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キャグ風味あり
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立ち上がり、おれは床に敷きっぱなしの万年床へと向かう。そこから掛け布団を引っ張り上げ、抱え込んだ。寝ている葛葉を起こさないよう、そっと前から掛けてやる。
身じろいだ葛葉が、布団の中にくるまった。
そんな葛葉を見ていたら、いつの間にか、自分の口角が上がっていることに気がついた。
ああ、おれってもしかして。
葛葉のこと、めちゃくちゃ好きなのかもしれないなぁ。
——やれやれ。
一時間って言ってたよな。
仕方がないから、葛葉が起きるのを待つこととしよう。
おれはポータブルのゲーム機を立ち上げた。
音量は、ミュートにして。
・
・
・
ヤバい。
なんだ、これ。
「っ、は、…はぁ、……はッ」
さっきまではなんともなかったのに。
発熱したみたいに、体が熱い。
脈拍もおかしい。
心臓がどくどくと音を立てながら、脈打つスピードが上がっていく。
なんだこれ!?
ヤバい!
ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい!!
「——はぁッ、ハァ、っ、はあ…っ」
ソファの上を見れば、葛葉は横たわって、まだスヤスヤと気持ちよさそうに眠っている。
どうしよう。
ヤバいし、マズい。
腹の奥がキュンキュン切なくうずきはじめ、葛葉のものを挿れて欲しくてたまらなかった。
これは絶対、さっき飲んだ媚薬のせいだ。
パチモンなんかじゃなかった。
アレは、本物だったのだ!
「うぅっ、っはぁ、あ……」
葛葉を叩き起こそうか?
いや。
こんな状態の自分を見られるのは屈辱である。
おれはあくまでも、葛葉の方から、求められたかったのだ。その為に買った媚薬だったのに。
こんなはずじゃなかった!
おれの方から葛葉を求めるだなんて……
絶対にイヤだ!
とはいえ。
早くこの熱を発散させないと頭がおかしくなりそうだ。
そういえば…と思い出し、おれは媚薬の入っていた段ボール箱をゴミ山の中から引っ張りだした。その中には、縦に長い箱がひとつ。セール期間中で安くなっていて、送料無料になるからと媚薬と一緒にポチったものだ。
動悸でいよいよ震え出した指先で箱を開け、中身を取り出す。出て来たのは、大人のおもちゃ。アナル用のバイブである。
深夜のテンションとは、かくも恐ろしい。自慰に使いたかった訳ではないが、魔がさしたのだ。まさかこのおれが、こんなものを手にする日が来ようとは。
握りしめたアナルバイブは、リアルな男性器とは違った形状をしていた。球体が連結して、棒状の形を成している。
パープル色のスケルトンで、かわいらしさすら感じさせるフォルムである。パッと見、ちいさな女の子が憧れる、ファンシーな魔法のステッキに見えなくもない。
まぁ実際のところ、煩悩にまみれた大人のおもちゃであるのだけれど。
おれは布団の上、下着ごと下履きを脱ぎ去り、ローションとバイブを手に持った。
葛葉のものと比べれば、サイズはだいぶ小ぶりである。太さだけなら葛葉の指、二本分くらいだろうか。しかし、奥まで届くような設計なのか、やけに長い。ぷにゅぷにゅとしたシリコンのやわらかい素材ではあるが、無機物の機械である。ひんやりとした冷たさを帯びている。
こ、これをおれのお尻に突っ込むのか??
葛葉のものしか挿れたことがないソコに、自らの手で??
「無理だ!!」
怖い! 怖い! 怖い!
ぐるぐると腹の中の熱は全身に広がって、焦りは増すばかりだ。しかしそれでも、怖いものは怖い。
葛葉はいつもやさしくおれを抱く。葛葉のもの以外を自分で自分に突っ込むなんて……おれにはできそうもなかった。
けれど、息は上がっていくばかりだ。この猛りを早く、どうにかしたい……。
「ど、どうしよう……」
「ローレン、何してんの?」
「——うわあっ!?!?」
背後から突然、葛葉の声。
振り返れば、葛葉がおれの背にぴったりと張りついていた。葛葉の視線が、おれの手元へと向けられる。
右手にはバイブ、左手にはローション、おまけに下半身は丸出しの格好である。
最悪だ!
