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もしこんなことあったら叫んで倒れて三途の川行く自信あるわw
いや、ちょっと待ってください……付き合ってない未満なふたりでっ、こっ、んなお話をぉぉぉ……大好きすぎて色々と荒ぶりますっ。 とりあえず疑惑を確信に変えるために過去のインライ動画を色んな所から探ってきますねっ!!
久々に、若井と2人のインライ。
流れるコメントを適当に拾って、喋って。
気づけば時刻は21時半。
1時間以上やってんじゃん。
「じゃあそろそろ終わりますか、若井さん」
「結構やったもんね。終わりますか〜」
『早くない?!』
『あと少しだけお願いします!!!』
先程よりも流れる速度が速くなったコメント欄に、思わず笑ってしまう。
「早くない?!じゃないのよ。
1時間以上やってんのよ。」
「もう遅いからね。皆早く寝なよ〜」
隣に座る若井が、固定していたスマホを手にした。
若井に身体を寄せ、画面に向かって手を振る。
相変わらず止まらないコメント欄。速すぎ。
「おやすみ」「楽しかった」等で埋まる中、あるコメントが目に止まった。
思わず喉まで出かかった声を飲み込む。
『若井さん、首に跡ついてない?』
え、待って何。跡??首に???
同じコメントを目にしたのか、若井が自身の首に触れた。
「…ちょ、ばか……っ!」
慌てて小さく制しながら、画面外で若井を小突く。
やばいやばい。まじで何。
「…っ、切るよ、おやすみ〜。」
関連のコメントが増えてしまう前に、半ば強制的にライブを終了させた。
画面が戻ったのを確認して、大きく息を吐きながら天を仰ぐ。
「…………やったわ……」
テンパりすぎて反応ミスった。
絶対誤解されるって、あれ。
俺じゃない。まじで。ほんとに。
そもそもよ。そもそも付き合ってない。
付き合ってないのにあの反応はアウト。
「……………心当たりは?」
若井のパーカーの首元を引いて、跡にしか見えないソレを確認する。
「…昨日の虫刺され」
ですよね。
まじで馬鹿。何してんの俺。
変に触れない方がいいと思ったけど、逆に目立ったな。これ。
「………なんかごめん」
「ねぇやめてその反応!変な空気なるから!」
もう手遅れ。変な空気、なってます。
「いやだってこれは流石にアウトでしょ!
俺がキスマーク付けたみたいなさぁ!!」
「やめてよ何で全部言うの?!」
こっちがやめて欲しいです。
表情も仕草も、なんか色々アウトに見えんのよ。
若井の首元に浮かぶ薄い赤が、どうにも目を引く。
何となく、ほんとに何となくその跡に指先で触れてみた。
「……っ、!」
肩が揺れたかと思えば、その瞬間手で跡を隠されて。
反射的に、なのは分かる。
分かるんだけど、ごめん。
耐えられなくなりそうかも。
焦ったような表情がとにかく調子を狂わせる。
気まずそうに泳ぐ視線と首元から手を離すその仕草が余計に。
若井の肩に手をかけ、指先で跡に触れる。
「……え、元貴?」
困惑が滲んだ声を無視して、首元に唇を寄せた。
あのコメント、勘違いじゃなくなっちゃうかもね。