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私は存外この日常に飽き飽きしていた。
だからちょうど良かった。
この間お父さんとお母さんが喧嘩していて、なんとなく仲裁に入ったらとばっちり。私は養子だったらしく、「あんたなんか貰わなきゃ良かった」と。まぁよくある話ですわな。
そのことを恋人に話していたわけなんですが、さすがに重すぎだろ。と引かれ、お前とは元々性格合わなかったんだよな、とフラれた。
反抗心で家出をしようと思い立ち、日銭を稼ぐためにAVに出ようとしたけど途中で怖気付いて逃げた。そしたら悪い奴らに捕まり暴行された挙句山道に捨てられた。
ああ、なんてかわいそうなんだろうか。
死に場所でも求めてとりあえず歩く。
絶望しかないね、夢も希望もあったもんじゃねーよ。
でも、きっとこれでちょうど良かったんだ。
絶望はある意味私にとって光だったのかも知らない。
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どのくらい歩いただろう。
天気も悪くなってきた。まずここがどこなのかも分からない。それでいい、それでいいけど、雨は正直だるかった。
山道を何となく歩く、家もなけりゃ人もいない。街頭はある。
夏だ。夢では世界が終わった。本当に終わるかもしれないなんて思ってもみなかったけど。
PM18:13
外はそろそろ暗くなるな。あー、今テスト週間か。本当だったら今頃みんなで遊んでんだろーなー。マックいってだべってゲーセン行って…なんてくだらない。なんであんなのとつるんでたんだろう。誰も本当の私なんて知らないんだ。
そんなくだらないことを考えていると、向かいから人影が見えてきた。
気だるそうに覇気のない歩き方をしている。もしかしたら私と同じくこの世界に絶望でもしているのか。
近づくに連れて、見慣れた顔があらわになっていった。
「……え、先生?」
そこには淫行教師で捕まったはずの先生がいた。