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不良でも不器用な恋なら

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不良でも不器用な恋なら

7 - 届かない気持ち

♥

55

2025年12月04日

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「…ないこ、朝やで起きろ」


カーテンの隙間から朝の光が差し込んで、部屋の中にやわらかな白が広がっていた。


『んっ、あれ……もう朝?』


「とっくに。朝食やで、そろそろ集合時間やって。みんな起きてるし、俺らだけ遅れんのは勘弁な」


『……うわ、ごめん……』


寝ぼけた顔でむくっと起き上がったないこは、ふと俺の方を見つめた。

まぶたの重そうな瞳の奥に、昨夜のことがぼんやり残っているようだった。


『ねえ、昨日の夜さ…まろ、なんか言ってなかった?』


「……」


「言ったかもな。でもないこ、途中で寝たやん」


『……そっか。やっぱり俺、寝ちゃってたよね。ごめん。なんか、大事そうな話してた気がして』


「気のせいや。まぁ、大事な話だったか


『そっか….』


ないこは寂しそうに、でも無理やり納得したようにうなずいた。




食堂では、みんなが賑やかに朝食を囲んでいた。 話すことはあるのに、言葉が選べなくて。 目を合わせるたび、あの夜の“なにか”が喉元で引っかかる。


帰りのバスの中。

疲れた生徒たちが眠り始める中、ないこと俺は並んで座っていた。


ないこは窓の外を眺めながら、ぽつりと呟いた。


『楽しかったね、修学旅行』


「ああ、そうやな」


『なんか……時間、あっという間だった』


「……ないこが寝なきゃ、もうちょっと濃い夜になってたけどな」


『え?』


「なんでもない」


まろはごまかすように笑って、帽子を目深にかぶった。

その横顔をちらりと見て、けれどそれ以上は何も言わなかった。


眠るふりをしながら、心だけが妙に冴えていた。

バスは、夕暮れに染まりかけた町へ向かって進んでいく。


そして、俺の言葉はまたしても

ないこの胸には、届かないままだった。


不良でも不器用な恋なら

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