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明日は九州で同期の送別会。坂本事務所から独立し、唐澤洋からの自立を目指す当職は自分で交通費を出す。当職は節約も兼ねて青春18きっぷを利用して行くことにした。

ローカル線の利用は初めてだったので乗り換えのホームがわからず大失敗。無人駅で一夜を明かすことになってしまった。

ホームを吹き抜ける潮風にSFC時代を思い出す。「自分は弁護士だ、鉄道オタクとは違う」とそう思いこみ、嫌な気分をかき消した。

当職が横たわるベンチはプラスチック製の3人掛けだ。特急ワープを使わなかったのは失敗だった。硬い座面に背中が痛む。

明日の始発までさっさと寝ようと思ったがどこからか聞こえる犬の遠吠えに緊張して寝られなかった。

そこで当職は小腹を満たすために電車に乗る前に買った駅弁を食べることにした。

ガサゴソとビニール袋から駅弁を取り出そうとしたが、見当たらない。そうだ。既に昼間の電車内で食べてしまったのだった。

一緒に買っておいた2Lのコーラのペットボトルもとうに空。

しかもあの時、腹を満たしてしばらくして当職に襲いかかった凄まじい便意とかつてない尿意のせいでスーツのズボンと下着はドロドロのままだ。

昼間の出来事を思い出したのも束の間、当職に凄まじい後悔とかつてない惨めさが降りかかった。

「もぉダメェ…我慢できないナリ…帰りたいナリィィィィィ…」

齢三十四にもなる男の泣き言が無人駅のホームにこだました。

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