「え、なにこれ。」
日本フットボール連合?日本が一体何の用で私に連絡を?
しばらく放置はしたがいつまで経っても鳴り止まない。……仕方ない。
「…はい。ロア・アルトゥリスキーです。」
「君がロアちゃんか。噂は聞いてるよ。僕は絵心甚八。日本をW杯優勝のため雇われた人間だ。ところで君、ブルーロックへカウンセリングとして働かない?」
電話に出るとすぐに男の人が聞こえたかと思えばマシンガントーク。こりゃ一回で全部の情報聞き取れないな。…でも唯一強烈に聞こえた単語、
「ブルーロックでカウンセリング…?」
「ああ。300人のストライカーの中から世界一のストライカーを決める。そう言う施設だ。お前には選手共のカウンセリングをしてもらいたい。」
「成程。引き受けても良いんですが…どうして私に?」
300人と言う人数にびっくりしたがそれよりも何故私なのか。
私はまだ17歳。大人というには少し早すぎる年齢だ。そして心理学者として活動していくにしてもまだまだ未熟者。現に一番長い冴の心理さえよくわかっていない。なのに何故?
「…お前を選んだことに他意はない。ただお前のエゴが必要、と思っただけだ。…さて、期限は世界一のストライカーが誕生するまで。これはお前にとって一番の成長になると約束しよう。」
「…分かりました。その依頼、受けましょう。」
成長の場、ね。随分と大口を叩くモンだ。それに世界一のストライカー?…面白いに決まっている…!
「前向きな返事をもらえて助かるよ。あ、今日本にいないでしょ?3日後にはこっちに来れる?」
「まあ大丈夫です。こちらの大きい試合も終わりましたし。…3日後ですね。では。」
3日か。随分せっかちだな。
まあここの監督なら日本へいくことを二つ返事で了承してくれるだろう。ここの監督日本LOVEだし。
「随分長かったな。」
「あ、冴。そうそう、日本フットボール連合から電話があって、ブルーロックとかいうところでカウンセリング頼まれたんだ。」
「……は?」
「?3日後にはここを発つよ。今までお世話になりました!!」
…あれ。冴、固まって動かなくなっちゃた。何故?
「…ッチ、ロアは俺がいなくても良いのかよ。俺にはロアが…クソッ、なんで俺から離れる?俺にはなにが足りない?世界一じゃないからか?なあ、ロア。」
「ん?冴と離れるのは寂しいよ。でも私はブルーロックで世界一のストライカーが誕生するところを見たい。それが私の私欲。私は私の為だけに動く。…ていうか冴もパスポート切れるでしょ。一緒に日本行こ。」
なんか冴ヘラってる。まあ良いか。
「…そうだな。俺は俺のためにお前を利用する。お前はお前のために俺を利用する。元々そう言う契約だ。…………準備してくる。」
「ん。私も準備しよ。」
久しぶりの日本だ。
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