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何と素敵な話…✨号泣案件ですよ…😭💕👍 もうBEAST太宰さんを本編軸の織田作に合わせるという願望の時点で幸せな予感しかしませんのに、それを月夜さんの素晴らしい語彙力と表現で書かれた作品をこの目で拝めれる何て…😆✨神作を有難う御座いましたっ🥰🙌!!
あぁぁぁぁぁぁぁぁ好きぃぃぃぃぃぃぃぃッッッッ!!!!!! ありがとうつーちゃん……、もうこの世に未練はないわ……() 太宰さんの最初のシーンでもう涙腺崩壊しちゃったよ…好きだ() 織田作ぅぅぅぅッッッッ!好きなだけ書くんだぁぁぁぁッッッッ!!絶対買うからぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!
再会した話
BEAST、太宰を拾った日のネタバレ注意
完全に私の妄想でしかありません
苦手な方は逃げてください
ほぼ自己満です
設定
・BEAST完結後の話
・太宰治→「」
・織田作之助→『』
「此処は、?」
太宰は知らない場所で目を覚ました。
見渡してみると、周りに何も無く、ただただ白い空間がずっと続いている。
数十秒経って、此処はこの世の場所では無いことに気付いた。
それは自分の計画が達成されたということ。
実に喜ばしい事だ。
だって、これで友が生きる世界は守られる。
「織田作…、」
でも、やっぱり寂しい。
私だって…、あの本来の世界の様に、あの夜の様に、何でもない事で笑い合える友でありたかった。
あの世界のように〝織田作〟と呼びたかった。
私が考えた君の為の名だ。
尤もそれは彼処の本来の世界での話だ。
友達という関係の私達の話。
此方の世界では君は私の事なんて知らない。
むしろ君にとって私は嫌悪する相手であっただろう。
当たり前だ。
6年前、自らそう仕向けたのだから。
自分でやった事だ。
彼の為にやった事だ。
後悔なんてない。
だけどっ、
何時もの様に私の話を沢山聞いて欲しかった。
君のする楽しい話を聞いていたかった。
君と一緒にあのバーで飲みたかった。
君の書く小説を読みたかった
何より君と、一緒に生きたかった。
今迄に何度そう思っただろうか。
最初はただ、君に生きていて欲しかった。
夢を叶えて欲しかった。
それだけだった。
本来の世界の記憶を見て、織田作之助という人間が自分にとってどんなものより大切な人だと知ったから。
私の事を誰よりも理解していた人だから。
でも、計画を進める内に君と一緒に過ごしていた本来の世界の自分が羨ましくなった。
そして、6年前。
織田作と会った日。
必死だった。
顔も声も覚えられないように、
顔を見せず、会話もせず、織田作から絵の情報を引き出した。
そして、織田作を二度と犯罪組織から狙われないようにした。
本当に必死だった。
別れ際に彼は云った。
『親切にどうも。あんたはいい人だな。』
私の事を全く知らない織田作は、私に向けてそう云った。
よく知っているあの穏やかな、優しい顔で。
泣いてしまいそうだった。
あまりに残酷な運命を恨んだ。
何故私は彼と生きる事を許されないのか、と。
必死にその気持ちを押し殺した。
溢れ出る感情に蓋をし、何年も何年も考えを重ね、計画を実行し、地位を築き、そして、
無事に計画を達成した。
大変だった。
本当に大変だった。
孤独の中ずっと1人で頑張ったんだ。
私は思ってしまった。
ここに来て。
彼に、何か云って欲しい。
褒めて欲しい、理解して欲しい。
彼が生きていてくれさえすればそれだけで良かったのに。
それなのに、
…私は欲張りなのだろうか。
「織田作…、ねぇ、私……、」
「君の為に頑張ったんだよ…、」
「君に生きて欲しいから、」
「夢を叶えて欲しいから、」
「君の為に…っ!」
ああ、ああ、勝手に言葉が、涙が溢れてくる。
「……、織田作…あいたいよ…。」
何も無い空間でただ、泣き続けた。
暫く時間が経った。
こんな所まで来ても私は孤独なんだなと思う。
