テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
るこら。
1,289
はのん
100
39,012
神視点
二人が出会ってから数日後の夜10時。
仕事から帰ってきたらんが、すちの作った美味しい夕飯を食べ終え、ソファで一息ついている。
すちは嬉しそうに食器を片付け、温かいお茶をらんの前に置いて隣に腰掛けた。
🍵「はい、らん…、?熱いお茶だよ。今日もお仕事お疲れ様ね」
🌸「おー、ありがと。……ふぅ、生き返るわ。マジですちのご飯食べないと、一日の疲れが取れなくなってきた」
🍵「えへへ、そう言ってもらえるのが、俺いっちばん嬉しいなぁ。今日の生姜焼き、味付け大丈夫だった?」
🌸「完璧。っていうか、隠し味に何か入れたろ。肉がめちゃくちゃ柔らかかったんだけど」
🍵「あ、気付いた? すりおろしたリンゴと、ほんの少しだけハチミツを入れてタレに漬け込んでおいたんだぁ。その方が、らんが遅く帰ってきても、お肉が固くならないかなって思って」
🌸「…お前、本当に至れり尽くせりだな。胃袋掴まれるってこういうことか…。俺、すちが来るまで毎日コンビニの冷たい弁当だったからさ。家に入った瞬間に電気がついてて、温かい飯があるの、実はちょっと感動してる」
🍵「んふふ、俺もね、らんが、おいしいって食べてくれるのを見てる時が、いっちばん安心するの。何も思い出せなくて、自分が誰だか分からなくて、怖かったけど…」
🍵「らんが俺に『すち』って名前をくれたから。今めっちゃ楽しい。嬉しい。ありがとね、らん」
🌸「…、ははっw大袈裟だな。俺はただ、カバンに入ってたカードを読んだだけだって」
🍵「ううん、それでも嬉しいよ。…あ、そうだ。らん、ちょっと背中貸して」
🌸「ん、 なに?」
🍵「毎日パソコン仕事で、肩ガチガチでしょ? マッサージしてあげるよぉ」
🌸「え、普通に嬉しい、じゃあお言葉に甘えて…」
🍵「どぉ~?いい感じ?」
🌸「めっっちゃいい……。…うわ、そこ、めっちゃ凝ってるとこ__」
すちが指を置いた瞬間、らんの言葉が止まる。
すちの手の力加減、ツボを押さえる位置が、驚くほど正確で的確すぎるのだ。
ただ気持ちいいだけでなく、筋肉の構造を完全に理解しているような、無駄のない指の動き。
🌸「お前…、マッサージまでプロ級なのかよ…。」
🌸「……なんか、絶妙にピンポイントで凝ってるとこ突いてくるな」
🍵「ん~、? 力を入れなくても、どこを押せば一番効くか、なんか指の感覚で分かっちゃうんだよねぇ。ここをこうやって、少し捻るように押すと…、ほら、楽になるでしょ?」
🌸「…おぉ…。確かに、めっちゃ軽くなったわ…ありがと」
🍵「んへ…よかったぁ。俺、らんの役に立てることなら、何でもしたいからさ」
週末の夕方。
BGMが小さく流れるスーパーの野菜売り場。
らんはカートを押し、すちはその隣で真剣な顔をしてキャベツを品定めしている。
🍵「ん~…らん、こっちのキャベツの方がずっしり重くて、葉っぱが青々としてるから美味しいよぉ」
🌸「へぇ~…!俺、キャベツなんてどれも同じだと思ってたわ。すちと買い物来るようになってから、野菜の選び方とか勉強になる」
🍵「えへへ、お野菜はね、ちゃんと見てあげると美味しいのを教えてくれるんだよぉ……あ、らん! 見て見て、あっちの特設コーナー、今日はすき焼き用のお肉がタイムセールだって!」
🌸「マジ!? うわ、本当だ、国産牛が半額じゃん! ん~…でも、すき焼きかぁ。ちょっと予算オーバーかな…」
するとすちは、らんの袖を引っ張り、潤んだ目で上目遣いになりながら、
🍵「…らん、すき焼き、だめぇ…、? 俺、らんに、お豆腐とネギに味がしみしみになった美味しいすき焼き、食べさせてあげたいなぁ…」
🌸「くっ”…!!…わ、わぁかったよ… 半額だしな! 今日は贅沢してすき焼きにしよ!!」
🍵「やったぁ〜! らん大好きぃ!! じゃあ俺がめぇっちゃ美味しいタレ作っちゃお~!!あ、ネギも買わなきゃ!」
嬉しそうにお肉とネギを取りに行くすち。
らんはそれを見送りながら、ふっと口元を緩める
🌸(……なんか、すちが来てから、買い物がこんなに楽しくなるとは思わなかったな。前は一人で惣菜コーナーを死んだ目で往復してたのに)
すちが両手にネギとお肉を抱えて、ほわほわした笑顔で戻ってくる。
🍵「らん、お待たせ! 良いお肉ゲットできたよぉ!…あ、そうだ。明日の朝ごはん用の食パンも買わなきゃ」
🍵「ん~と、それと…らんが毎日会社に持っていけるように、小さめのマイボトルに入る麦茶のパックも買っておくね。毎日ペットボトル買うの、もったいないでしょ?」
🌸「え、そこまで気遣ってくれんの? マジで主婦じゃん…。なんかもう、頭上がんねぇわ」
🍵「んふふ~、…あ、見て、あそこのお惣菜コーナーのコロッケも美味しそう…」
🌸「こら、今日はすき焼きだろ。買いすぎ」
🍵「あ、そっかぁ。じゃあコロッケはまた今度ねぇ…」
名残惜しそうにコロッケの前を通り過ぎていくすちの隣でらんは微笑んだ。
コメント
1件
みぅです🥀読んだよ。 第4話、めちゃくちゃあったかい日常が広がってて、読んでるこっちまでほっこりした……🍵🤍 すちの「らんの役に立てることなら何でもしたい」って気持ち、ひとつひとつの行動に詰まっててすごく伝わってきた。すりおろしリンゴで肉柔らかくするとか、肩のツボ正確に押せるとか、キャベツの選び方とか——それだけじゃなくて「その人がどうやったら楽できるか」まで考えられてるのがもう尊い。 それに、らんの「前は一人で惣菜コーナーを死んだ目で往復してた」→今はすちと楽しく買い物できてるって変化、すごくじんわりくる。人の日常って、誰かがそばにいるだけでこんなに変わるんだなって思った。 名前をもらったことで「今めっちゃ楽しい」って言えるすち、それにちゃんと応えるらん、二人の距離感がすごく自然で好きです🌙