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kaede🍁
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りゅず
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この日。
阿部、深澤、渡辺、ラウールの四人でファッション誌のモデル撮影だった。
撮影スタジオへ入るなり、ラウールは満面の笑みで両手を広げる。
「今日は女の子三人独り占め!」
その一言に三人は顔を見合わせた。
「ラウール、その言い方やめな。」
深澤が苦笑すると、ラウールは悪びれもせず笑う。
「だって本当じゃん。」
「今日はめめも岩本くんも舘さんもいないし。」
「俺のターン!」
「何それ。」
渡辺が笑いながらツッコむ。
撮影は終始和やかに進み、四人らしい自然な笑顔が次々とカメラへ収められていった。
___________
撮影が終わり、それぞれ私服へ着替える。
帰る準備をしていると、ラウールがふと思い出したように口を開いた。
「そういえばさ。」
「みんな最近、服困ってない?」
「え?」
阿部が首をかしげる。
ラウールはラックへ掛かった衣装を眺めながら続けた。
「撮影では色んな服着るけど、私服って結局似たようなの選んじゃわない?」
「分かる。」
阿部はすぐに頷いた。
「気付いたら白とかベージュばっかり。」
「俺も。」
深澤が笑う。
「デニムばっか。」
「俺は……。」
渡辺は少し考える。
「買うんだけど、結局いつも同じような形になる。」
「でしょ!」
ラウールは嬉しそうに指を鳴らした。
「だから今日は俺に任せて!」
「え?」
「みんなに似合う服選びたい!」
「えー。」
深澤は笑う。
「ラウールのセンス良すぎて俺ら着こなせるかな。」
「大丈夫!」
「俺、ちゃんと普段使いできるやつ選ぶから!」
阿部も少し興味が湧いたようだった。
「ラウールに選んでもらうの、楽しそう。」
渡辺も頷く。
「俺も新しい服欲しかったし。」
ラウールはニヤリと笑う。
「決まり!」
「ちょっと遠いけど、俺がよく行くショッピングモールあるんだ。」
「ショップいっぱい入ってるから絶対楽しいよ。」
「車どうする?」
深澤が聞くと、渡辺がポケットから車のキーを取り出した。
「今日は俺が運転する。」
「せっかく免許取り直したんだから使わないともったいない。」
阿部が笑う。
「翔太の運転、久しぶりだ。」
「安全運転だから安心して。」
「それ、前も聞いた。」
深澤が笑うと四人もつられて笑った。
ラウールは先頭に立ちながら振り返る。
「今日はね。」
「三人とも今まで選ばなかった服を着てもらうから。」
「えっ。」
「なんか嫌な予感。」
深澤が肩を落とす。
「大丈夫、大丈夫!」
「絶対かわいくする!」
ラウールは自信満々に親指を立てた。
その姿に三人は苦笑いしながらも、どこか楽しみにしている表情を浮かべていた。
四人は渡辺の車へ乗り込み、少し遠くのショッピングモールへ向かって走り出した。
今日一番大変なのは、果たして誰になるのだろうか。
そんな予感を乗せたまま、車内には四人の笑い声が絶え間なく響いていた。
___________
四人は、少し遠くにある大型ショッピングモールへ到着した。
車を降りると、ラウールは待ちきれない様子で三人を振り返る。
「じゃあまず、今の三人のファッションについて言わせてください。」
「急に講評始まった。」
深澤が笑う。
ラウールは阿部を指差した。
「あべちゃんは、きれいめで上品なんだけど、最近ちょっとコンサバ系に寄りすぎ。」
「え、そうかな?」
「ブラウス、細身のパンツ、きれいなスカート。同じ系統が多い。」
阿部は思い当たる節があるのか、少しだけ視線をそらした。
「だって失敗しにくいし……。」
「分かるけど、あべちゃんはもっと崩しても絶対似合う。」
次に、ラウールは深澤を見る。
「ふっかさんは、古着を合わせたアメカジ系が多い。」
「それは好きだからね。」
「似合ってるけど、今日は全然違うの着てもらう。」
「え、怖い。」
最後に渡辺を見る。
「しょっぴーは、とにかく楽な服。」
「楽が一番だから。」
「ゆったりしたトップスに、ゆったりしたパンツ。」
「悪い?」
「悪くないけど、毎回それ。」
渡辺は何も言い返せず、黙って目をそらした。
ラウールは満足そうに頷く。
「ということで、今日は三人とも新しい系統に挑戦してもらいます。」
「本格的だな。」
阿部が笑うと、ラウールはすぐに最初の店へ入っていった。
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最初に服を選んでもらうのは阿部だった。
