2ヶ月弱投稿してなかったらしい
ほんとにすみませんでした!!ちょっと忙しさMAXでこれからもこんな投稿頻度になると思います。ゆるーーーく見ていただけると嬉しいです。
しばらく投稿していなかったにも関わらずフォローしてくださった方、フォローを外さないでいてくれた方、愛しています。ガチで。フォロワーほぼ全員覚えているので安心してください。らぶ。
最後になりますが、コメント/リクエスト等いつでもお待ちしております。コメント、最大限の励みになります。リクエスト、ほんとに助かります。良かったら是非おねがいします。それでは本編GO
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過去捏造。暴力表現あり。解釈違いはすぐにバックおねがいします
inm視点
やめて。やめて。
「神様、許して。お父さんは何もしてないの。これからオレが弁償するから……」
打たれる頬。蹴られる足。歯を食いしばり、口からミシッと音がなる。
「ああ、そうだ、世界が悪いんじゃないかな…!お父さんより世界のほうがよっぽど…!わッッッ!」
思わず体勢を崩し、食器棚が上から倒れてくる。パリンと響くお皿の音。飛んできたガラスの破片が首に向かって鋭い牙を向いている。
「お前なんか!!お前なん、か!!」
その続きを言わないで。ぶったっていいから。オレの身体中、アザだらけになってもいいから。
ふかふかの毛布は汗だくの肌にじっとりと張り付いていて、まるで夏のような暑さだった。
「今の、夢?」
オレの昔…まだ忘れられない。あのとき言われた言葉。相当小さかったはずなのに、あの言葉はサイレンの音とともに鮮明に覚えている。
『ライくん!起きてる?』
端末から音声が聞こえ、ふと我に返る。
「起きてるよー!おはよ!!」
『今日も担当だっけ?』
「そうなんだよ〜あと2日かな?」
今回現れた敵の攻撃力はほぼ0に等しい。しかし、体力が無限にあるのだ。俊敏なわけでもないし、防御力もないし…なんで倒す必要があるのか疑問に思うくらいだが、敵が街に来ていることには変わりないので、ヒーローの威厳として放っておけないらしい。
『長いね、ライくんがんばって』
「イッテツも今日担当じゃないの?」
『え!?今日!?』
「テツと一緒に行こうと思ってたんだけど」
『マジじゃん!?朝食べてないよ俺』
「オレも食べてないから一緒食べよ」
『よかったーー!』
「てかイッテツ、いまどこいる?」
『あ、いた』
「あ」
テツはキッチンに立ってトーストを2枚取り出していた。ハチミツでもかけたのだろうか、甘い匂いがリビングにまで広がっている。
「めっちゃいい匂いする」
「俺特製トーストです」
「うわ、うまそ〜」
「はちみつかけただけだけど」
「それがいいんだよ」
「美味しいならヨシ!」
美味しそうに焼き目のついたパン。一口かぶりつこうとしたところで端末が震える。
「うわ、要請だ。なんで?」
「今はまだるべくんとリトくんが対応してくれてるはずだけど……」
「しょうがない、行くかぁ………テツのはちみつトースト食べたかった」
「まあまあ、帰ってからまた作るからさ!」
「はーい…」
呼ばれた場所に到着すると、ゲラゲラ笑っている2人の姿があった。
「よぉ〜〜〜テツ」
「あ、ライ」
全く緊急事態のように感じられない雰囲気に疑問が浮かんだ。
「ちょっと!俺らわざわざ朝ごはん抜いて来たんだけど!!」
「そうだぞ!!!イッテツのハニートースト食べたかった!!!」
「まあまあ落ち着けって」
「それより一杯どうですか?」
は、と2人で声がハモる。それもそのはず。彼らはグラスを交わすような仕草をしていたのだ。グラスなんて手に持っていないのに。アルコールなんて何処にもないのに。
「何、言ってんの?」
そこからの記憶は全くない。気づいたら俺は、見知った家の中に居た。
「……?」
ココ。間違いなく、オレの実家。ということは。
「お前!!!」
「………ぁ……」
思ったように声が出ない。これは敵の幻覚。オレは今、同期と一緒にヒーローやってるから。きっとさっきのリトるべも、お酒か何かの幻覚を見ていたのだろう。わかってる。わかってる、のに。
「なんでまだ生きてるんだよ!!!」
「……ゃ…め」
今日朝夢で見たとはいえ、実際に立ち会うのは数十年ぶりで、久しくて。忘れたい過去が全部戻って来る。手も足も、鈍器のように固まってしまう。
「お、れは」
「なんだよ!お前はな!!いっつも邪魔なんだよ」
「そん、なこと、ない」
「あるんだよ!!!お前なんか!」
「やめて!!!」
「お前なんか!!!!生まれてこなければ良かったのに!!」
あぁ、聞いちゃった。人生で2回も聞くと思わなかった。殴りかかってくる姿を前に、目をつぶる。
「神様、許して」
「何を許すって?」
聞き慣れた声がして、目を開ける。目の前に居たはずの両親は、いつの間にかロウに変わっていた。
「ロウ?ほんもの?」
「失礼な。助けにきてやったんだが?感謝しろ」
「え、あ、ありがとう」
「で?神様が何だって?」
「なんでもない」
「幻覚見てただろ?苦しそうだったけど」
「嫌な夢見てただけ」
「お前、大変だったんだな」
へ、という声が漏れた。涙が止まらなくなる。
「これから克服していこうな」
声も出せない状況で、がむしゃらに頷く。大変だった、って認めてくれたのはロウが初めてだから。今までオレの過去、誰にも話せてなかったけど。ちょっとだけ気持ちが軽くなった気がした。
「もう神様とか言うな。俺らが神様だろ、むしろ」
「え?」
「変な呪文唱えんなってこと。助けてほしかったら神様じゃなくてヒーローを呼べ」
「………わかった」
そうだ。俺には神様じゃなくて、ヒーローがいるんだった。そう考えれば、大丈夫。きっとこれからも。
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