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飛馬理たちの過去編。
セラフたちは出て来ません。
飛馬理の過去
俺の家庭は最低と言ってもいいだろう。
親は家にいない。兄弟は家を捨てた。俺は、唯一残った跡取りで、兄弟が出来損ないと言われてたため、親は俺に全てをかけていた。
兄弟は家を捨てるのに、俺を連れて行ってくれなかった。俺は、兄弟の生贄だった。
それからの日々は最悪だ。
毎日毎日、勉強と運動の繰り返し。たびたび挟まる実践。
頭が受け付けていない、勉強。一番嫌だった。
自分の学力に全くあっていない、ワークをやらされ、間違い、怒られる。
『なぜお前はできないのだ。こんな簡単な問題を』
小学1年生の頃から、小学3年生までに、小学校の問題を終えた。
小学校4年生から中学校の問題に入った。
ずっとずっと。
勉強だった。できなければ、殴られる。罵倒される。
いつの日か「痛い」と言う感情が消え去ったようにも思える。
運動の時間だけは楽しかった。
人との戦いかた。気配の消し方、足音を立てない方法だったり、基礎の体力づくり。辛かったけど、勉強よりかは楽しかったから。
でも、実践は嫌だった。
誰かとバディを組み、人の家に入り、情報などを盗み出し、場合によっては、人を殺した。
そんなの嫌だった。
失敗すれば殴られ、罵倒され、罰が下される。
失敗して死なないだけマシだろう。
和多家にとって、俺は唯一の跡取りだから死なせたくないのだろうから。
毎日が辛かった。死ねばいい。
俺のことを苦しめる、親も!俺を生贄にした兄弟も!
みんな、みんな!死んでしまえっ!!
でも。叶翔だけは、俺に対して人として接してくれた。
俺の嫌なことを聞かず、でも楽しく、笑ってくれた。
初めての友達で、初めて俺を救ってくれた。
大好きだ。
そんな彼が、この世界から逃げ出そう。そう言い出してくれたんだ。
俺も一緒に救ってくれるんだ。
ならついていく以外ないだろう。
俺の、俺の神様。
叶翔の過去
愛されたかった。
裏社会としては恵まれている方の家庭。
親は仕事でいない。しかし、愛を注いでくれている。
兄も優しい。僕よりできないがそれでも優しくしてくれている。
でも、みんな忙しかった。
僕に構ってられる時間はなかった。
親は家の仕事で。兄は家の仕事の手伝いを早くもしているそう。
僕は毎日小さい頃、一人でお手伝いさんが作った料理を食べていた。
毎日置かれていく手紙。
それからは僕に対する愛情が込められていた。
だから、これ以上望むことはできない。愛されているの、だから。
僕が、我慢しないと、我慢しないとっ!!
飛馬理よりも、良い家庭だ。
でも、だからと言って、人殺しをしたことがないわけはなく。
中学校から仕事を度々任されるようになった。
その時に、人を殺したことはあった。
小学校くらいから訓練は受けていたので、そこまで難しい仕事ではなかった。
家族は人を殺した時、毎回。
「大丈夫?」
と声をかけてくれる。
僕を家族として愛してる親たちにこれ以上何を望めと言うのか。
僕が我慢すれば全ていいんだ。いいんだよ。
飛馬理と会ってから、毎回思う。
あいつの方が辛い目に遭ったのだ。だから、僕はいいんだ。いい方なんだ。
飛馬理。お前だけは幸せになれよ。
誰よりも。
セラフさんや、四季凪さんに救ってもらいなよ。
僕なんか、どうでもいいから、、、。
僕の、僕の親友。
俺の神様。俺に希望の光をくれた叶翔。救われてよ。セラフさんたちを頼ろうよ。
僕の親友。僕よりも辛い目にあった飛馬理。救われてくれ。セラフさんたちを頼ってくれ。