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〇〇「……今日は、殺鬼か」
ドアを開けた瞬間。
部室の中には、大きな声と笑顔が弾けていた。
殺鬼「〇〇!! おそいぞーーっ!」
〇〇「……わっ!」
勢いよく飛びつかれ、思わずよろめく。
鬼の子供みたいな彼女は、笑顔で腕にしがみついてきた。
殺鬼「今日は妾と遊ぶんじゃ! 心理実験じゃなくて遊びなんじゃ!」
〇〇「いや、それ実験の意味あるのか?」
殺鬼「あるに決まっとる! “楽しい”って心も大事なんじゃぞ!」
〇〇「……なるほど?」
彼女の理屈はよくわからない。
けど、あっけらかんとした笑顔を見てると、否定する気になれなかった。
⸻
殺鬼はとにかく元気で、次から次へと遊びを提案してくる。
殺鬼「ジェスチャーゲームするぞ!」
〇〇「部室で??」
殺鬼「するんじゃ!!」
(※結果 → 机とイスを使った謎のアクロバットで先生に怒られかけた)
殺鬼「次はしりとりじゃ!」
〇〇「……子供か」
殺鬼「妾、負けんぞ! “りんご”!」
〇〇「……ごりら」
殺鬼「ら、ら、ら……らっこ!!」
(※結果 → 本気で悔しがって机をバンバン叩く)
⸻
そんなふうに時間は過ぎていく。
不思議なことに、殺鬼といると部室全体が明るくなる気がした。
彼女の笑い声は、まるで子供の遊び場のように無邪気で、心を軽くしてくれる。
〇〇(……なんだろう。先輩の俺が、逆に守られてるみたいだ)
⸻
夕方。
そろそろ実験時間も終わりに近づく。
殺鬼「……〇〇。今日は楽しかったな!」
〇〇「ああ。……なんか、久しぶりに笑った気がする」
殺鬼「そっか! じゃあ、明日も笑え!」
〇〇「お、おう!」