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「 悪夢 」
りょもき
大森side
「 は、は、ッ … ふ、 ぅ … 」
汗ばんだ体と共に起き上がり、時計を見ると朝の4時半。
涼ちゃんが僕のことを置いて行く夢。置いてなんて行かないと分かっているけど、こんな我儘で自分勝手な僕にずーっと着いてきてくれる訳もない。
「 涼ちゃ 、 ぅ、 “ッ … 」
涼ちゃんとは寝室が離れていて、安心したいから涼ちゃんの寝室へ向かいたいが、絶対迷惑だ。
「 う 、ぅ 、”ッ … 涼ちゃ、ッ … んん “ 」
今日は朝の七時からレコーディング。休みだったら思い切り甘えれるのになぁ。
レコーディング中、涼ちゃんに会えないじゃんか…
そのまま寝ても悪夢を見る気がしたから、スマホを見て涼ちゃんが起きてくるのを待っていた。
でも、スマホを見ていても涼ちゃんが僕のことを置いていくさっきの悪夢がフラッシュバックして、視界がぼやける。
「 ん … ふ、 “ッ … ぅ 」
涼ちゃん、早く起きてね。
「 元貴 ~ ッ 、おはよ ! 」
「 涼ちゃ 、 涼ちゃん ッ … 」
陽気な声で僕の部屋に来てくれた涼ちゃんを見て、涼ちゃんと名前を呼ぶ。
泣きながら涼ちゃんと名前を呼ぶから、困惑した様子で僕のベットに座り、両手を広げてくれる。
「 んん 、ひく ッ … ずびっ 」
「 ちょちょ、元貴 ?笑 どーしたの … 」
「 涼ちゃ 、が …ッ 」
「 僕が ? いいよ 、ゆっくりで … 」
抱きしめて頭を撫でてくれる涼ちゃんの手に擦り寄ると、愛おしそうに此方を見つめてきては優しい言葉をかけてくれる。
「 僕のこと 、置いてく 夢 、ッ 見た 、
ん 、ぐ … ふ、 ぅ” 」
「 置いていかないよ 、大丈夫。
これだけは覚えておいて、
僕は元貴のこと愛してるの。離れるつもりなんて無いって事 、ね、笑 」
「 … ぅ”ん 、ッ … 愛してる … 」
「 んふふ 、僕も 」
今の時刻はもう6時半。準備しなきゃ、と二人で急ぐ。
「 おはよーございます ! 」
「 おはよ、涼ちゃん 」
「 涼ちゃん 、涼ちゃん 」
「 なーに元貴 、笑 」
やっぱりあんな夢を見たあとは寂しくて、袖をクイクイと持っていると、んふふ、と笑っては小声で
「 寂しいなら手繋いでていいよ 、 」
と言ってくれた。
涼ちゃんの優しさに甘えて、僕は涼ちゃんの手を握ると、優しく握り返してくれた。
いや…藤澤さんイケメン…
コメント
1件
うん…うん… やっぱ天才だね、