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えのきのこ
67
そのまま屯所へと帰っていく途中、誰かが大声をあげた。
「攘夷浪士だ!!逃げろォォ!!!!」
一瞬静かになり、すぐにあたりは悲鳴だらけになった。
皆が一斉に逃げ惑い始めたため、
「…うわっ、」
ドンッと誰かに勢いよくぶつかり、彼女は体勢を崩してしまった。
こける寸前で土方が彼女の頭に手を回し、自分の胸板へと埋めた。
「チッ、完全に混乱してやがる…おい、大丈夫か」
お陰で間一髪を逃れることが出来た。
彼女がちょこりと顔をあげる。
「はい、ありがとうございます」
沖田が少し眉をひそめた。
………なんだか、面白くない。
何か皮肉を言おうと口を開いたと同時に土方が言った。
「俺達は真選組だ、……行くぞ」
土方が早足で進み始め、彼女も追いかけて早足になる。
沖田は少しモヤッとしながらも二人についていった。
現場に着くと、思った以上の数の多さだった。ざっと40人ほどはいる。
全員刃物や鈍器を持っており、いかにも物騒な感じである。
少し時間がかかりそうだ、と沖田が鞘に手をかけた、その瞬間。
____ブシャッ、
「……は、」
一斉に攘夷浪士達が血潮をぶちまけて倒れた。
沖田は思考がうまく回らなかった。
今、何が起きた。
沖田が目を見張っていると、隣でカチンッ、と静かな金属音が鳴り響いた。
「よし、帰りましょう」
彼女が刀をおさめた音だった。
今度は思考が完全に止まった。
彼女を凝視しフリーズしている沖田に、土方が言った。
「総悟、お前、コイツが何で真選組に入れたか分かるか」
沖田の視線が土方へと移った。
「誤解しているようだが、コイツが足手まといになるようなことはねェ」
「分かったろ、強いからだ」
沖田は口をはくはくと金魚のように開いた。
違う、あれは強いなんてレベルじゃねェ。
いつ刀を抜いたのかさえわからなかった。
こんなことは、本当に初めてだった。
しかし、何故彼女の強さを土方が知っている?
ふと思いついた疑問が、沖田の意識を急に鮮明にさせた。
「早く帰りましょ、おなかが空きました」
「団子食べたばっかだろお前」
呆然としている沖田を放って彼らが話を始めている。
沖田はとりあえず土方にバズーカをぶっぱなった。
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