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―――
あの後タクシーは無事に勇斗のマンション前に着き、さっと離された手になんとも言えない複雑な気持ちになりながら車を降りた。
…そして今、望んでいた暖かい部屋にいる。
だけど、俺の気持ちだけがまた朝のようにざわついていた。
「あったかいの飲むー?」
「あっ、うん」
「はーい」
勇斗はやっぱりいつも通り。
キッチンでガチャガチャと飲み物の用意をしてくれている。
手馴れていないその様子が少し笑える。
騒がしいやつだな…。
「ミルクとお茶どっちー?」
「…ミルクで」
「ふふ」
「なに」
「かーわいいね」
「なんでだよ」
「迷わずミルクなのが可愛いなって」
「いいだろ別に。聞くなよじゃあ」
「お砂糖は入れますかー?」
「…要らない」
「…じゃあちょっとだけ入れとくね?」
「…」
俺の強がりを見透かされてるみたいでムカつく…。
「はい」
「ありがと」
「あったかいうちに飲も」
「お前もミルク?」
「うん、そう」
「じゃあお前も可愛いんじゃん」
「えっそこまだこだわってんの?」
「…もういい」
「こういうのが嫌われちゃうんだろうなあ」
「…別に嫌いじゃない」
二人で並んで温かいミルクを飲む。
少し甘くて、ホッとする味。
「…」
ピッタリとくっつくような距離。
やっぱ近いよな…
すこーし離れる。
さりげなく、離れる。
「あ」
「え?」
「…またそうやって」
「え…」
拗ねた顔。わざと作ったようなふくれっ面。
可愛くねーよ。
「…だる」
「ひどっ」
「…距離近いんだって、お前」
「…なんで、急にそう思ったの?」
「え?」
「いつもこんなもんだよ?なのになんで今日急にそう思ったの?」
「…」
問いかける目がちょっと真剣で。
思わず目を逸らした。
「寂しいんだけど」
「…」
「ねえ」
「…も、ともと近いなと思ってたんだよ」
「…そうなの?」
「ああ」
「…じゃあ今までずっと嫌だったって事?」
「…嫌とかじゃ、ないけど」
「…じゃあさ」
「…」
「朝のあれって、なんで?」
「あれって…」
「俺にめっちゃビックリしてたやつ」
「…たまたまだって」
「舜太には違ったのに?」
「…君もこだわるね」
「こだわるよ?だってなんか嫌だもん」
「なにが」
「俺だけ…仁ちゃんに避けられてるみたいで」
勇斗の顔を見た。
本当に悲しそう。
違う。そうじゃない。
どうしたらいいかわからない。
「…あのさ」
「なに?」
「………勇斗って力強い?」
「え?」
「……本気出したら……俺の事、押さえつけられると…思う?」
「…どういう意味?」
「…別に意味は無いよ」
「………えー……」
「…」
「……うーん……まあ……思う…かも?」
「…やっぱり」
「やっぱり?やっぱりってなに?」
「あ…」
「えっ、押さえつけるって、暴力的な意味?」
「いや…」
「しないよ?え?そんなことする訳ないじゃん」
「それはわかってる、よ」
「……俺に押さえつけられると思ったの?」
「…思った訳じゃない」
「…んー?」
怪訝そうな顔。
そりゃそうだ。
自分でも言ってて意味わかんないだろうなと思う。
「………なんか…お前大きいから…そういう事になったら……敵わない気がして」
「…ならなくない?」
「なったとして」
「かっこ仮、みたいな?」
「そう」
