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教室に集まったのは私以外に、阿形くん、隈取くん、狐くん。
そして兄さんとおかめさんの計六人が集まって、一つの机に広げられた新聞を見つめていた。
カゴメ「確かに、この新聞の内容はとっても残酷で恐ろしいものだわ。でも、これになんの関係がありますの?」
おかめ「ああ、この正男って人、俺の知り合いなんだよ」
そう言って、牧場主の生前の写真を指差すおかめさん。
そのときの彼の表情が、とても悲しそうだったのをよく覚えている。
おかめ「俺の両親の仕事関係で、直接顔を合わせることもあったんだよね。凄く温厚で献身的な良い人だったんだけど…こんなことされていい人なんかじゃないよ」
そう言うおかめさんの肩に、兄さんがポンと手を置いて話を進める。
般若「…おかめが言うんなら間違いないさ。この人は何も悪くない、完全な被害者ってことだ」
カゴメ「そうだとしても、こんな新聞一面の内容じゃ何もわからないわ」
般若「わからないなら直接見に行けばいい。俺らで情報集めて、真実を確かめるんだ」
阿形「でも、行くってどーやって?第一俺らは学校が…」
すると突然、教室の戸が開く音が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは、校長だった。
校長「おや、随分とその新聞に興味を持ったようだな」
「こ、校長!」全員が驚いて口を揃えてそう言った。
校長は「ふむ」と眼鏡をくいっと上げながら新聞を覗き込む。
校長「気になるかね?この事件は」
おかめ「はい、俺の知ってる人だったので…」
校長「そうか…ならば行ってみると良い。私が許可しよう」
カゴメ「えっ?!良いのですか?!」
かなりあっさりと外出を許されたことに、私は思わず大きな声で聞いてしまった。
校長「このような経験も若いうちに学んでおくことも良いだろう。この学校なら、結果次第で学費もある程度免除することもできるからな 」
阿形「え?!まじですか?!」
般若「マジだ、俺もこの制度結構使わせてもらってんだぜ」
カゴメ「なるほどね…何で日銭を稼いでるのかと思ったら、そういうことだったの」
校長「ただし!」
入学式で聞いたときと同じ迫力がある声量に、私たちは黙り込んだ。
校長「猶予は明日から3日までとし、全員無事に帰還すること。これが最低条件だ」
そう言うと、校長は胸ポケットから、私たちの人数分の外出許可証を取り出し、一枚ずつ手渡した。
放課後駅に着くと、ボウーっという汽笛の音と共に、目の前の列車が出発した。
私たちが乗る列車の時間には、まだ少し時間があるようだ。
阿形「おおー!今のが列車?!すっげー!初めて見た!!」
狐「すごい…!人間の技術がここまで進化していたとは…!」
般若「おめぇらはしゃぎすぎだ…あれ?隈ちゃんは?」
おかめ「隈取なら、さっき売店に行ったよ」
般若「相変わらず、あいつは飯に夢中なんだな 」
カゴメ「皆んなの分も買ってきてくれるみたいよ…というか、こんな便利な乗り物があるなら、学校に行くときもこれで行けば良かったわね」
般若「いやいや!家から学校までは道が長い分、運賃が高いからな!やめとけ」
カゴメ「あらそうだったの?残念、良いと思ったのに」
隈取「おーいおめぇら!飯買ってきたぜ!」
売店から戻ってきた隈取くんの手には、大量のお弁当の包みや、おにぎりが抱えられていた。
そんな光景を見たおかめさんは大爆笑。
おかめ「あははは!隈ちゃんは兄弟揃ってほんとによく食べるんだね!」
般若「おいおい、いくらなんでも買いすぎじゃねーか?」
すると隈取くんは自慢げに外出許可証を見せてきた。
隈取「へへっ、これ見せたら売店のおばちゃんが”若いのに頑張ってるねぇ”ってちょっとおまけしてもらえたんだ」
阿形「さっすが隈ちゃん!ちょっとじゃなさそうだけど笑」
おかめ「それじゃ、自分の分だけ持って並ぼっか」
おかめさんの指示に従ってお弁当を持ち、目の前に止まった列車に乗ることにした。
これから、どんな試練が待ち受けているかという不安を胸に抱えて。