先のすぐそこの海だ。
行くってんならさっき話した漁師の奴を
紹介してやる。船を借りるといい。」
恐らくこの魚屋のおじさんは
勘が鋭いのか何かを察した様だった。
美鶴
「話が早くて助かる。恩に着ります。
ついでにもう一匹買っていきますね。」
魚屋
「お!それはありがてぇ!毎度あり!」
美鶴
「こちらこそ、ありがとうございます。 」
ニコリ
善弥
「…?」
(何故か全く笑ってない様に見えるなぁ。)
美鶴
「さて、行こうか。」
蝶碁、愛斗
「応!!」
そう見えるのは僕の勘違いではなかった。
僕が彼女の本当の笑顔を見たのは
これから始まる戦場が初めてだったのだ。