皇命(すめらぎみこと)と皇宮音(すめらぎみやね)の学校に転校生が来ることになった。二人は学校唯一の双子で、転校生も双子だという。二人は変わった双子でとにかく性格が変わっていた。他人からの視線を気にしないのだ。見た目は少々整っており、かわいくきれいではあるが、ことに弟の命はどうでもいいことと大事な物の区別へ対応が別人と言っていいほどかわっていたのだ。
ガラガラガラ
ドアが開き、ランドセルを背負った二人の子が入ってきた。みんなその姿を見て絶句した。
その子たちの顔は見えなかったのだ。なぜならその子たちは真っ白な白狐の面をつけていたのだ。そしてそのお面から覗く目は青色だったり黒だったり焦げ茶だったりと様々だ。だがその目がこちらに向けられることはなかった。女の子は長い髪をさらりと腰の少し下まで流しており、男の子は一風変わった髪型だった。と、先生が声を張り上げた。「みなさん!この子達が今日から仲間になります。色々わからないことがあると思うので教えてあげてくださいね」「はい」「えっと席は…皇さんのとなりの席ですね」二人は言われた席に静かに向かい、ランドセルをおろした。と、キーンコーンカーンコーンと、チャイムがなった。「みなさん。一時間目の授業の用意をしてから休み時間に入ってくださいね」先生がそう言って自分のデスクに向かったとき、ガラガラッと誰かが入ってきた。「みなさーん!おはようございますぅ!今日の理科は理科室です!五分前には来てくださいね!待ってます!」とみんなの嫌われ者のぶりっ子なピンク大好きピンクメガネの理科の先生がこれまた気持ち悪い笑顔で言った。
しかし、隣を振り返ってもあの二人はどこにもいなかった。そして皇双子がいやいや理科室へ行くとそこには何事もなかったかのように二人は座ってた。
「皇さん」2つの声が重なった声が聞こえた。「誰?」宮音が振り返ると狐面の二人がこちらを向いていた。「今日、うちに来てほしいの」狐面の男の子が言った。「私の名前は白狐綺晶(しらぎつねきしょう)と、弟の白狐雪耶(しらぎつねゆきや)」「どうして来てほしいの?」宮音がそっと尋ねると二人は、「この子達だって思ったから。」二人は謎めいたことを言い残して、授業がすぐに終わるとまっさきに飛び出していった。
放課後、二人は帰っていた。家に来てと言われてもどこにあるのか知らないのだ。だから今日はそのまま帰ってのんびりするつもりだ。家へつき、手を洗い、おやつのいなり寿司を食べ、自室へ戻るとダイヤモンドのような輝きを放つ紙がポツンと置かれていた。「なにこれ!」「知らない!」二人は慌ててかけより封を開けた。するとさらに大きな白い光と小さな紙が出てきた。「皇双子へ。もし、私達の家に来る気があるならもう一度この光を覗いてごらん」と万年筆でかかれていた。「…どうする?姉上?」「どうもこうも。行こうよ」行く気の宮音に命は尻込みした。「えー?だって怖いじゃん?」「怖くないわよ。それに知りたくない?あの子達が狐面をつけているのを」「そりゃあそうだけど…」「じゃあ、行きましょうよ」「まあ。姉上が言うなら」命は渋々承知して光を覗き込んだ。
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