昼休み。
なんとなく今日は屋上に来てみた
風に当たって
夢の事、あの懐かしい声
なんでちゃんと思い出せないのか____
気になって。
おばあちゃんの事も____
みんなには大丈夫だと話したけれど
いつも一緒に過ごしていたはずの人が
突然居なくなるのは
寂しい____
寂しいのに
こうやって屋上に1人でこうして居るのも矛盾してるけどね?
いつもおばあちゃんが早起きして作ってくれていたお弁当はもう、ない
1人、購買で買ったメロンパンとおにぎりとジュースを広げ
柵に背中を預け
ボーッとする____
風が気持ちいい
もぐもぐと自分の咀嚼音でさえも聞こえるような静けさ
教室とは違う
実は何度か1人になりたくてよく屋上に来た
どうにも他人から見た自分が気になって
考え込んでしまったり
自分の言動や態度で誰かが悩んでしまうのは申し訳なく感じる____
だからこそ、恋愛とかそういうのは避けてた
市松様という会った事も無い幻想の人を好きだと言って
恋愛は避けてきた____
怖かったんだ
「未来ちゃん」
誰かに恨まれるのが怖くて
「○○が未来ちゃんの事好きなんだって!」
「付き合ってあげなよ!」
拒絶されるのが怖くて
『うん……』
傷つけるのが怖かった
「未来ちゃんなんで○○の事振ったの!?
可哀想だよ!」
それなのに
「ねぇ、なんで!?」
なんで____
『好きじゃないのに付き合っていけないよ……』
他人とは一生懸命向き合っていたつもりでいた
嫌われないように
ハブられないように____
なのに____
「未来ちゃんって最低」
「未来ちゃんって性格悪いんだね!」
「人の心とかないんか?」
「弄んでたんだ!○○可愛そう!」
「後ろから刺されたらええのに!」
可哀想だとか____
綺麗事だよ。
じゃあもっと、
『みんながだって言うから……』
「はぁ?私らのせいにすんの?」
「やっば」
もっと自分の言葉で言いたい事、
嫌われてでもいいから
言えればよかったなぁ____
『いやだ』
ただその一言だけなのに
どうして私はあの時____
中学で私はそれからずっとその子たちから
いじめを受けていた
いじめというか嫌がらせだ____
途中からもう____
感情が無くなったように
無になった
ヘラヘラと、して過ごせるようになった
これが今の私だ。
たまにこうやって考える
夏目くんの事いいなって思う自分もいるけれどそれと同時に、
こんな
好きでもない人と周りの流れで付き合って
キスや行為も拒絶して悲しませて
最後には傷つける言葉を言った
その人の最後の顔が今でも鮮明に頭に思い浮かぶ
こんな自分が、人の事を好きになっていいのかと、
だったら夢の中のあの人を思う方が____
ねぇ、
おばあちゃん、
私が泣いて帰ってきた日
ずっと頭を撫でていてくれたよね
何も聞かずずっと____
そんなおばあちゃんも、もう、いないんだね____
『ぅぅッ……ひっく……ふ……ぇっ』
涙が溢れてくる
止まらない
最悪
化粧がとれてしまう
高校から私は変わったんだから。
こんな所見せられない____
ティッシュを取り出し
チーーーン
と涙と一緒に流れる鼻水を拭いた時だった
「相坂?」
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