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(れいまりさんの)終わりがそろそろだね
──────メメさん視点──────
あの天使が死んだ後、私は七つの大罪にその天使の死亡を知らせ、元悪魔の魂、現神器となってしまった仲間の回収作業を行った。…幸いなことに、特に支障もなくその行動は続き、順調に回収できた。一つ一つに他の神器と変わらないはずなのに重かった気がした。気のせいかもしれないけれど、それが元々魂だった、という事実がそう感じさせたのかもしれない。魂の重さなんて、私は痛いほど理解している。私も魂が破壊されたら消えるだろうな、とも思う。けど、魂を破壊する方法なんて知らないし、そんなこと誰もできないと思ってたのに。神の力、というだけで魂はこんな冷たい兵器に変わってしまうんだ、と少し驚きもした。
なんとも思わないわけでもなかったが、同情はできない。弱いから、こうなるのだと私は知っているから。逃げればいいのに、真正面から戦うから。誰もやられなければあの天使なんて驚異ではない、と私がひとりで殺すことでそれを証明して見せた。仲間を置いていけない、とどこか情に溢れた悪魔の異端者共がこんな結果を引き起こすのだ。
さすがに勇敢に戦っていたものを冷笑することはせずに、私は敬礼をして、その神器を回収していく。元々それが誰の魂だったかはイエモンが判別してくれるらしい。…流石、情報の悪魔、と言っておこう。そういう事に対してどの悪魔よりも抜きん出て強いのだ。そういう表面上のものならば彼に任せた方が良い。
──────Iれいまり視点──────
「───と、言うのがあなたが眠っていた間に起きたことです。」
「…いろいろあったんですね、としか言いようが…。」
「まあ、天才には縁もゆかりも無いですもんね、あの天使と。」
「茶子さんもでは?」
「もちろんないですけど、私のご主人様があるので半強制的に、って感じですよ。」
素っ気なく冷たい声で言うものだから、私は脳裏によぎった考えを恐る恐る切り出す。
「…私の事、恨んでます?」
そういえば、茶子さんの顔は不自然な程の笑顔に変わり、ニコニコしながら
「いえいえ!あの場におふたりがいれば契約ワンチャン止められたかもしれないのに逃げたことなんて、まーったく根に持ってないですよ!そのせいで死なねーご主人について、あと何百年待てばいいのかーっていう苦悩はありますけど!!」
と、明るく言ってくる。これは間違いなく…
「めっちゃ恨んでますね、それ。…ちなみに私も茶子さんのこと恨んでますよ?」
さすがに恨み話ここまでされて私も引き下がれるものか、と私もとある事案を掘り出す。…ちなみに、これは私の本心でもあった。茶子さんは不思議そうな顔を浮かべた後、言ってみろ、という動作をしたので私は遠慮を切り捨てて話す。
「あなたが私を止めたせいでゼンが死んだんですよ?この野郎。」
私が少し感情的にいえば、茶子さんは真逆で冷静を装って話し始める。
「…あなたが追いかけたって意味ないと思いますけどね。それに、あれはご主人様のせいなので。」
その言葉で、私はプツンっと来た。感情の思うがままに思っていることを吐き出すように叫ぶ。
「他のやつのせいにすれば自分の罪はないって言うんですか?舐めてるんですか?私の最大の欲望をあんたはそれだけで潰しやがったのに。責任は取らないつもりですか」
私がそう言い切ってやっても茶子さんはまるで大人の余裕、と言わんばかりにあくまで冷静に、私の言葉に正論で反論する。
「私の第1の欲である生存欲。私は誰かの下につく、という危険極まりない状況に置いたのはあなたのせいですし、あなたもそれについては知らないフリ。お互い様でしょう?なんなら私の場合は復讐、の二言で尽きますし。あんたは他人に執着する異端の悪魔である、ということを理解した上での言葉をどうぞ。」
わかっている。目を背けていた現実を茶子さんは容赦なくぶつける。そうだ。認める。全ての発端は私であり、それが巡り巡って私にとって最悪の結末を寄こしたのだ。けど、正直に言ってしまえばもうどうでもいいとすら思う。だって
「どうせあと5日で全てが終わりますから。」
「?どういう意味ですか?」
茶子さんがそう不思議そうに首を傾げる。そうだ、もうどうでもいいではないか。この世界で悪魔と天使の情報を得たし、神器の仕組みも理解した。それだけで充分ではないか。ゼンが死んでしまったのだって、もう今更である。私は何回も誰かの死を見てきたではないか。この世界に長く居すぎたせいで、情が湧いてしまったに過ぎないだけだ。そう思うと、少し楽だった。
「あぁ、あなたは知らないんですもんね。この天使と悪魔の戦争はあと5日で終わります。」
私がそう真剣な眼差しを向けていえば、茶子さんは少し嬉しそうな顔をしながら
「…つまり、私は解放される、ということですか?」
と、尋ねてくる。たしかに、このタイミングでこういうのはそういう意味で感じ取ってしまうか。と思い、私は落ち着いて修正する。
「ある意味そうですけど、違いますよ。神の使者が現れて天使も悪魔も関係なく殺されるんですよ。」
そういえば、茶子さんの喜ばしい顔は一転、険しい表情を浮かべながら
「そんなことがあるわけないじゃないですか。この天使と悪魔の戦争はいつから始まったか誰も知らないくらいには長い。けれど、その間神が干渉したことは一度もないんです。」
と正論を捏ねてくる。けど、これは私からしたら正論なんてものではなく、都合の良い夢物語でしかなかった。真実を知るものはこうも虚しいものなのか、とぽっかり空いてしまった心の空白を哀れみつつ、適当に返す。
「神が代替わりしたことで思想が変わるんですよ。天使と悪魔を上手く使って下界をもっと良くしようとするんですよ。」
私がそう真実を言ってやっても、相も変わらず顔に感情が出る茶子さんは信じられない、と言った調子で話を続ける。
「神が…代替わり?それこそ天才、何言ってるんですか?神様は完璧なんですよ。一生神の地位で我々を見下ろして観察しているんですよ。」
今度は私が正論を言う番。
「あなたは神に会ったことがないのに?そう言えるんですか?それに完璧なら神から見て私たち下等生物を生かす意味はないですよ。考えればわかること。常識だからこそ誰も疑わないもんですよ。」
「…私のこと、バカって言いたいんですか?」
初めて、茶子さんの怪訝そうな顔を見た。やはり、茶子さんは現実を見ない。と、言うより自分が知っている知識に間違いを疑わない。
「違いますよ。そもそも私みたいな捻くれた考えが出てくるほうがおかしいんですよ。…そう、私はおかしくなっちゃったんでしょうね。人を殺すことにも、騙すことにも、利用することにも躊躇いがなくなってしまった。…壊れちゃったのかなぁ…?」
段々と私の脆い部分が剥がれ落ち、相談する形になってしまう。けど、悪魔なんてもんは同情なんてしてくれず、なんなら相手の正気すら疑ってくる生命体なのだ、と茶子さんを見て思う。
「天才、あなた多分疲れてるんですよ。もう一度寝た方が」
「いえ、もう、いいです。この世界をもう終わりにします。さよなら。終末を楽しんで。」
私はそう言って1番死ぬのが楽な薬に頼ってこの世界を終わりにする。
結末が見たいなら、この物語の主人公視点を見ればいいんじゃないですか?…あいつならどうせ書きますよ。私は、この世界はもう疲れたので。一足先に終わらせてもらいます。
ここで切ります!Iルートはあとメメさん視点を書いて終わりにしようと思います!時間がない!おつはる!