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#佐野勇斗
うじ
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#さのその
みかん缶
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82
80代になったヨボヨボ爺さんのさのじん、数年前に発症した認知症で何もかもを忘れてしまって毎日天井を見つめるだけの仁人。曲がった腰を杖で支えながら毎日足繁く仁人が入所した老人ホームへ通う佐野さん。ある日いつも通り仁人の個室に入ると、いつもは勇斗が入って来たところで何の反応も見せない仁人がゆっくりと首を動かしこちらを見る。
上がらない膝を懸命に押し進めて仁人のもとへ行くともちもちとしていたあの日の面影はなく、骨と皮だけになってしまった愛おしい手が震えながらこちらへ伸びてくる。シワだらけになった己の両手で最愛の手を包み込むと薄らと笑った気がした。たまらなくなって何度も愛おしい名前を呼ぶとふ、と息を吐く音が聞こえた。何かを話そうとしている?じっと耳を澄ませると、小さい、本当に小さい声で
「しあわせだった」
確かにそう聞こえた。
翌日仁人は眠るように亡くなった。
出会って70年。同性愛に対しての偏見は薄まりつつあったもののそれでも異性愛と比べて男同士の恋愛は生産性もなく未だ完全に受け入れられているわけではない。幸いな事に両家の家族やメンバーからは心からの祝福を受けたもののお互いがアイドルであった事から公表した際にはかなりのマイナス意見も寄せられた。本当に俺で良かったのか、仁人は俺と一生を過ごして幸せだったのか、本当はずっと不安だった。救われた気がした。良かった、仁人は最後まで笑っていた。
俺ももうすぐ行くから。来世もまた一緒になろう。だからそれまで待ってて。
コメント
2件

やっぱりきらめきピーチさまの作品が好きです😭 来世もまた一緒になろうに涙腺崩壊しました…
うわあ……もう、冒頭から涙腺がやられました。認知症で何もかも忘れてしまった仁人さんが、最期の一瞬だけ「しあわせだった」と伝えるシーン、あまりにも美しくて切ないです。70年もの間、偏見や不安を抱えながらも添い遂げた二人の人生が、あの一言で全て報われた気がしました。来世の約束で締めくくる構成も、余韻が深くて素敵ですね。