テラーノベル
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知るが幸せとは限らない
あの子が帰ってこなかった日から
あの人はおかしくなった。
匿っている化身たちの前ではいつも通り。
でも
でも…なんだろう。
……
よく、夜中に一人で出かけるようになった。
どこに行くの?と聞いたら
ちょっと買い物って言って。
一緒行くよって言っても
いいよいいよ大丈夫って。
朝が近くなると買い物袋いっぱいに食べ物とか物とか入れて帰ってくる。
…もう、買い物ができるような場所なんてないのに。
一体何をしているんだろう。
どこからそれを手に入れているんだろう。
私はこっそり後をついていくことにした。
バレないように慎重に。
何もなくなった路地
寝ている街灯
焦げた匂いがときどき風と共に流れてくる
突然、ピタと動きを止めた。
鎌を手に持って、
鋭い痛みと、遅れてやってくる伝う感触
眠った街灯は月光を引き立てていて
それを背にして
…バレちゃった、か。
心臓と、肺を、視線で縫い付けられる。
大人しく私は帰ることにした。
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