「今日もいい天気だなぁ」
僕は藤澤涼架って言います。航空隊に所属する19歳です。航空隊に所属と言っても僕はみんなみたいに体が丈夫じゃないので通信部で事務処理などをしてます。
今日は幼なじみの元貴が出撃する日
この前はもう1人の幼なじみの若井が帰ってきたんだけど目に包帯をぐるぐる巻いて帰ってくるもんだから僕は本人よりも焦って焦って大変だった。
でも、怖いなんて言ったら上官や仲間に殴られるから口が裂けてもそんなことは言えない
「じゃあ、行ってきます」
「うん!若井と一緒に待ってるね!」
いよいよ元貴が基地を出る。正直言うと行かせたくなかったんだ。無理にでも引き戻したい。最期はできることなら幼なじみ3人で終わりたい
「藤澤!こっち手伝ってくれ!」
「はい!」
呼ばれた方へ行くと若井を含め何人かが戦死した仲間たちを埋葬していた
「……みんな、最期まで頑張ってくれたんだよね」
「うん、いっぱい戦った英雄たちだよ」
「若井の目もね」
「ありがとう、涼ちゃん」
山積みにされた仲間の遺体も1時間かそこらで ほぼ埋葬が終わった。
「涼ちゃん?どしたの?」
昼食を食べてる時、隣に座る若井が僕に聞いてきた。ぼーっとしちゃってたみたい。
「ん…いや、元貴大丈夫かなぁって」
「大丈夫だよ、元貴ならきっと上手くやってる」
「そうだよね…!」
それから数日経って元貴が帰ってきた。その姿はこの前の若井と同様ボロボロの姿だった
「元貴っ!」
「涼ちゃん…ただいま…!」
「…良かった…生きてた…!!」
若井のように目などを失った訳では無いが、それでも腕を骨折したようで包帯を巻いている。
「若井は…?」
「向こうで仕事してる!呼んでくる?」
「ううん、ちょっと休んでから会いに行くよ…」
「わかった。よく休んでね」
元貴を寝床へ送り、自分も仕事に戻る。出撃中の隊から送られた暗号を文字に変えて上官へ報告をする。毎日その繰り返しだ。
「ふぅ…こんなこといつまでやるんだよ…」
この戦争はいつ終わるのだろうか。政府は本当にこんな戦争を望んでいたのだろうか。罪のない国民が意味もなく殺害される戦争など、今すぐにでも終わって欲しい。
僕の家族を、返して欲しい
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