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ゆかボンド
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──────Sれいまり視点──────
背後から独特な足音が聞こえ、それが誰であるかを察し、振り返る。
予想通り、そこに居たのはすっかり森に馴染んだガンマスさんであった。天狗の正装を身にまといつつ、森の長たる威厳を溢れ出していた。救済を与える目は布に覆われており、その目を覗くことは他のものには叶わない、夢のまた夢だろう、とここにいるメンバーに自慢しておく。…まあ、声に出して言うわけないのだが。
「お待たせしました。ここの森の主、【天狗】のガンマスと申します。さて、前置きは置いておきまして、要件をお聞きします。」
そう言って、話は前進する。私は1歩ガンマスさんの後ろに下がり、そしてボディガードのように構えておく。一応の警戒のためだ。…と、いいつつ、このメンツに私が勝てる未来は思い浮かばなかった。
「直球に言います。私の仲間になっていただけませんか?」
「ほう…?それはどうして?」
「そりゃあもう世界の秩序を取り戻すためですよ。あなたもご存知でしょう?最近、どの種族に限らず頭の使わない戦争ばっかり…。どいつもこいつも馬鹿みたいに命を散らしている。それを、私達は無くしたい。世界に平和を。それが私の心情です。」
…嘘をついているかどうか、私には判別できなかった。心を読めばいい、と思うかもしれないが、それは出来ない。流石に私の読心術でも天使や悪魔のような上位種族、またそれ以上の神には効かない。だから、それが本心かどうかを確かめる術はなかった。
「ふーん…。なるほど?私としましては、そちらのメンバーで十分のように思えますが?」
ガンマスさんはゆっくりと、めめさんの背後で三者三様の座り方をしている人外共を見やる。───ほんの少しだけ、見間違いかもしれないが、メテヲさんを見る時間が長かったように感じた。当の本人は森の木々を観察しているようだった。レイラーさんは流石に杖を構えるのをやめて、行儀よく座っていたり、ルカさんはひなさんと戯れたりしている。他にも様々な様子で過ごしているが、この話に興味を向けているのはめめさんとレイラーさんくらいのものであった。これが交渉しに来るやつの態度かよ、と内心悪態をつきつつ、私もまたガンマスさんの1歩後ろでこの状態を静観することにする。
「いえいえ…。と、言うよりいくら人手がいても足りないんですよ。広範囲に渡って戦争が続いておりまして。」
「なるほど?ですが、どうして私に?私は今まで隠居していた枯れきった天狗。もう、戦う力なんて、そんなそんな…。」
ガンマスさんがそう、自身の非力さについてアピールを行う。実際、弱いわけがない。その事実を私は知っている。が、無論そんなことを言うわけがない。物語的にはめめ村に入って欲しいのは確かだが、今回のめめ村の奴らを信用できるか、と言われたら断言できない。情報だけでは良さそうに見えるが、実際どうであるかなんて、体感しないと分かりっこないのだから。だから、私はガンマスさんがやりやすいように動く。そう、決めたのだから貫き通す。それが今回のSれいまりだ。
しかし、めめさんはガンマスさんの非力、という言葉を見逃さなかった。
「そう、非力なんですね。…じゃあ契約に変えましょうか?今、この森を巻き込む戦争が始まろうとしてます。」
「っ!?」
「あら?ご存知なかったんですか?戦争が始まる理由はですねぇ。そこの妖精さんのせいらしいですよ?」
めめさんがそう憫笑しながらそのするどい眼孔を妖精さんに向ける。茶子さんは段々と顔を青ざめて、冷や汗をダラダラと流す。どうやら、原因は分かっているようだ。私たちに隠し事をしていたのだろう、茶子さんは後ろめたさのせいか、何も話そうとはしなかった。…これだから信用出来ないんだよ、と内心蔑みながら、この後の対応を練っておく。無論、この戦争が起きることは承知していたのである程度の対策は取っておいた。だが、森の奴らが無傷では済まない策だ。これをガンマスさんが許可するとは思えない。だから、結局。数の利を得るしかない。めめさんは、ずっと戦争が起こるまでの間の時間を引き伸ばしていたのだ。…流石にそこまでは知らなかった。対策不足だ、と自身の欠陥を責めつつ、ガンマスさんの決意のため、口を開くことはない。