ラウールは店内を一周すると、迷いなく服を手に取っていく。
柔らかな色合いのニット。
落ち感のあるワイドパンツ。
「あべちゃんは、きれいめの服が好きみたいだから、きれいめカジュアルにする。」
「きれいめカジュアル?」
「ちゃんとして見えるけど、頑張りすぎてない感じ。」
さらに、小さめのバッグとシンプルな靴まで選ぶ。
「これなら仕事の後にそのままご飯も行けるし、めめとデートもできる。」
「めめは関係ないでしょ。」
そう言いながらも、阿部の頬は少し緩んでいた。
試着室から出てくると、三人が一斉に声を上げる。
「似合う!」
「あべちゃん、こういうのいいじゃん。」
「ほんと?」
ラウールは満足そうに腕を組んだ。
「ほら。きれいだけど、いつもより少し抜けてる。」
阿部は鏡の前で何度か向きを変える。
「これ、好きかも。」
「でしょ?」
___________
次は深澤だった。
ラウールはなぜか先ほどよりも楽しそうに歩き出す。
「ふっかさんには、デートに着て行ける服を選びます。」
「普通のでいいからね?」
「うん、普通にかわいいやつ。」
「その言い方がもう不安。」
ラウールが持ってきたのは、柔らかな素材のブラウスと、ふわりと広がるスカートだった。
さらに小さなリボンの付いた靴まで持ってくる。
深澤は服とラウールを交互に見る。
「待って。」
「何?」
「ガーリーすぎない?」
「大丈夫。ふっかさん、顔立ち柔らかいから絶対似合う。」
「照に何て言われるかな……。」
「それを見るために着るんじゃん。」
「違うだろ。」
しぶしぶ試着室へ入った深澤が出てくると、阿部は思わず口元を押さえた。
「ふっか、かわいい。」
渡辺も目を丸くする。
「想像より似合ってる。」
「想像よりって何だよ。」
ラウールは嬉しそうに靴まで履かせる。
「これで完成。」
鏡を見た深澤は、しばらく黙っていた。
「……思ったより悪くない。」
「でしょ?」
「照、びっくりするかな。」
そう呟いた瞬間、三人が一斉に笑った。
「もうデートで着る気じゃん。」
「うるさい。」
___________
最後は渡辺だった。
「しょっぴーは、楽な服のままで系統を変えよう。」
「それは助かる。」
ラウールが選んだのは、柔らかな素材のロングシャツと、ゆったりしたパンツ。
色合いも落ち着いていて、全体的に自然な雰囲気だった。
「ナチュラル系。」
「楽そう。」
「でもいつもの部屋着っぽさはない。」
「部屋着じゃねぇよ。」
試着して出てきた渡辺は、着心地を確かめるように腕を動かす。
「これ、めっちゃ楽。」
「でしょ。楽でもちゃんと系統変えられるから。」
阿部も頷く。
「翔太、こういう色似合うね。」
「涼太も好きそう。」
渡辺が無意識に呟くと、深澤がすぐに反応した。
「結局そこなんだ。」
「別にいいだろ。」
___________
三人分の服を選び終えたはずだった。
しかし、ラウールは完全に勢いがついていた。
「次、これも着てみて。」
「まだやるの?」
「あべちゃん、こっちのスカートも。」
「ふっかさん、このワンピース絶対似合う。」
「しょっぴー、このカーディガン羽織って。」
次々と服を渡され、三人は試着室を何度も往復する。
「俺たち、着せ替え人形じゃない?」
阿部が笑う。
「気付くの遅いよ。」
深澤は大量の服を抱えたまま答えた。
渡辺は試着室のカーテンから顔だけ出す。
「ラウール、もう何着目?」
「分かんない。」
「分かんないくらい選ぶなよ。」
それでもラウールは楽しそうに店内を歩き回る。
「だって三人とも、着せたら全部似合うんだもん。」
「これ楽しい。」
「俺、今日ずっといられる。」
「俺たちは無理。」
三人の声が重なる。
けれど、誰も本気で嫌がってはいなかった。
普段なら自分では選ばない服。
鏡に映る、少し新しい自分。
それを見て楽しそうに笑うラウール。
気付けば三人も、次は何を着せられるのか少し楽しみになっていた。
「じゃあ次の店行こう!」
「まだ行くの!?」
モール中に、四人の笑い声が響いた。
コメント
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みらさん、第6話読了しました〜🤍 ラウールの「女の子独り占め」発言、危ないけど楽しい空気に笑っちゃった。三人の系統を分析して、ぴったりな服を選んでいくラウール、本当にすごい。 特にふっかさんのガーリースタイル、照くんの反応を想像してるのが可愛くて…! 結局みんな着せ替え人状態になってるのに、誰も本気で嫌がってないのも、この四人の関係性だなあって思いました。 「新しい自分」を見せてくれる存在って、尊いですね。続きも楽しみにしてます🥀