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第17話「拒絶」
莉「……」
薄暗い部屋の中、端末の画面を見つめる。
画面には、ターゲットの男の行動記録。
ここ数日、動きが明らかに変わっていた。
接触する人間。
調べている情報。
辿っている裏のルート。
――探っている。
しかも、その先は。
莉「……梵天、?」
小さく息を吐く。
想定よりも、相手は優秀だった。
指定された場所。
静かなカフェの奥の席。
男は、いつもより緊張した様子で座っていた。
莉「……お待たせしました」
男「いえ、今来たところです」
視線が、どこか不安定。
莉「……何か、ありましたか」
男は、少しだけ迷った後、覚悟を決めたように口を開いた。
男「……あなたのこと、調べました」
莉「……」
空気が、一気に張り詰める。
男「普通の人じゃないって、分かってました。でも……まさか、梵天だとは」
莉「…………」
否定はしない。
沈黙が、肯定になると知っているから。
男「でも、だからって……」
拳を、ぎゅっと握りしめる。
男「あなたを、殺したいなんて思えない」
莉「……」
男「任務でもいい。利用でもいい」
真っ直ぐな目で、こちらを見る。
男「だから、俺のそばにいてください」
その言葉は、懇願に近かった。
――優しすぎる。
この世界には、不釣り合いなほど。
莉「……申し訳ありません」
静かに、はっきりと告げる。
男「……」
莉「私は、あなたの望む存在にはなれません」
男「それでも……!」
莉「なれません」
きっぱりと。
感情を挟まない、冷たい声。
男の言葉を、完全に断ち切る。
莉「私は、任務を遂行するだけです」
男「……それでも、俺は……」
莉「それ以上、踏み込まないでください」
視線を逸らさず、淡々と告げる。
莉「それは、あなたの身を滅ぼしますよ?笑」
苦笑いをする
男は、しばらく黙っていた。
そして、苦しそうに笑う。
男「……やっぱり、強いですね」
莉「……」
男「分かりました。これ以上、追いません」
そう言って、ゆっくりと立ち上がる。
男「でも……出会えたことだけは、後悔してませんそして諦めません!」
そのまま、背を向けて歩き出した。
一人、席に残される。
莉「……」
胸の奥に、わずかな違和感。
だが、それを無視する。
戻る途中。
ふと、背後に気配。
竜「今の、例の男?」
莉「……盗み聞きは感心しません」
蘭「バレバレだったよ♡」
莉「……」
竜「相当、相手惚れてたみたいじゃん」
莉「任務です」
即答。
蘭「ふーん♡」
どこか意味深に笑う。
少しだけ真剣な声になる。
竜「自分の気持ち、殺しすぎんなよ」
莉「……必要ありません」
蘭「それ、強さでもあり、弱さでもあるんだけどねぇ♡」
莉「……理解不能です」
二人は、軽く笑って話を切り上げた。
だが、その言葉は、胸の奥に小さく残った。
自室。
ベッドに腰を下ろし、天井を見つめる。
莉「……」
男の言葉が、ふと脳裏をよぎる。
――そばにいてください。
すぐに、打ち消す。
莉「……私は、梵天の幹部」
それ以外の選択肢は、見当たらない
投稿頻度落ちてきてるかも。
ごめんなさい!💦🙏
でも頑張って書くからね~!
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