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コメント
15件
わ、別れたッッ! 良いですねぇこの展開 好きです、🤧💞
葛葉、そっち行くんだね
注意事項
地雷さんや苦手な方はそっと閉じてください
この作品はご本人様と何一つ関係ありません
コメントをする際には批判ではなくアドバイスをしてください。
それでは楽しんでいってください!
叶さん視点。
葛葉が病院に運ばれた後は弦月さんと2人で眠る葛葉を見つめていた。殴られるのかもしれない、罵られるかもしれない。そう思って身構えていたのに弦月さんは何もしなかった。ただ黙って葛葉の側にいるだけだった。その姿はまるで僕が見えていないようだ。カチコチと時計の針と点滴の落ちる音しかないこの部屋はとても広くてこのまま沈み込んでいく錯覚をしてしまう。
〚叶さん、僕はあなたが嫌いです。〛
『偶然だね、僕も嫌いだよ。』
にこりと口角を上げて答える。
〚そういうのはもう良いです。先輩としても1人の人間としてもあなたを好きになれません。〛
『そう…。』
〚出てってください。〛
『言われなくてもそのつもりだよ。』
弦月さんと葛葉を置いて部屋を出る。弦月さんは振り返ってくれなかった。分かっていた。こういう事になるくらい。自分が許されない事をしていたくらい。でもまだ認めたく無くて必死に自分の中で言い訳をする。 弦月さんにも勝てると思った。葛葉も弦月さんより僕を守ろうとすると思った。でも違った。僕は何をしていたんだろう。血まみれになった葛葉を見て何か違うと思った。僕がしたい事はこれじゃない。あんな事じゃなかった。ライターに火を付けてタバコを吸う。いつもは感じる甘みは無くてただ苦いそれをすぐに消してポケットにしまった。
葛葉さん視点。
カタカタと窓が揺れる音で目が覚める。外は真っ暗で自分の体には点滴と包帯が巻かれていた。スマホは無くて2人も居ない。
「どこ行ったんだろ? 」
点滴を腕から抜く。針からは液が出てきて床が濡れちゃうから側に置いてあったティッシュに包んでおいた。バレたら怒られるからそっとドアを開けて廊下に出る。夜中だからか人は居なくて静かだった。それがほんのちょっとだけ怖い。
「弦月さーん?…居ませんかー? 」
小さめな声で呼ぶけど返事は無い。あの後はどうなったんだろう。叶は弦月さんを殴ったのかな、弦月さんも叶にもっと酷い事言ったのかな。叶にも弦月さんにも傷ついてほしく無い。叶は怖い。でもだからと言ってケガとかをして良いかって聞かれたら違う。こんな考えだから駄目なのかな…。
「弦月さん?……どこー?」
もう大人しく病室に帰ろうとした時に後ろから名前を呼ばれた。
『葛葉?』
「っ!?叶、、、。」
ズンズンと大股でこっちに近づいてくる叶。ふわりと香るタバコの匂いがより恐怖心を掻き立てた。腕を伸ばされた所で目を瞑って腕で頭を守る。でも痛みは無くて代わりに手を握られていた。
「えっ?」
『病室戻るよ。』
手を引っ張られて病室に連れてかれる。夜の暗さで叶の表情は良く見えなくて、でも少し強張ったぎこちない手の繋ぎ方から緊張と葛藤が垣間見えた。だから振り払う事は出来なくて。部屋に戻ってベッドに横になる。叶が座ると思ってイスを用意したけど叶はドアに手をかけていた。
「待って。」
『なんで?帰るからもう用事ないし…。』
「そうやってまた俺から逃げるの?」
『………。』
「お願いだから待って。お前に用事は無くても俺は向き合うって決めたから。」
『……分かった。』
叶がイスに座った時、月の光で顔が見えた。その顔は怒っているようにも悲しんでいるようにも見えて感情がよく分からなかった。
「あの後はどうなったの?」
『あの後って何?』
「倒れた後弦月さんを殴ったりしたの?」
『してない。』
「そっか。」
弦月さんはケガをして無い。その事実で安心に包まれる。弦月さんを守れて良かった。
「じゃあ叶は?酷い事を言われなかった?」
『は?』
驚いた用に間抜けな声を出す叶。何がそんなに驚く必要があるんだろう。
『お前、僕を心配してんの?』
「そうだけどなんで?」
『馬鹿なの?僕はお前を殴ったんだよ。浮気もしたしいっぱい傷つけたじゃん!!!!』
叶が大きな声を出したけど気にせず口を開く。
「それでも心配はするよ。1人の友達として」
『友達………?』
「そう友達。」
叶が息を飲んだ。この先の言葉をきっと察したんだろう。
「なぁ、叶別れよう。」
はい!
ここまで読んでくれてありがとうございます
このお話も完結が近づいてきましたね。
以上きい。でした(*‘ω‘ *)