やがて。ガンマスさんはその重く閉ざされた口を開く。
「仲間に…なりましょう。なので、この森のみんなを、どうか…。」
「もちろん。私は契約を守る者ですから。それに、気づいてますよ。あなたの力を。───楽しみにしてますね♪」
そう、気分良さげにめめさんはうなずき、背後に待機していためめ村メンバーに指示を行う。
その後の動きは迅速だった。先程の態度とは一転、真剣な眼差しでめめさんの作戦を聞き、そして即座に実行する。私達も何かしようとしたが、戦え、という訳ではなく、森のみんなの避難を任され、私達は何もすることなくただ待機でしているだけで、その戦争はあっけなく終わったのだった。
──────その後、ガンマスさんは契約通り、めめ村の仲間に正式に加入し、私と、一緒にいた茶子さん、菓子さんも加入することとなった。森は、しばらくの間、天狗の種族長さんに任せて、私達はみんなと一緒に行動を共にすることとなる。
「いやぁ〜この頃のれいまりさんは初々しいですねー?」
「だまれ。こっちは必死だったんだよ。」
過去の私───つまり、Sルートの私がした行動と、その時の心理描写が描かれた本を今、私は読まされている。ただでさえ本命のSルートがハッピーエンド判定されなくて腹が立っている、と言うのに。
「そんなキレないでくださいよ…。それに、この物語を書く羽目になったのあなたのせいなのに…。」
「は?知らないですよ、そんなの。言った記憶も、思ったことすらないはずですよ。」
突然、私に責任を転嫁してきたので当然、私はきれた訳だが、いやいや、と春はいいながらまた本を取りだし、パラパラと数度めくったあと、「ほら」と言いながらそのページを指さしてくる。…過去の私、なんつーことを言っているんだ。そのせいで、この過去編が書かれて、わたしの今までの数々の醜態が晒されたわけか。一時の迷いでとんでもないことしやがって、と思いつつ、この現状を受け入れる。
「あー、はいはい。分かりましたよ。いいましたね、たしかにいいましたねー!」
「納得して頂けたなら良かったです。あ、ということで次からはメテヲさん編入るので、それとは別に次のルート行ってもらいますよ?」
「はぁ!?次のルートからは書かないんですか!?てか、Sルートまだ書き途中ですよね!?」
「本編の内容はほかのメンバー15人分書くんですよ!多すぎ多すぎ!カットですよこんなん!椎名さんはさっさと次のルート行ってもらいますから!!早く準備してください!」
「サイテー!!私視点で気になってる読者さん絶対たくさんいますよ!!わたの人気っぷりをご存知ない!?!?」
「いたとしても!!この物語進まないから!!一生この物語書き終わんなくなっちゃう!下手したら2年間これ書き続ける可能性あるから!やばいの!カットできるところはカットしーまーす!!」
「いいんですか!?全れいまり推しが黙ってな」「これ以上の醜態を集団の目に晒したいんですか?あなたは?」
「…ここできっと来ます…。」
「はい、それでよろしい!」
そう言って、(不本意ながら)雑にこのれいまり編は幕を閉じたのだった…。
すっごい納得いってないけどね!!ちょくちょくこの物語に出て妨害してやるからならなぁぁああ!!!
ここで切ります!最後はコメディで締めたかったので、こんな終わり方になりました!
…昨日投稿できなくてすみません…。実は、15時から4時までずっと寝てました。やらかした…。昼寝のつもりがめっちゃくちゃ寝ました。時計みてビビった…。皆様も、寝すぎにはお気をつけを。
てことで、最終話イラストも載せておきます!
うーん、正直あまりうまく行きませんでした…。雰囲気が強めのイラストになっちゃいましたね…。画質が終わっているのは許してください…。
次回はメテヲ編になります!なので、ここの物語の表紙も変更!「あれ?イラスト違くね?」と、思っても気にしないでくださいね?お願いします!
それでは!おつはる!
コメント
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そういえば最初はただマジックしようとしてただけだったね〜