「……えー…そんなありもしない事想像してどうすんの?」
「…想像してない」
「してるじゃん」
「……夢見たんだ」
「…夢?」
「…誰かに押さえ付けられて…動けなくて…」
「…」
「…そしたら…よく見たら…お前だった」
「…え」
「勇斗が…俺の事押さえ付けてた…見下ろしてた」
「……なにそのバイオレンスな夢…俺だし」
「…うん」
「…それで怖くなっちゃったの?」
「…怖くは…ないけど」
「…けど?」
「…そこから想像して…止まんなくて」
「…」
「…今朝も…なんか身体が勝手に…反応して」
「…」
「…だから…別にお前は悪くないし…勇斗の事が怖い訳じゃない」
つい、話してしまった…。
「……ほんとに怖いかやってみる?」
「…え?」
「俺が押さえ付けてみて、仁人がほんとに動けなくなるかやってみる?」
「…それ…は」
「やっぱりこわいの?」
「…怖くねえし」
「じゃあ、やってみよ」
ロックオン、ってこういう目の事を言うのかも…。
「…わかった」
「うん」
「…ど、どうしたらいい?」
ふわっと両手を上げて勇斗を見る。
「…それじゃあ、やるけど」
「う…うん」
「本気で抵抗してね?じゃないと意味ないから。あと、まじで怖いとかなったらストップって言ってよ?」
「…うん、わ、わかった」
ゆっくりと勇斗が近付く。
…上げた手首を握られた。
次の瞬間、もう俺はソファに組み敷かれていた。
「…は」
「…」
俺を見下ろす勇斗の顔が、夢と重なる。
でも、その表情は真剣だ。
「ほら、抵抗して」
「…う、」
言われてやっと、ぐっと起き上がろうとする。
「…」
「んっ、」
腕を上げようとしても、全然、ビクともしない。
足の上に乗られているせいで、下半身も動けない。
動くのは…頭だけ。
「うわっ」
「…」
思いっきり頭を振り上げると勇斗がそれを避けた。
「あっ…ぶねー」
「…」
…万策尽きた?
「…抵抗してよ」
「ん、んんん…っ」
余裕の表情に少しイラついて体中の力を振り絞って抵抗するけど、全然動けない。
「…ふ」
「…っ」
笑ってる。
笑ってるけど…目が笑ってない。
俺を見下ろす勇斗の顔が、夢と一致した。
「…っ」
思わず顔を横に逸らした。
「……仁ちゃん」
「……なに」
「…なんか…俺変な気分になってきちゃったんだけど」
「…え?」
「………ていうかさ」
「…?」
「当たってる」
「へ…」
「下、当たってるよ」
「……っ」
バッと自分の下半身を見ると勇斗の開いた太ももを突き上げてるソコが目に入って、全身が総毛立つ。
「あっ…や、やだ」
「…」
「やだっ、んっ」
バタバタと抵抗する。
意味ないってわかってても止められない。
逃げたい、逃げたい…
でも逃げられない。
「…仁人、」
「あっ、やだぁ」
「ストップ、でしょ?」
「…あ」
見下ろす顔がいつもと違う。
興奮したような、それを抑えるみたいな表情。
ゾクゾクと下半身から上がってくる言いようのない感覚に、身体の力が抜けていく。
「…ん…や、だ」
「…ほんとに?」
「あ…や、」
「ほんとに、いや?」
「…んん」
優しく責めるような声にすら、反応してしまう。
「仁人」
「あっ、んん」
「…こうなっちゃうのが…嫌だったんだ」
「…ん」
静かに言った勇斗。
顔が見れない。抵抗も出来ない。
「…これ…どうすんの?」
「あっ、」
「俺も…どうしよう」
「…はっ、」
ゴリッと硬いものを擦り付けられた。
勇斗も…同じ…?
