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(場所:QuizKnock編集部)
kwmr「……あー。耳かきってさ、最後に『ふぅ』って息を吹きかけてもらう瞬間が、一番気持ちいいよね」
昼休憩ののどかな空気の中、kwmrが何気なく口にしたその一言で、編集部の時間が止まった。
sgi『……は?』
ymmt『え、kwmrさん……今、なんて?』
izwが持っていたペンを落とし、デスクの向こうから身を乗り出す。
izw『kwmr、それ……。耳かきって、普通「一人で」やるもんだろ? 誰かにやってもらってんの?』
kwmr『え? ……あぁ、そうか。そういえば、そうだね。……一人だと、できないか』
ポカンとした顔で首を傾げるkwmr。だが、周囲のクイズプレイヤーたちの脳内検索エンジンは、既に最速で「答え」を導き出していた。 「耳かきを人にしてもらう」「仕上げに息を吹きかけられる」――それは、あまりにも親密で、心を許した相手がいることを示唆するシチュエーションだ。
ymmt『kwmrさん、それ……完全に「誰か」に甘えてる人のセリフですよ。……もしかして、彼女さんとか?』
kwmr『えっ、いや……そういうのじゃなくて。……あ』
そこでようやく、kwmrは自分の失言に気づいた。 いつも家で当たり前のように繰り返されている、夜のひととき。お風呂上がり、ソファでくつろいでいると、いつの間にかgonが膝を叩いて待っている。
gon『kwmrさん、耳かきしましょうか。……はい、ここに乗って』
その心地よい膝枕に頭を預け、gonの指先が優しく耳に触れる。 そして仕上げに、くすぐったそうにする自分を見て、gonがわざと顔を近づけて「ふぅ」と息を吹きかける――。
それが彼にとっては、呼吸をするのと同じくらい当たり前の「日常」になっていたのだ。
kwmr『(……しまった。あれ、普通は一人でするものだったんだ……)』
時すでに遅し。 「クールなkwmrに、耳元で息を吹きかけるような親密な相手がいる」という特大の誤解(?)は、一瞬で編集部中に広まってしまった。
sgi『おい、顔赤いぞ。誰だよ、そんな熱烈なサービスしてんのは』
kwmr『……。……内緒だよ。これ以上喋ると、また変なこと言いそうだから』
kwmrは逃げるように席を立ち、足早に編集部を出た。 耳の奥が、思い出しただけで熱い。 あの、耳元で「ふぅ」と笑いながら息を吹きかけてくる、gonの少しだけ独占欲の滲んだ瞳を思い出してしまったからだ。
「……ひとりだと、できないのか」
帰り道、コンビニの耳かきコーナーを眺めながら、kwmrは今更ながら、自分がどれだけgonに甘やかされていたかを知る。 同時に、今夜もまた自分から「……今日も、いいかな」と、あの膝の上に頭を乗せてしまう未来を、確信していた。
(おわり)