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キルアと美術の時間に似顔絵を描き合うことに
美術室に差し込む午後のやわらかい光。
今日は珍しく、机を向かい合わせにして座っていた。
「今日は“お互いの似顔絵”なー。2時間使ってじっくり描けよー」
先生の声と同時に、教室がざわっとする。
「……えぇ……」
×××は小さくうめいた。
「なに?やる気ないの?」
隣で画用紙を広げながら、キルアがくすっと笑う。
「だって…絵苦手なんだもん……」
そう言いながらも、×××はキルアの顔と紙を交互に見つめて、必死に鉛筆を動かす。
見て、消して。
また見て、描いて、消して。
その様子をじっと見つめていたキルアは――
「……かわい」
ぽつり。
「っ!?な、なに急に!?」
顔を真っ赤にして睨む×××。
「授業に集中して!」
「はいはい〜」
そう言いながらも、キルアは嬉しそうに笑った。
(かわいすぎだろ……)
―――
クラスの空気は、すでにおかしかった。
(また始まった…)
(見つめすぎじゃない?)
(尊い……)
見守り隊(クラス全員)は、ちらちらと2人を盗み見しては心の中で悶えていた👀
―――
「……たぶんさ」
×××はぶつぶつ言いながら描く。
「キルアも、きっと絵そんな上手くないよね…うん…」
(謎の安心理論)
それを支えに、なんとか描き進める。
―――
そして。
「はい、じゃあ見せ合って〜」
先生の一言で、教室がざわめく。
「……え、先にキルアから……」
キルアはさらっと紙を差し出した。
「ほら」
×××は、それを見て――固まった。
「………………え?」
そこには。
まるで写真みたいにそっくりな×××。
まつ毛も、表情も、癖まで完璧。
「え、すご……」
「天才じゃん…」
「プロ?」
先生まで近寄ってくる。
「これはすごいな…」
×××は一気に恥ずかしくなって、自分の絵をぎゅっと抱えた。
「み、見ないで……!」
「えー見せてよ」
「やだ!絶対笑うもん!」
「笑わねーって」
「ほんとに?」
「約束」
しばらく悩んでから――
「……だから絵描くのやだったの〜……」
ぶつぶつ言いながら、そっと差し出す。
―――
キルアは、覗き込んで。
……固まった。
そこには。
ちょっと歪んだ目。
大きすぎる頭。
幼稚園児レベル。
でも。
不思議とあったかい絵だった。
「……」
「……ほら!やっぱ下手じゃん!」
×××は慌てる。
でも――
「……かわい」
「は!?」
「めっちゃかわいい」
キルアは本気の顔で言った。
「俺そっくりだし。愛あるし」
そう言って、ぽんぽんと頭を撫でる。
「ちょ、やめ…!」
×××はさらに赤くなる。
「もういいでしょ!返して!」
絵を取ろうとするが――
「やだ」
キルアはひょいっと上に上げる。
「届かないだろ?」
「むー!」
片手で×××の肩を軽く押さえて、逃がさない。
「ずるい!」
「これは俺の」
「ダメ!」
しばらくもみ合って――
キルアは、ふっと真面目な顔になった。
「……これさ」
「?」
「宝物にしたい」
「……え?」
「×××が描いてくれたから」
まっすぐな声。
×××は一気に黙る。
「……それ……反則……」
視線を逸らして。
「……好きにすれば?」
ツン。
「ありがとう」
キルアは満面の笑みで、また頭を撫でる。
×××は逃げなかった。
……されるがまま。
(……いや…嫌じゃないし……)
―――
そして。
(尊死……)
(今日も無理……)
(供給過多……)
見守り隊、全滅💀💖
―――
キルアの部屋。
ベッドの横のローテーブルに、スケッチブックと色鉛筆が並べられていた。
「なぁ、×××」
ソファでだらっとしていた×××の隣に、キルアがすっと寄る。
「一緒に絵描かね?」
「……えぇ……やだよ」
即答。
「ヘタだし……また笑うでしょ」
「笑わねーって」
キルアはじりじり距離を詰める。
「ちょっとだけでいいからさ〜」
「……」
「ねぇ〜〜」
袖をくいくい。
上目遣い。
完全に“おねだりモード”。
「……ちょ、ずる……」
×××はため息をついて。
「……ちょっとだけね」
「よっしゃ!」
即ガッツポーズ。
―――
2人は並んで床に座る。
肩と肩がくっつく距離。
「なに描くの?」
「……猫」
スマホを開いて、必死に検索。
「えっと……耳は……こう?」
×××は眉間にしわを寄せながら、真剣そのもの。