「あっあっ…やっ、」
「…嫌?」
「あうっ、や、ん」
「あ…」
ゴリゴリと勇斗の立ち上がったモノを硬くなった俺のモノに擦り付けられて…声が漏れる。
やばい…やばいやばい……。
「あっ、ダ、メっ…」
「…ほんとに?」
「んんっ、あっ…」
「はっ…」
いつの間にか手首から外された勇斗の手がソコに触れた。
お互いのモノを擦り合うように手が添えられる。
「あっあっあっ」
「…ん」
「やっ、ん、んぅ」
「…仁ちゃん、」
「あっ、は、やとッ、」
「ん…」
「あっ、それ、やぁッ…」
「…気持ちい」
「あんっ…」
「はっ…声やば」
まるで蔑むように、嘲笑された。
ゾクゾクが止まらない。
「あんっ、あん、んんんッ」
「は、やば、これ、」
「あんんっ…イッ…!」
「…イく?」
「い、いくッ、イくイく…ッ!」
「…っ」
ゴリゴリと擦り付けながら勇斗の手が俺の先端を服越しにぎゅうっと握った。
「んあッ、ぁぁイくぅッ!」
「ん…」
もうとっくに離された上半身が自由に仰け反る。
ズボンの中で達したから、じんわりと生ぬるい。
ビクビクと身体を震わせる。
「はっ…はっ、はあ…はぁ…」
「…っ」
欲を吐き出したあとに来たのは…賢者でもなく罪悪感でもなく……充足感だった。
まだ少しとろんとした意識の中で勇斗を見る。
「…はぁ、は」
「……勇斗も…イったの?」
「…うん」
「…そっ、か」
さっきまでの余裕な表情はそこには無く、荒く息をつきながら呆然としてるように見える。
「……」
「……」
なんだろう。
…キスをする雰囲気でもない。
これ以上をする空気でもない。
ただ欲を吐き出しただけ…それに近かった。
「…ストップ」
「……おそ」
「……、つか気持ちわりぃ」
「…ね」
「…着替え…貸して」
「…うん」
冷えてきたソコがベタベタと張り付くような感覚に不快感を感じたのはお互い同じのようだ。
「…風呂行っていい?」
「俺も行く」
「え、」
「気持ちわりぃもん」
「…まーそうか」
普段なら有り得ないけど、二人分の広さはあるはずだ。
なんの問題も…ない。
脱衣所に行った俺たちはテキパキと服を脱いでいく。
勇斗もこちらを気にする様子はなく淡々と服を脱いでる。
「うわ…」
「…俺も」
下半身の服を脱ぎ去るとベッタリとソコについた液体に顔が引き攣る。
お互い自分の出したモノでベタベタになってる。
シャワーを出して、熱さを調節する勇斗を立ったまま見ていた。
特に感慨はない。
さっきまでの熱が嘘だったみたく、単なる処理だったかのように思える。
「はい」
「え?」
「先どうぞ」
「…ありがと」
俺にシャワーを渡した勇斗が黙って見てる。
「……」
お湯でそれを洗い流していく。
ボディソープを手に取って擦り合わせて泡立てる。
「…貸して」
「…うん」
俺が身体を洗う間に勇斗がシャワーで汚れを洗い流す。
ボディタオルは1個しかないから、手で身体を洗う。
はー…。
なんだったんだろ…。
出してしまえばそれはなんてことなくて。
なんかの錯覚だったみたく感じる。
「……」
「…あっ」
淡々と身体を泡で洗っていると、後ろから勇斗の手が伸びてきて、ぬるついた俺の身体を意図を持って触りだした。
「あっ、なに、」
「…触ってみたい」
「んっ…」
「…ぬるぬるだ」
滑る手が、俺の上半身をいやらしく撫で回す。
そう感じる。
「んっんん、」
「…ココも感じるの?」
「ち、がうっ」
「そうかな」
「あっんんん」
ヌルヌルと指が滑り、俺の胸を触り出す。
出しっぱなしのシャワーの音が響いて、オレの甘い声をかき消してくれるみたいだ。
「…仁人」
「あんっ」
「…可愛い」
「んっんっ、」
グニグニと乳首を執拗に弄られて、声が漏れる。
そのうち、お腹を滑り降りた手が立ち上がりかけてるソコに辿り着いた。
「ああんっ」
「声やば…」
「やっ、やあ、」
「…気持ちい?」
「あっあっあっ」
「…答えて」
「あんっ、き、きもち、ぃ」
「…可愛い」
勇斗の声が耳に届いた瞬間、従わざるを得ない気持ちになる。
どうして…?
「あっあっ、やっ、」
「…さっきからいやって言うけど…めっちゃ硬いよ?」
「んん〜…ッ」
「あは、嬉しそう」
「ひっ、いっ、」
ヌチュヌチュと前を扱かれて、またイッてしまいそうになる。
勇斗の声が…言葉が…気持ちいい…。
「あっ…!」
胸から離れた手が、俺の尻を掴んだ。
掴んだ、というより…ぬるぬると滑って揉まれているようだ。
「あっあっ、」
「…経験、あるの」
「あっ、な、にが…っ」
「こっち」
そのまま尻を揉まれ続けて、前も扱かれて、気持ちよくて立っていられなくなる…。