そういえば此処は何処なのだろうか。
私はこれから地獄に行くのだろうか。
やっぱり友の為、あの世界の為とはいえ多くの人を傷付け過ぎた。
ふらっと立ち上がり、行く宛てもなく歩き始めた。
数十分経った。
ずっと白い空間が続いていた。
何も無い。
どうせなら死んだ後、無になりたかった。
そうすれば何も考えずに済んだじゃないか。
神様なんて居ないのか。
はたまた神が居るからこその私への罰なのか。
もう休ませてくれ。
疲れたんだ。
もう目的なんて無い。
何も考えずに横になった。
目をつぶって。
私はただ、君に…、
そこで私の意識は途切れた。
────────────────────
男の死体が転がっていた。
少し奥の倒れた男を見てそう思った。
ふと気付いた、此処はこの世では無いのだから死体なんて有り得ない。
何故だかは分からないが、気になってその男に近付いた。
少し前のことを思い出したから。
あの日、玄関ポーチに見たあの光景のようだったから。
近くで見てみると、よく知っている男だった。
太宰だ。
自分が生きていた世界とは別の。
此処からずっと見ていた。
本当にこの男は、
俺の為にこんな事…、
こんなに大変な事。
ずっと1人で。
俺は何かしてやれただろうか。
太宰は変わった人だ。
それでも俺は知っている。
太宰はあまりに頭の切れるただの子供だと言う事。
それ故に周りに人が居なかった事も。
何も出来なかった。
それなのに太宰は…っ、
こんなにやるせない気持ちになったのはいつぶりだろう。
それでも、
『ありがとう。』
太宰の頭を撫でた。
────────────────────
眠ってからどの位時間が経っただろうか。
ふと気付いた。
人の気配がする。
身体を起こしてみると、隣に男がいた。
織田作だ、
「え…、?」
織田作は眠っていて、私の声で目を覚ました。
彼は私の方を見た。
「あ…、織田さっ…あ、ちが…、えと……、 」
「私は…っ、あの……っ!」
勝手に涙が溢れてくる。
上手く話せない。
その時、抱きしめられた。
織田作に。
『ありがとう。太宰。』
涙が止まらなくなった。
「おだ……、さく…!」
「織田作!織田作っ!」
「私、頑張ったんだよ…!?」
「君の為に…!君の夢の為にっ!」
「それなのに君は私を期待させる様な事を云って…っ!優しくしたりしてっ…!」
「でもっ、あの君は私の事は知らなくてっ!」
「君の無責任な発言がどれだけ私をっ……!」
言葉が繋がりをなさない。
こんな事を云っても意味無いのに。
返って織田作を苦しめるだけなのに。
「織田作っ…!」
『ごめん。ごめんな。』
『ずっと見ていた。』
『お前が俺の為に頑張ってくれていた事、全部知ってる。』
『ずっと1人で頑張っていた事も、ずっと俺の事だけ考えてくれていた事も。』
『本当に、ありがとう。』
強く、強く抱きしめられた。
ああ、私はずっとこうして欲しかったんだな。
ようやく報われた様な気がした。
ずっとこうしていたい。
気になった事ができた。
だから、
私を誰よりも理解している目の前の人に質問した。
「織田作、私はどうすればいい。」
『お前は充分頑張った。』
『しなければならない事なんてないさ。』
『でも、1つ頼みがある。』
「それは何だい?」
『俺は小説を書きたい。』
『それに付き合ってくれないか。』
『友の為に頑張る人間を書きたいんだ。』
「…っ!」
目に涙が溜まる。
それでもとびきりの笑顔で云った。
「もちろんだよ!」
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人を殺めた人間に小説を書く資格何て無くなると思った。
でも、何があっても消えない友情を書くのは
友達という関係がある限り、
〝素敵〟だと思うんだ。
再会した話 [完]
BEASTの太宰さんを本編軸の織田作に会わせてあげたいという私の願望から生まれた話です。
太宰さん切実に報われて欲しい…、
私の長い妄想に付き合ってくださった方、
本当にありがとうございました!!