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#ざまぁ
「うるさい…からかうな……っ」
きまりが悪そうに、大きな手のひらで顔を隠そうとする竜牙さん。
俺はすかさずその手首を頭上で掴んで、ベッドに優しく押し留めた。
「隠しちゃダメ。見せて」
「無理だろ、恥ずかしすぎる……」
「いいじゃん、可愛い顔。俺にだけは見せてよ」
「バカ言え……っ」
呆れたように、ため息混じりに言うくせに、俺の手を振り払う抵抗の力は驚くほど弱い。
俺を受け入れてくれている証拠だ。
俺はそのままゆっくりと顔を近づけて、竜牙さんの唇にキスをした。
最初は、触れるだけの優しいキス。
それから、何度も何度も、角度を変えて、お互いの体温を確かめ合うように深く。
唇が触れ合うたびに、シーツの擦れる音とともに
竜牙さんの体がじわじわと熱くなっていくのが伝わってくる。
「…慧斗……っ」
「ん?」
息が切れた俺が唇を離すと、竜牙さんは熱っぽい瞳で俺を見上げ、掠れた声で呟いた。
「……今日、いつもより、その……死ぬほど恥ずかしい」
「ふっ、いつもとやってること変わんないじゃん」
「部屋が明るくて……お前に、全部見られてるからに…決まってんだろ」
三十路の男とは思えないほどピュアで
素直すぎる返答が可愛すぎて、俺は思わずぷっと吹き出してしまった。
「あははっ、そんなに俺の視線、意識してくれてんの?」
「……意識しないわけないだろ、普通」
「へーえ、そうなんだ…?」
「ちょっ、やめろって……んなとこ…っ」
低くて、少しだけ低音の凄みが増した声。
だけど、前みたいな苦しそうな拒絶の気配は一ミリもなくて
ただ純粋に照れ隠しで怒っているだけだと分かる。
それがたまらなく愛おしくて、嬉しくて
俺は上からもう一度、竜牙さんの体に全力でしがみついた。
「好き」
耳元で、甘く、囁くように告げる。
「……っ」
「めちゃくちゃ好き。愛してるよ、竜牙さん」
「慧斗……おれ…可愛い、か」
「…っ、可愛すぎる、かな」
「…もっと、言ってくれないか……っ、お前に言われると…嬉しいんだ」
「…!」
「なら…これからはもっと…格好悪いって思うところも全部含めて俺に教えて、甘えて。可愛がりまくるから」
「…ああ」
すると、竜牙さんは数秒間、何かを諦めたように深く息を吐き出したあと
観念したように俺の体を背中から力強く抱き締め返してくれた。
骨が軋むんじゃないかってくらい力強くて
だけど、壊れ物を扱うみたいにどこまでも優しい大きな腕。
その温もりの中で、俺はぼんやりと考えていた。
付き合う前は、2次元に出てくるような
完璧で非の打ち所がない『理想のスパダリ彼氏』なんだと思ってた。
でも、違った。
この人は完璧なんかじゃない。
不器用で、傷つきやすくて、繊細で、意外と弱くて
他人の言葉一つでボロボロになっちゃうくらい臆病な男だ。
でも、だからこそ、こんなにも愛おしくて仕方がないんだ。
俺、多分。
自分が思っていたよりもずっと、ずっと深く、竜牙さんという底なしの沼に溺れてる。
完璧な理想なんてどうでもいい。
この、俺の前でだけ弱さを晒してくれる
世界一不器用で愛しい男を、俺は一生離さないと心に誓った。
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さいこうでした