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第3章:新しい顔、新しい決意
チヒロの厳しい特訓を乗り越え、3人は見事に警察官採用試験に合格した。しかし、本物の警察官として潜入するためには、最後の、そして一番大きな試練が残っていた。
自分たちの「顔」を捨てることだ。
指名手配から逃れ、警察の目をあざむくためには、まったくの別人に生まれ変わるしかなかった。チヒロが見つけてきた秘密の病院で、3人は並んで手術台に上がる。
「……トウマ、チヒロ。この手術が終わったら、もう前の僕たちには戻れないね」
モミジが少し震える声で言うと、トウマがそっとモミジの手を握りしめた。
「顔が変わったって、俺たちの心は何も変わらないさ。ダイチを取り戻して、4人でまた笑う。そのために、俺たちはこの仮面をかぶるんだ」
チヒロも静かにうなずき、モミジに微笑みかけた。
麻酔が効いていくなか、モミジは心の中で、離れ離れになったダイチの顔を思い浮かべていた。
数週間後、ついに顔の包帯が外される日がやってきた。
鏡の前に立ったモミジは、そこに映る「見知らぬ男」の顔をじっと見つめる。かつての臆病そうで自信のなさそうな少年の面影は、どこにもなかった。トウマもチヒロも、すっかり大人びた、凛々しい別人の顔になっている。
「いっしょう、ともだち」
モミジが新しい声で、4人の合言葉を小さくつぶやいた。トウマとチヒロも、力強くうなずく。
3人は真新しい警察官の制服に身を包み、覚悟を決めて、すべての事件が集まる「捜査一課」の重い扉を押し開けた。
第4章:最初の事件と、かすかな記憶
「捜査一課にようこそ。さっそく新人のお前たちにも動いてもらうぞ」
ベテラン刑事の声とともに、ホワイトボードに1枚の現場写真が貼りだされた。3人は一瞬、息をのんだ。
それは、ある企業のオフィスから、特殊な暗号データが盗み出された事件だった。現場に残された犯行のやり口(手口)は、パソコンに仕掛けられた奇妙なウイルスプログラムや、監視カメラをすり抜けるルートなど、どれも普通ではないものばかりだった。
他の刑事たちが「プロの仕業だな」と話し合うなか、モミジ、トウマ、チヒロの3人は、お互いに顔を見合わせた。
(……間違いない。これ、僕たちがやったのと同じだ)
3人の頭の中に、霧がかかったような、あいまいで断片的な記憶がよみがえる。自分たちが高校生のときに犯してしまった、あの「名前も思い出せない犯罪」の夜の手口と、まったく同じだった。
「どうした、新入り。顔色が悪いぞ」
先輩刑事に声をかけられ、モミジは慌てて「なんでもありません!」とハキハキとした警察官の声を演じた。しかし、背中には冷たい汗が流れていた。
自分たちが犯したはずの事件を、なぜいま、別の誰かが同じやり方で起こしているのか。
チヒロがノートの隅に、こっそり「指示役の影」と書き込む。トウマはモミジの肩にそっと手を置き、「落ち着け」と目配せをした。
「この事件、僕たちに詳しく調べさせてください」
モミジは勇気を振り絞り、一歩前に踏み出した。自分たちの過去に繋がる、最初の捜査が始まった。
コメント
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第2話、読ませていただきました! 顔を捨ててまで潜入捜査に臨む決意、すごく胸に響きました。モミジが震える声で「もう前の僕たちには戻れない」と言うシーン、トウマが手を握って心は変わらないと励ますところ、チヒロの静かなうなずき……3人の絆がひしひしと伝わってきました。 そして第4章、新たな事件が自分たちの過去の手口とそっくり同じで驚きましたね。「指示役の影」というチヒロの書き込みが不気味で、続きがすごく気になります!