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夜の帰り道。雨が降っていた。
街灯の光が、アスファルトにぼんやり反射している。
「はぁ……」
少年はため息をついた。
名前は 天城ユウキ。
どこにでもいる高校生。
いや――
どこにでもいる落ちこぼれだった。
テストはいつも最下位。
運動もダメ。
クラスでも空気。
「俺の人生……何なんだろ」
夢もない。
目標もない。
ただ毎日をなんとなく生きているだけ。
その時だった。
キキィィィィィィ!!
急ブレーキの音。
振り向いた瞬間――
トラックのライトが、ユウキを飲み込んだ。
「え……」
ドンッ!!
世界が白く弾けた。
そして――
静寂。
気がつくと、
そこは真っ白な空間だった。
「……ここどこ?」
すると目の前に、光の女性が現れた。
「あなたは死にました」
「え?」
あまりに普通に言われた。
「ですが安心してください」
女性は微笑んだ。
「あなたを異世界へ転生させます」
「い、異世界!?」
ユウキは思わず叫んだ。
剣と魔法の世界。
モンスター。
冒険者。
ゲームみたいな世界。
「本当ですか!?」
女性は頷いた。
「あなたには特別な能力を与えます」
空間に光が浮かぶ。
スキル一覧。
だが、その中で一つだけ――
異様なものがあった。
魔剣適性:∞
「……え?」
女性は言った。
「あなたはこの世界で唯一、すべての魔剣を扱える存在です」
「すべて?」
「はい」
彼女は静かに続けた。
「ただし――」
「その力は世界の均衡を崩す力でもあります」
「……」
「あなたの選択が、この世界の未来を決めるでしょう」
ユウキは拳を握った。
落ちこぼれの人生。
何も出来なかった自分。
でも――
もしやり直せるなら。
「俺……やります」
女性は優しく笑った。
「では行きましょう」
光が溢れる。
視界が消える。
そして――
伝説が始まった。