消して、描いて、また消して。
「……むず……」
その横で。
キルアは――
(かわいすぎ……)
ニヤけるのを必死でこらえながら、ちらっと横顔を見る。
集中した横顔。
少し噛んだ唇。
(無理……尊い……)
キルアの鉛筆は、別の方向へ動いていた。
紙の上に現れるのは――
真剣な×××の横顔。
さらに、記憶の中の×××。
前に遊びに行ったときの笑顔。
寝落ち寸前の顔。
照れた顔。
次々と描いていく。
―――
「……できた!」
×××が満足そうに声を上げる。
紙には――
ちょっと不思議な形の“猫らしきもの”。
「……ね、どう?」
ドキドキしながら横を見ると。
キルアは、なぜかニコニコ。
じーっと見てる。
「……なに?」
「ん?いや〜」
「なにその顔!」
「かわいいなって」
「もう!」
×××は赤くなる。
「じゃ、キルアのも見る!」
そう言って覗き込んだ瞬間――
「……え」
そこには。
紙いっぱいの×××。
横顔。
笑顔。
少し拗ねた顔。
全部、写真レベル。
「……なにこれ……」
「描きすぎ……」
「え、ダメ?」
「ダメじゃないけど……」
嬉しい。
でも。
悔しい。
「……キルアずるい」
「ん?」
「絵うますぎ……」
むっとして、ぷいっとそっぽを向く。
「私の猫……落書きなのに……」
完全に拗ねモード。
キルアはくすっと笑って、顔を覗き込む。
「嫉妬?」
「してないし……!」
「してるじゃん」
「してない!」
「かわい」
「だからそれ!」
キルアはそっと頭を撫でる。
「×××の絵も好きだよ」
「……ほんと?」
「ほんと」
「だってさ」
×××の猫を指さして。
「俺にしか描けない×××の猫だし」
「……なにそれ……」
照れながらも、ちょっと嬉しい。
キルアは距離を詰めて、耳元で。
「てかさ」
「?」
「描いてる×××が一番かわいかった」
「……っ!!」
「だからまたやろ」
「……調子乗りすぎ……」
そう言いながら。
逃げない×××。
―――
今日も平和に甘々でした💙✨
ローテーブルの上には、さっき描いた絵。
×××の“猫らしきもの”と、キルアの×××だらけのスケッチ。
キルアは、その中の1枚をひょいっと持ち上げた。
「……ん」
スマホを取り出す。
「ちょ、なにしてるの?」
「保存」
カシャ📸
「え!?まってまって!!」
×××は慌てて手を伸ばす。
「やだやだやだ!」
「なんで?」
「恥ずかしいもん!!」
「かわいいのに」
「だからやだの!」
キルアはニヤッと笑った。
(あ、これ楽しいやつだ)
「もう1枚いこ」
「だーめ!!」
カシャ📸
「ちょっと!!」
×××は必死で隠そうとする。
でも――
身長差+反射神経。
勝てるわけがない。
「ほらほら〜」
「返してぇ……!」
「無理〜」
キルアはスマホを高く上げる。
「これ、待ち受けにしよっかな」
「は!?やめて!?」
「ロック画面でもいいな」
「だめだめだめ!!」
ぴょんぴょん跳ねる×××。
キルアはそれを見て、完全に楽しんでいる😈
「こんなかわいい絵、隠す方が罪だろ」
「罪じゃないし……!」
「じゃあSNS載せよ」
「絶対だめ!!!!!」
即ツッコミ。
「クラス全員に公開」
「やだぁぁ……!」
×××はキルアの服を掴む。
「消して……お願い……」
上目遣い。
涙目(気味)。
……キルア、撃沈寸前。
(……反則だろ……)
でも、ここは我慢。
「んー……どうしよっかな〜」
「……ほんとにやだ……」
「じゃあさ」
キルアはそっと距離を詰める。
「条件」
「……なに?」
「今日、俺にいっぱい甘えてくれること」
「……え」
「拒否権なし」
「……ずる……」
赤くなりながら、もじもじ。
「……わかった……」
「よし」
満足そうに笑って。
でも――
消さない。
「え?」
「消すとは言ってない」
「キルア!!」
「俺の宝物だから」
そう言って、×××をぎゅっと抱き寄せる。
「誰にも見せないよ」
「……ほんと?」
「うん」
「×××専用フォルダ作ったし」
「……なにそれ……」
恥ずかしすぎる。
キルアは耳元で囁く。
「かわいいのは独占したいんだよ」
「……っ……」
×××は抵抗をやめて、キルアの服をぎゅっと掴んだ。
「……ばか……」
「好きな人にしか言わねーよ」
にやり😈💙
―――
今日も
からかわれて
溺愛されて
逃げられない×××でした🫶✨
to be continued….