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全ての魔術師とそのスリーマンセルにとって、最も大切な誓い、その内一つではっきりと言及されている災厄レベルの出来事、それが魔力に侵され切った邪竜との遭遇に他ならなかったのだ。
だと言うのに言葉を遮られた本人、アスタロトは小首を傾げて頭部をウニョウニョさせている手下に聞く。
『邪竜って何だ? テューポーンよ、お前は知っているか?』
ウニョウニョを乗せたゴツイおっさんは答える。
『いえ初耳ですね…… あれじゃないですかね? 何か自然災害的な事を竜とか呼んでいるとか? じゃないですか? ほら良く有るじゃないですか、純朴で原始的な社会でそう言う比喩って、有りますよね?』
『なるほどな』
どこかズレた会話で納得している神様ズにレイブは添削を試みる、しっかり者だな全く。
「いや邪竜ですよ、邪竜! 魔力災害で竜が狂ってしまう奴ですよ、やだなぁ~! ご存知でしょ?」
『む? 竜が狂う? 我は知らんぞ、そんな現象』
『ニンゲンが石化するとか魔獣が爆死するなら良く聞きますけどね、竜が? 狂ってしまうんですか? へぇ~、です』
「へぇって、良いですか、魔力災害で――――」
怒涛の登場からこっち、規格外の力、スキルや殺戮能力を見せていた神様ズ。
だと言うのにこの時代では常識とも言うべき三つの災厄、ニンゲンの石化、魔獣の爆死、そして竜種の邪竜化にはあまり詳しく無いらしい。
そう判断したレイブは持ち前の親切心と我慢強さを発揮して、丁寧な説明をアスタロトとテューポーンに施したのである。
『なるほどな、魔力を受け過ぎた竜種は鱗が肥大化して身動きが出来なくなると、そりゃそうだろうな』
「そうです♪ そうです♪」
『んで動けなくなった竜は邪竜、と呼ぶのですね…… 狂ったようにブレス、魔力の息吹を撒き散らし続けるから、ですかぁ……』
「です♪ です♪」
『『ふーん』』
「ん? ん? んんん?」
主客一転、ハテナ顔を浮かべたレイブに対してテューポーンとアスタロトが説明を始めてくれる。
話は人類が地上を統べていた、少なくとも人類自身がそう思い込んでいた時代、日本と呼ばれた国の
令和時代に遡って始められたのである。
全ては短い動画を見せられた事から始ったと言う。
ここで言う動画とは、皆さんには馴染み深いスマホの動画である。
レイブにはどういったものか理解できないままであったが、話の腰を折らない様に気遣った結果、魔法の行使によって盤面に映し出された過去の記憶映像、それ位のふわっとした理解のままで通り過ぎたのである。