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朋也さんはそう言ったけれど、たいしたことないなんて、かなりの謙遜だ。

自分達で焼けるよう全て準備が整い、さらにバーベキュー以外のオシャレな料理をシェフが作って振る舞ってくれるようだ。

食材があまりに豪華過ぎて驚く。

お肉の種類も豊富で、ロブスターやシーフード系もあり、盛り付けも美しく、見ているだけで幸せな気分になれた。


ロマンチックでうっとりするような光の中でのバーベキュー。

こんなの初めてだ……

朋也さんは、本当にお金持ちなんだ。

御曹司なんだから当たり前だけれど、目の当たりにして心からそれを実感した。


「いただきま~す」


誰かの声で食事がスタートした。

朋也さんは、率先してお肉や野菜を焼いてくれている。

横で手伝っているのは……

菜々子先輩と梨花ちゃん。

私は、その中にはわざと行かないようにした。


お肉が焼ける良い匂いがみんなの空腹を刺激し、シェフが作る、見たこともないような料理に感激した。


「どうぞ」


朋也さんが、私のお皿に焼いたお肉を置いてくれた。


「あ、ありがとうございます。いただきます」


「ちゃんと食べろよ。たくさん食べないと余ってしまうから」


「はい、ありがとうございます」


一口で食べれる大きさが嬉しい。

この配慮には感心する。

口の中に入れた瞬間、すぐに溶けて無くなる高級なお肉。一気に幸せが体を駆け巡る。

柔らかくて、香ばしくて……こんな美味しいお肉を食べたのは初めてだ。

何から何まで豪華で、夢見心地だ。


みんなもアルコールが入り、楽しく過ごしている。

私も交代でお手伝いをしながら、この雰囲気を心から満喫した。


その時、屋上に社長が上がってきた。


「やあ、よく来てくれたね。みんな楽しんでるかな?」


社長の言葉に一瞬で空気がガラリと変わった。

みんな立ち上がり、背筋がピンと伸びている。

私ももちろん、同じようにしているけれど。

『文映堂』の社長の威厳はやはりすごいものがある。


「今日はありがとうございます。お邪魔してしまい申し訳ございません。とても美味しくいただいています」


代表して一弥先輩が言ってくれた。

さすがの対応だ。


「いやいや。いろいろ大変なこともあるだろうが、今日はゆっくり楽しんでくれ。今のプロジェクトの成功を祈っている、頼んだよ。まあ、今日だけは全て忘れて、どんどん食べて飲んでくれて構わないから」


「はい! ありがとうございます」


みんなは口々にお礼を言った。

社長はにこやかに手をあげて一礼してから、今度はなぜか私に近づいてきた。

一気に心臓が激しく脈を打ちだした。


「やあ、この前はいろいろと済まなかったね。朋也がわがままを言って」


たまたま周りには誰もいない。

だからこそ私に話しかけてくれたのだろう。


「いえ、こちらこそ突然で申し訳ございませんでした」


「……あいつがあんなことを言い出して正直びっくりしたよ。将来のことを急に考えたいなんて、しかも、君と結婚したいと……」


「あっ、いや、それは……」


「朋也は迷惑をかけてないかな? あいつは自由というか、マイペースというか……。森咲さんを困らせているんじゃないかな?」


「いえ。そんなことは……ないです」


ひとつ言うとすれば、いつも上半身裸でいようとするところだろう。


「そうか。でも、もし、女性である君に迷惑をかけるようなことをしたら、ちゃんと追い出してくれ」


「……社長。本宮さんは紳士です。ちゃんと私を大事にしてくれてます。だから……私の方が感謝しているんです」


確かに、この言葉は嘘ではない。


「……あいつも、少しは大人になったということかな……」


「本宮さんは、社長のことを心から信頼し、家族として大切に思っています。それがものすごく伝わってきます。本当に素敵な親子関係ですね」


「ありがとう。朋也は女性嫌いだと思っていたが、君のような素晴らしく聡明な女性を選んだ。私も、もう安心だよ。あいつの母親代わりの梅子さんという女性がいるんだが、いつか森咲さんに合わせたい。誰よりも1番喜んでくれるはずだ」


「梅子さんのお話、朋也さんから少しお聞きしてます。私もいつかお会いできたら嬉しいです」


「ああ、ぜひ。ではまた。朋也をよろしく頼みます。今夜は楽しい夜を過ごして」


「はい、本当に今日はありがとうございます」


社長が笑顔で良かった。

突然の訪問にも寛大で、怒ってなどいなかった。

やはり貫禄があって、本当に尊敬する。

社長は、心から朋也さんを愛しているんだ。

大切な大切な家族として――


「さあ、まだまだあるからたくさん食べて」


「は~い! いただきまーす」


朋也さんが空気を変えてくれ、私達は再び料理を食べ始めた。


さっきから一弥先輩と朋也さんが仲良く話している。

オーラに包まれ、嘘みたいに素敵だ。

バーベキューだから、いつもよりラフな服装なのに、2人の周りだけ空気感が違う。

恐ろしくオシャレ過ぎて、あまりに眩しい。

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