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「夕暮れのお化け屋敷」
~置いて行かないで〜
週末の夕暮れ、人気のないお化け屋敷に、fkrとsgiの二人の男が立っていた。
企画会議で決まった、次のイベントで使うお化け屋敷の謎解きゲームの下見である。夕暮れ時のせいか、人気がなく、不気味な雰囲気が漂っている。
fkr『えっと、須貝さん、本当にここであってる?なんか、想像以上に暗くて、その..怖いんだけど…』
sgi『大丈夫だって、fkr。まだ明るい時間だし。それに、今日は下見だけだから。
謎解きの仕掛けとか、ルートの確認がメインだよ。』
fkr『うう…わかってるけど、こういうの本当に苦手なんだよね…。(心臓がバクバクしてる。子供の頃からお化け屋敷とか無理なんだよ…)』
sgi『ほら、入り口に地図がある。まずは全体のルートを確認しよう。今回の謎解きは、このお化け屋敷全体を使うから、結構広いんだ。』
sgiは懐中電灯で地図を照らし、ルートを確認し始めた。
fkrはsgiの背中に隠れるようにして、おずおずとあたりを見回している。人気のないお化け屋敷は、所々古びており、風が吹くたびに不気味な音を立てる。
fkr『(ひっ…!いま、なんか音がしなかった..?)須貝さん、あの…やっぱり、ぼく、ここで待ってるっていうのは…』
sgi『え、でも、fkrの謎解きがないと、このイベントは成立しないんだよ?君のひらめきが必要なんだ。それに、大丈夫だって。俺がついてるから。』
fkr『うう…わかった。でも、絶対、ぼくのそばにいてね….?』
sgi『もちろん。じゃあ、行こうか。最初の謎は、この部屋にあるみたいだ。』
sgiはそう言うと、お化け屋敷の奥へと進んでいく。
fkrはsgiの服の袖を少しずつ握りしめ、少しずつを踏み出した。お化け屋敷の中は、外よりもさらに暗く、湿った空気が肌にまとわりつく。
ところどころに蜘蛛の巣が張っており、不気味さを醸し出している。
fkr(ああ、もうだめだ..早く帰りたい..)
sgi『最初の部屋は、どうやらこの部屋みたいだな。fkr、何か気づくことはある?』
sgiは部屋の中を見回しながら、fkrに問いかける。
fkrは部屋の隅で小さく震えながら、小さな声で答えた。
fkr『…string…』
sgi『本当だ。ありがとう、fkr。ちょっと見てみよう。』
sgiは古書にわずかに近づき、わずかに照らした。その瞬間、背後から何かが倒れるような音がした。
fkr『ひゃっ…!』
sgi「大丈夫だよ、fkr。怖かったら、俺の腕に捕まってていいから。無理しなくていいんだよ。」
fkr「え…?いいの?でも、迷惑じゃ…」
sgi『全然。それより、fkrが体調崩したら、それこそ大変だから。遠慮しないで』
fkr(須貝さん…!なんて優しいんだ….。でも、こんなに頼ってばかりで、情けないなぁ…)
fkr『…じゃあ、お言葉に甘えて…少しだけ、捕まらせてください..」
sgi「うん、いいよ。ほら、こっちにおいで。」
sgiはfkrの方へ少し体を寄せた。fkrはおずおずとsgiの腕にしがみつく。sgiの体温が、少しだけfkrの緊張を和らげてくれた。
fkr「(..少し、安心した。須貝さんの腕、温かい..)」
sgi「よし、じゃあ、改めて古書を見てみようか。何か手がかりがないか探さないと。」
fkr『…うん。(須貝さんの腕、やっぱり落ち着く…。でも、集中しないと。謎解き、頑張らないと…)」
fkrはsgiの腕にしがみついたまま、古書に目を凝らした。古書はかなり古く、文字も掠れている部分がある。
それでも、fkrは持ち前の集中力で、文字を追っていく。すると、古書の中に、一際濃い文字で書かれた一文を見つけた。
fkr「あっ…須貝さん、ここ、見てください…!なんか、違う文字で書かれてる…」
sgi「どれどれ….?…本当だ。これは..暗号かな?」
fkr「かも…でも、どういう意味だろう…?
うーん…」
fkrは腕にしがみつきながら、必死に暗号を解読しようとする。
sgiはそんなfkrの様子を、優しく見守っていた。
しかしその時、背後から、また何かが倒れるような音がした。
今度は、さっきよりもずっと大きく、近くで響いた。
fkr「ひゃああああっ…!す、須貝さん…!な、なに…!?」
sgi「大丈夫、fkr! 落ち着いて!…何かが倒れただけだと思うけど…」
sgiはfkrを庇うように、前に出た。
懐中電灯で周囲を照らすが、暗くてよく見えない。
ただ、確かに何かが倒れたような音はした。
そして、その音の直後から、部屋の中に、今までとは違う、重苦しい空気が漂い始めた。
sgi(…なんだ…?この感じ…ただの偶然、だよな…?)
sgiは警戒しながら、ゆっくりとあたりを見回した。その時、ふと、古書の文字が目に留まった。
さっきまでとは、何かが違う。
sgiは、息をのんだ。
sgi「.. fkr、その文字…さっきと、変わってないか…?」
fkr「え…?変わった…?うそ…ぼくには、わから…」
sgi『fkr、ここは一旦出よう。何かおかしい。』
fkr『え….?で、でも、謎解きは…?』
sgi『今はそれどころじゃない。fkrの安全が一番大事だ。』
fkr『(須貝さん…)わかった…。』
sgi『行くぞ、fkr。しっかり捕まってて。』
sgiはfkrの腕を掴み、早足で部屋を出た。背後で何かが軋む音がしたが、振り返る余裕はなかった。
sgi(早く、早くここから出ないと…)
fkr『す、須貝さん…一体何が…?』
sgi『わからない。でも、あの部屋は危険だ。早くお化け屋敷から出よう。』
二人はお化け屋敷の中を走り抜けた。
薄暗い下、不気味な人形、突然鳴り出す仕掛け….どれもがfkrの恐怖心を煽る。
しかし、sgiはfkrを励ましながら、出口を目指した。
sgi『大丈夫だ、fkr!もうすぐ出口だ!』
fkr『はぁ…はあ…す、須貝さん…ぼく、もう…だめかも…』
sgi『しっかりしろ、fkr!ここで諦めるな!俺がいる!』
sgiの声に励まされ、fkrは最後の力を振り絞った。そしてついに、二人はお化け屋敷の出口にたどり着いた。
外はもうすっかり暗くなっていたが、お化け屋敷の中に比べれば、ずっと安全に感じられた。
fkr『はあ…はあ…出られた…やっと…』
sgi『ああ、本当によかった…。fkr、よく頑張ったな。』
sgiはfkrの肩を抱き、優しく労った。fkrはsgiの胸に顔を埋め、安堵の涙を流した。
二人の間には、言葉はいらなかった。ただ、互いの体温を感じているだけで、十分だった。
sgi(…今回の下見は、失敗だったかもしれない。でも、fkrとこうして無事に帰って来られたことが、何よりも大切だな。)
しかし、完全に安心することはできなかった。お化け屋敷の中で感じた、あの重苦しい空気…。
そして、古書の文字の変化.….。それらは、一体何を意味するのだろうか?
sgiは、わずかな不安を胸に抱きながら、fkrと共に、家路を急いだ。
お化け屋敷の背後から、何かが囁く声が聞こえた気がした。