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仕事場所まで送るーその言葉から始まった。
「えっと、もうここら辺で大丈夫です」
「もうちょっと先まで送るよ?」
悪気なんて全く無いような笑みで私を見る岡崎さん。
こうなったのは、今から数分前に遡る。
ー数分前…..
「それは、悪いので大丈夫です、、、‼」
岡崎さんに「送る」と言われて、なんとか断ろうとするが、、、
「送るよ〜、女の子1人じゃ危ないでしょ?」
ニコニコしながら、言う岡崎さん。
意外にも、岡崎さんは頑固な所があるらしい。
「いや、でも、、、」
こんな感じでさっきから、送る送らないの言い合いになっている。
正直、このままじゃ私が警察官だってバレかねない。
もうバレてるかもだけど、、、。
「このままじゃ、兎さん遅刻しちゃうし行こっか」
そう言いながら、私の腕を引く岡崎さん。
そう思うなら、アンタが引いてくれ‼
「、、、えっと、もうここら辺で大丈夫です」
そして、冒頭に戻る。
本当に、ここからどうしよう、、、。
まだ送るって言ってるし、その気持自体は嬉しいけど、、、。
purururu pururur …
その時タイミング良く、私の携帯が鳴った。
だが、携帯番号を教えた人は全くと言っていいほど居ない。
「すみません」
岡崎さんにそう言い、違和感を覚えつつ私は通話ボタンを押した。
「もしもし、、、?」
私がそう言うが、電話相手からの返答はない。
悪戯電話かな、、、。
切ろうとしたその時ー
「、、、雪梅李菟」
「え、、、」
電話相手は、いきなり私の名を呼んだ。
けれど、相手の声に聞き覚えがない。
その後、ツーツーと電話が切れる音がした。
「岡崎さん、すみません。急用が入ったので失礼します、、、‼」
「ぁ、、、」
岡崎さんに捕まる前に、猛スピードでその場を去った。
申し訳なく思いながら、走り続け近くのカフェに入った。
ー夜 ‹探偵事務所›ー
あれから、岡崎さんに遭遇することはなく探偵事務所に来た。
そして、現在ここには白石さん除き3人が居た。
「雪梅、、、来たか」
柳さんがそう言い、向かいのソファに座る。
榎本さんはその隣に座り、笹塚さんはいつも通りパソコンと睨めっこをしている。
「ここ数日、何か変わったことはあったか?」
その言葉に、昼間のことを思い出す。
「実はー」
私は、今日あったことを3人に話した。
悪戯電話の可能性が高いが、警察官以前に怖い。
「そうか、、、相手の声に聞き覚えのある奴は居るか?」
「いえ、居ませ、、、」
、、、何か引っかかる。
聞き覚えがないはずだが、知っているような声。
「、、、分からないです」
あれは、、、誰だ。
思い出せと、私の勘が言っているー
【 雪梅李菟について解禁された情報 】
〝芸能人夫婦心中事件〟
〝雪梅 杏珠〟(あんず)ー女優兼大人気アイドル
〝雪梅 利斗〟(りと)ー大人気モデル
〝雪梅 李菟〟(りず)ー隠し子、警察官
〝雪梅 __〟(__)ー隠し子
_年後、雪梅__ー行方不明
雪梅李菟、精神的な一部分の記憶障害
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