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夜の9時。静かな住宅街を、4人でゆるくジョギング。
涼しくて気持ちのいい夜風。笑い声が、ぽつぽつ響く。
若井「〇〇、速っ!てか元気すぎじゃない?さっきまで甘えた声だったのに~!」
〇〇「ふふっ、ほら、私、元気だけが取り柄だから~!」
涼架「フラグ立てんなよー、そういうときに限って……」
〇〇「って、きゃっ――!」
(バランスを崩して、足元の段差に躓いて──ドサッ!)
大森「〇〇っ!!」
若井「うわ、マジか!?だ、大丈夫!?」
(すぐに3人が駆け寄る。〇〇は膝を抱えて、じっと下を向いてた。)
涼架「……血、出てる。結構、擦りむいたな……」
〇〇「っ……だいじょぶ、全然だいじょぶ、痛くないもん……」
大森「……手、貸して。無理して笑うの、俺は見たくない。」
(そっと大森が手を差し出す。〇〇の手は少し震えていた。)
──数十分後。4人のシェアハウスのリビング。
若井「ほら、冷やしといて。これ、保冷剤。」
涼架「バンドエイドもここ。ってか、もっと泣いていいのに。」
〇〇「……っ、うぅ、ぅえぇぇぇ……」
(我慢が溢れて、涙がぽろぽろ。静かだったリビングに、ギャン泣きの声。)
〇〇「なにあれ、恥ずかしいし、痛いし、足ジンジンするし……!みんな優しいのもムリ……!」
大森「うんうん、いいよ、もっと泣いて。よく我慢した。」
(大森は背中をゆっくり撫でながら、子どもをあやすように寄り添う。)
若井「泣くとこも、ちゃんと見せてくれてうれしいよ。俺、そういうの……大事にしたい。」
涼架「今日の〇〇、100点どころか、満点超え。転んだのに、笑って、でも泣いて……」
〇〇「泣かせないでよぉぉぉ!!バカぁぁぁぁ!」
若井「……え、俺?」
涼架「全員だろ。」
大森「全員、だね。」
(3人が囲むように座って、〇〇の手や肩をそっと包む。)
大森「ねえ、聞いて。俺たち、ほんとに〇〇が大事で、守りたいって思ってる。」
若井「無理して笑ってるのとか、痛いの我慢してるのとか、全部バレてるから。」
涼架「だからさ、次からは甘えて?俺ら、何回でも受け止めるから。」
〇〇「……そんなこと言われたら、また泣くでしょ……バカぁ……!」
大森「……んふ、今日だけは、泣き虫な〇〇がいちばん可愛い。」
(その夜、〇〇の涙が止まるまで、3人は代わる代わる手を握って、頭を撫でて、ずっとそばにいてくれた。)
(不安も、痛みも、ちょっとずつ溶けてく。まるで、愛で包まれるみたいに。)