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若井は運転席に座ると、元貴もゆっくりと助手席に座った。
元貴がシートベルトをしたのを確認すると、車を走らせ、出発した。
元貴はぼーっと窓の外を見ていると、普段行ってる病院と別方向に向かっている事に気がついた。
(確か…この道は精神科の病院がある道だったはず…もしかして、手首の傷、バレちゃったのかな…?)
元貴はバレてしまった事で頭がいっぱいになってしまい、過呼吸を起こしてしまった。
「ッハァハァ…ハァッハァッッ…」
「元貴、?!大丈夫か?、」
「ハァハァッ…」
返事が返ってこない。
若井は元貴の異常さに気付くと、すぐに近くのコンビニの駐車場に車を停めた。
恐る恐る隣を見ると、元貴が前かがみになって過呼吸を起こしていた。
元貴の顔がよく見えなく表情が上手く読み取れない。
前かがみになっているのも相まって、呼吸が余計にしにくいだろう。
「元貴、ちょっと起こすよ」
「ハァハァッ…ハァ」
若井は自分のシートベルトを外すと、元貴のシートベルトもそっと外し、前かがみになっている元貴をそっと起こした。
若井の目の前に現れた元貴はとても苦しそうで、大粒の涙を零していた。
泣く程辛いのだろう。
「…少しは楽になった、?」
「ッハァハァ…ゲホッゴホッ…ッ」
若井は呼吸がしやすいように元貴が身に付けていたマスクを外し、元気にそう問いかけた。
元貴は若井に何か伝えたいのか口をもごもごさせていた。
無理に声を出そうとしたせいで、咳も出てきてしまった。
「無理に喋ろうとしなくていいよ、元貴、俺の真似してね 」
「吸ってー吐いてー吸ってー吐いてー」
「カヒュースーッハァッ」
「そうそう、その調子」
若井が冷静に対応したお陰で、段々と元貴の呼吸が穏やかになった。
「若井っ、ぁりがッ…とっ」
「言っただろ?”もう一人じゃない”って」
元貴は涙目のまま、”そうだね”とそっと微笑んだ。
続…