恥ずかしさで、唇があわあわと震え出す。
葛葉がまばたきをして、ゆっくりとおれの瞳と視線を合わせてくる。
葛葉の羞恥が、限界突破した。
「〜〜ッ! お、お前が! おれのこと、ほったらかしにするからッ!」
恥ずかしさが限界値を越えると、人の感情は怒りに振れることがままある。おれの場合、それが顕著である。舌がもつれそうになりながら、とにかくわめいた。
「だ、だから…ッ! お、おれは、今からコレで……っ! ——あ!」
葛葉の眼前にバイブを振りかざせば、奪い去られてしまった。
「ふうん」
検分するみたいに、葛葉が手に持ったバイブをまじまじと眺めている。
「お、コレ動くんだ」
電源のスイッチを押したのだろう。
ブブブ…と機械音を響かせながら、葛葉の手の中でパープル色の棒状の部分が振動している。
もう一度カチリとスイッチが押されると、今度は違う動きをし始めた。槍を突くような前後へのスイング。
性器のピストン運動を思わせるその動きに、腹の奥がジンジンと疼いてくる。
こんなものが挿入されたら、どうなってしまうのだろう……。
葛葉は思わず、ゴクリと生唾を飲み込んだ。
「ローレン、欲しそうだな?」
葛葉の声に、ハッと我に返る。
自分の中にこのバイブを突っ込まれたら、なんて。いやらしい想像に完全に意識を持っていかれていた。
これも全部、媚薬のせいだ。思考能力が急激に低下していっている。体もさっきから、思うように動かない。
気がつけば葛葉に肩を押され、布団の上にころんと仰向けに転がされていた。腰の下には枕が差し込まれ、そのまま葛葉が覆いかぶさってきた。
「手伝ったるよ。ほら、足ひらいて」
「なっ!?」
両方の内ももを押さえ付けられ、思いきり開脚させられる。閉じようとしても、体を割り入れた葛葉がそれを許してはくれなかった。
あたためられたローションが秘部に塗りこめられ、躊躇なくバイブの先端が突き立てられる。
「うっ、あ…ッ」
シリコンの素材は曲げられる仕様になっているようで、押し曲げられ、角度をつけながらゆっくりと中へと侵入してくる。
おれの身体の内部構造を葛葉が熟知しているみたいな挿入の仕方で、恥ずかしさを通り越して、めまいすらおぼえる。
「どんな感じ?」
「な、なんか…んっ、い、違和感……?」
「きもちよくは?」
「ん…っ、いや……そ、そこ、まで…は……っ」
あれだけ恐怖を感じていたものが、葛葉の手によってすんなりと中に収まってしまった。
痛みはなく、感じるのは無機質な圧迫感だ。
「……ん、…んぁ、……ぁ」
それでも、さんざん火照らされた内部に求めていた質量が埋め込まれ、無意識に体が歓喜に打ち震える。葛葉がいつもおれの中を行き来するような動きを求めて、勝手に腰が動いてしまう。
「へぇー…」
もぞもぞと腰を動かすおれの太ももを、葛葉ががっしりとつかんだ。
葛葉の声のトーンが、やけに低い。
寝起きだからだろうか?
熱に浮かされ、ぼやけはじめた視界で、なんとか葛葉の姿をとらえてみる。葛葉のまとう空気が、なんだか暗くて重くるしい。ぼんやり見えた表情は感情が抜け落ち、それこそ、無機質的で恐ろしかった。
「スイッチいれんで」
言うやいなや、カチカチッと電源ボタンが押された。挿入されたバイブが、中でピストン運動をはじめる。
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コメント
2件

おっほ。。。。()

めちゃ好きな展開です! 続き楽しみにしてます🥹